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和泉市民健康まつり〜「和泉市版 食事バランスガイド」発表

(2006年10月15日 和泉シティプラザ にて)

和泉市版食事バランスガイド

 去る10月15日、大阪府和泉市の和泉シティプラザにて、和泉市民健康まつりが開催されました。
このイベントは和泉市民の健康増進を目的とし、毎年開催されています。イベントでは医師会や歯科医師会、薬剤師会、保健所、栄養士会、食生活改善推進協議会など、各団体がそれぞれの立場から健康的な生活に役立つ情報を発信し、健康に関心のある多くの市民が訪れます。今年の健康まつりにも多くの市民が集まり、各ブースのどれもが盛況でした。

会場となった和泉シティプラザ

この日発表された和泉市版食事バランスガイドのタペストリー

 展示の一部を紹介すると、和泉市医師会では肌年齢測定、血糖測定、骨密度測定などの各種測定を行いました。言葉として知ってはいてもなかなか調べる機会の無いこれらの測定は、どれも盛況なようでした。
 歯科医師会では歯科総健診、口腔ケア器具の展示、唾液テスト、フッ素塗布が、薬剤師会では体成分測定、健康クイズが行われ、こちらもなかなかの盛況ぶりでした。

 栄養、食生活のコーナーでは、和泉市食生活改善推進協議会、和泉保健所管内地域活動栄養士会、和泉保健所管内給食研究会などがブースを出し、それぞれが「和泉市版食事バランスガイド(PDF、4.8Mb)」を様々な角度から紹介しました。
 この「和泉市版食事バランスガイド」は、現在全国的に普及活動が進められている、全国版食事バランスガイドの食事例を、和泉市の郷土料理に置き換えたもの。和泉市版バランスガイドは、和泉市食生活改善推進協議会、和泉保健所管内地域活動栄養士会、大阪府和泉保健所からなる、和泉市健康づくり推進市民会議食育検討会が中心となり、(有)いずみの里や市立南松尾小学校と協力して作り上げました。

和泉市食生活改善推進協議会のブース

和泉市食生活改善推進協議会の面々 前列右から3番目が会長の佐藤さん

和泉保健所管内地域活動栄養士会のブース。食事バランスガイドを詳しく解説

トレイを所定の位置に置くと、その食事の栄養評価をしてくれます

 和泉市食生活改善推進協議のブースでは、紙芝居や食材釣りゲームが行われ、子供に大人気でした。また、「和泉市版食事バランスガイド」の図柄を、マグネットで貼付けられるように工夫したボードは、自分の選んだ食事がバランスガイドから見てどうなのかが簡単にわかるので、親御さんにも大変好評でした。

 地域活動栄養士会のブースでは、食事バランスガイドについてボードと資料を使って詳しい、解説をしました。また、バランスガイドについてのアンケートやバランスガイドに準拠したレシピの紹介など、全体的に大人向けの展示となりました。

 給食研究会は、食事バランスガイドにも対応した食事チェックを行いました。テーブルいっぱいに広げられた食品サンプルから、自分の食べたいものを選んで最後に計測してもらうと、栄養素バランスを自動で判定してくれます。また判定の結果を印字したシートには、個々の料理について主食、主菜等の表記もしてあるので、バランスガイドの参考にもなるようになっています。

初めての郷土料理も大好評

 和泉市食生活改善推進協議が開催した「和泉大好き!親子クッキング」は午前と午後の2回行われ、十数組の親子が参加しました。
 参加されたほとんどの方が、小学生のお子さんとそのお母さんという組み合わせ。また会場近くの新興住宅地にお住まいの方が多く、今回の親子クッキングで紹介されたような郷土食は初めてという方も多いようでした。

 今回の親子クッキングでは、「茶がゆ」「なすのごまみそ和え」「じょうよ蒸し」の3品にチャレンジ。「茶がゆ」「なすのごまみそ和え」は、「和泉市版食事バランスガイド」の郷土料理レシピにも紹介されている和泉市の伝統的な料理です。

 料理を始める前にまず、和泉市食生活改善推進協議会の佐藤由紀子さんより、「和泉市版食事バランスガイド」の説明があり、今回つくる郷土料理もバランスガイドにのっとったものであることが話されました。

 実際の調理に入ると、最初は表情の固かった子供たちも徐々に緊張が解け、調理を楽しんでいるようでした。中には手の空いてしまった子もいて、何か仕事がないかとお母さんにねだる場面も。作業は蒸す時間のかかる「じょうよ蒸し」から始め、次に「茶がゆ」「なすのごまみそ和え」の順に進められました。3品が完成するまでに要した時間は、およそ1時間30〜40分ほど。10時から始まった午前の部では、お昼前のちょうど良い時間に料理が完成しました。

 自分たちの手で作った料理を前に子供たちも興奮気味。なんとか全員分の料理が完成し、さっそく試食となりました。
 初めて食べる郷土の味を子供たちにたずねてみると、「からあげも好きだけど、これもおいしい」とのこと。ほかのテーブルからもおいしいとの声が聞かれ、おおむね好評のようでした。

 この日作ったような、郷土料理は初めてという方もやはり多く、普段の食事も子供に合わせて、揚げ物やお肉が多くなりがちとか。それでも、機会があればこのような郷土料理を食卓に並べたいという意見も聞かれました。


調理開始前に手順が説明されました
どの子も一生懸命調理に取り組みました

完成した3品。上:なすのごまみそ和え、左:じょうよ蒸し、右:茶がゆ

茶がゆ

 4人分
  • 米 1カップ
  • 水 2リットル
  • ほうじ茶または粉茶 8〜10g
  1. ほうじ茶または粉茶を木綿の袋(なければお茶パック)に入れる。
  2. 鍋に分量の水を入れ、1の茶袋とともに沸騰させる。
  3. 茶袋を取り出し、洗った米を入れ、時々底を混ぜながら、強火で炊く 。
  4. 吹きこぼれない程度の強火で15分炊いて火を止める。
  5. ふたをして10分ほど蒸らす。

 

なすのごまみそ和え

 4人分
  • なす 4本
  • 白炒りごま 25g
  • 麦みそ 大さじ1強
  • 砂糖 大さじ1強
  1. なすは乱切りにして熱湯でゆで、ザルにあげて冷ましてから水気を絞る。
  2. ごまをすり鉢ですり、みそと砂糖を加えてよくすり混ぜる。
  3. 1のなすを2のごまみそで和え、器に盛る。

 

じょうよ蒸し

 4人分
  • 自然薯 80g
  • 木綿豆腐 150g
  • 卵 1/2個
  • にんじん 25g
  • きくらげ 3g
  • えび 60g
  • タラ 80g
  • 三つ葉 12g
  • ゆずの皮 少々
  • 片栗粉 大さじ2/3

     A
  • だし汁 1カップ
  • 薄口しょうゆ 小さじ1
  • 塩 少々
  1. 自然薯はすりおろし、木綿豆腐は水を切っておく。
  2. えびは小さく切り、叩いておく。
  3. にんじんと戻したきくらげは千切りにしてAの半量で煮ておく。
  4. すり鉢に自然薯・木綿豆腐を入れ、よくすりつぶし、卵・えび・にんじん・きくらげを入れよく混ぜておく。
  5. ぬれ布巾を敷いた型に流し入れ、一口大に切ったタラをのせて、湯気のあがった蒸し器で15〜20分蒸す。
  6. Aの残りに水溶き片栗粉でとろみをつけ、くずあんを作っておく。
  7. 5を切り分け、ゆでた三つ葉とゆずをのせ6のあんをかける。

 

積み上げられた食への想い

 「和泉市版食事バランスガイド」にはその元となったものがあります。それが「南松尾小学校版食事バランスガイド」です。これは南松尾小学校の6年生が、家庭科の時間に地場野菜、郷土料理と「食事バランスガイド」について学び、夏休みに有志の児童が作り上げたもの。このときの学習には、食生活改善推進協議会や地域活動栄養士会、いずみの里も協力しています。こうしてできた「南松尾版食事バランスガイド」をもとに、さらに検討を重ねてできたのが「和泉市版食事バランスガイド」なのです。

 和泉市食生活改善推進協議会の佐藤会長に「和泉市版食事バランスガイド」について伺うと、最初にバランスガイドがあったわけではないとのこと。
 まず子供たちにはきちんと朝、昼、晩、食べてもらいたい。そしてできれば、この土地でとれた食材をこの地の伝統食で食べてもらいたいという想いがあり、その想いを南松尾小学校の生徒さんたちとの授業を通して、少しずつ進めてきました。そこに、「和泉市版食事バランスガイド」の話があり、それまでの成果を「和泉市版バランスガイド」にまとめることとなったのです。つまり「和泉市版食事バランスガイド」は単独であるのではなく、それまでの活動の上に積み重ねられたものなのです。

 和泉市は子育て世代の住民が増えている、近年ではめずらしい地域です。そのため外部から移り住んできた住民も多く、地域のつながりが希薄になりがちです。今回発表された「和泉市版食事バランスガイド」が、食生活の改善というだけでなく、新規住民と地域のつながりを深めるきっかけとなれば、一層すばらしいことではないでしょうか。

和泉市版食事バランスガイドの元となった南松尾版

和泉市は子育て世代の住民も数多い