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NEC玉川事業場 食育キャンペーン

(2006年11月07-08日 NEC玉川事業場 会議室 にて)

主催:(株)NECライベックス/(社)農山漁村文化協会
協力:農林水産省/日本電気(株)/(財)日本食生活協会/川崎市食生活改善推進員連絡協議会/(株)兵左衛門

NEC玉川事業場で「食事バランスガイド」をキャンペーン

 JR向河原駅を降りてすぐのところに位置するNEC玉川事業場は、携帯電話をはじめとする技術開発の拠点として、日々操業がおこなわれています。
 この敷地内の一角にある社員食堂にて、11月7-8日の2日間、「食事バランスガイド」を広めるキャンペーンが実施されました。この社員食堂の大きな特徴は、なんといっても規模が大きいということ。一日平均、昼食だけで4600食もの利用があるそうです(食堂は2ヶ所あって、トータルでは8500食もの食事を提供しているそうです)。
 「第29回栄養展示会 ウエスト管理と食事バランスガイド〜自慢できる日本の食文化〜」と題し、パネル展示をはじめとするさまざまな催しがおこなわれました。両日とも、お昼時の11:30〜13:30という短い時間の展示だったにもかかわらず、2日あわせて1200人以上の来場者を数える盛況ぶりとなりました。

昼時で賑わう食堂に、長澤まさみさんの「食事バランスガイド」ポスター

「食事バランスガイド」のコマをかたどったバルーン

食堂にはポスターが連なって貼られた

「食事バランスガイド号」のようすを食堂内で再現

「食事バランスガイド号」で飾られた広告

テーブルの上には持ち帰り用に、カードの箱が

キャンペーン会場は、二日間とも大盛況

(株)NECライベックスのブース

 メタボリックシンドロームの判定法のパネルや、健康的な食生活のポイントを示したパネル(バランスのよい食事を、野菜をもっと食べましょう、煮物料理は副菜の王様など)、血圧測定の機器などが並びました。またPCで日頃の食事バランスをチェックできたり、コマのサービング数の目安となる食べ物の模型も飾られ、男性を中心に栄養相談を受ける姿が見られました。

メタボリックシンドロームのパネルをみながら、
日ごろの食事バランスをチェック

コマのサービング数の目安となる食べ物の模型

(財)日本食生活協会/川崎市食生活改善推進員連絡協議会のブース

 「長寿日本伝承の味」と題した大きなパネルには、日本地図上に各地の伝統食の写真がはられ、会場の雰囲気を盛り上げていました。
 また「神奈川育ちの野菜」コーナーについて、川崎市食生活改善推進員連絡協議会(大沼美保子 会長)の皆さんからお話をうかがうことができました。

  「川崎は住宅街・工業地帯というイメージが強いかもしれないけれど、今もまだ畑が残っていて、つくられる野菜も種類豊富なの」という言葉を裏付けるように、禅寺丸柿、玉川のなし、ホウレンソウ、カリフラワー、ブロッコリー、サツマイモなどが並べられています。またそれらを使ったレシピも紹介されていました。

 このコーナー、実ははじめ別の企画だったそうで、「この食堂からでる残渣を堆肥にして川崎の農家に提供し、育った野菜を食堂で使っているときいて、急遽「神奈川育ちの野菜」に差し替えたの。
 本当は川崎市の伝統野菜、万福寺にんじんの実物も展示したかったのだけど、まだ畑で数センチしかそだっていないということであきらめたのよ」と話してくださいました。

メタボリックシンドロームの危険がないか、BMIを計算尺で簡単にチェック

「神奈川育ちの野菜」コーナー:禅寺丸柿やホウレンソウなどを籠盛りに。またそれらをつかったレシピも紹介

「長寿日本伝承の味」と題した大きなパネル

(株)兵左衛門のブース

 (株)兵左衛門は、福井県小浜市が拠点の箸メーカーです。食べ物をおいしく食べるのにかかせない、輪ゴムでできるお箸の正しい持ち方教室を開催したり、折れたバットを再利用した「かっとばし!!」の展示がありました。今回は紹介だけだったため「何処へ行けば買えますか?」と熱心に問い合わせる方もいらしたそうです。

「かっとばし!!」をはじめとするさまざまなはしを展示

お箸の正しい取り方をパネルでわかりやすく紹介

(社)農山漁村文化協会のブース

 食育クイズが大人気。「食器の正しい並べ方はどれ?」「お茶碗一杯分のごはんにはお米が何粒はいっている?」などのクイズに、「どれだろう」と考えながら答えていました。

食育クイズが来場者に人気

お正月の料理にかかせない魚の卵は? などの食育クイズ

食生活への関心は高い

 今回の企画について、主催の(株)NECライベックスの方からお話しをうかがうことができました。
 全体の統括をされた管理栄養士の有馬まゆさん(第一フーズアンドケイタリング事業部業務グループ)は、
「自分はちゃんと食べているのかなと心配していたり、食生活に関心がある方が多いことを実感しました。たとえばある方が、ラッピング電車の広告――一日の食事を記録して「食事バランスガイド」のコマに当てはめた広告「みんなの食事診断書」――を見て、バランスのよい食事とそうでないものがあるのはわかったけれど、実際の食事にはどうあてはめればよいのでしょうと、ききにいらしたのです。今回のイベントでコマの説明をきき「あ、こうやって考えればいいんだ」と納得してくださいました。その姿を見て、ああ、このイベントをやってよかったと、つくづく思いました」と、来場者の反応に手応えが感じられたようす。

有馬まゆさん(第一フーズアンドケイタリング事業部業務グループ)

昼ご飯を選ぶ人々。「栄養展示会特別メニュー」の調理サンプルが並んでいる

 ただし、と前置きして「食事バランスガイド」にのっとったメニューをたてる苦労もお話しされました。今回のイベントでは、「栄養展示会特別メニュー」と題してイベント用のメニュー開発と、さらにそのサービング数をのせたカード(「食事バランスガイド」のコマではいくつに当たるかわかるもの)をつくったそうです。小鉢、カレー、サラダ、定食などを日替わりで、その数なんと40品あまり。

今回のイベント用に登場したメニューの数々(ほんの一部)。メニューカードにはサービング数がのせられている。
写真説明の()内は、それぞれのメニューのサービング数

ごろごろ野菜たっぷりの
ゴロップリカレー
(主食3つ、副菜2つ、主菜1つ分)

「川崎そだち」の野菜を使った
ちゃんこうどん・そば
(主食2つ、副菜2つ、主菜2つ分)

まるじゃが煮
(副菜5つ分)

三浦大根ピーナッツ味噌
(副菜1つ分)

ささみひじき生姜ドレッシング
(副菜1つ、主菜1つ分)

マーミナーチャンプルー
(副菜1つ、主菜1つ分)

川崎おふくろの味、煮蛤ごはんセット。鮭の幽庵焼き、野菜の天ぷらなど
(主食2つ、副菜1つ、主菜1つ分)

胚芽米 時雨かつおのばら寿司、がんものかに風味あんかけ、わらびもちなど
(主食1.5、主菜2つ分)

和定食「海御前 磯の浜焼盛」。海の幸が盛りだくさん
(主食2つ、副菜2つ、主菜2つ、牛乳・乳製品1つ分)

「食堂で使う食材は加工品もありますから、それをサービング数の計算式に落とし込む作業が必要でした。たとえば「ごぼう入りつくね」を使う場合、加工業者に配合をきき、タンパク質がどれくらいなどと換算し、(それをメニューに含まれる他の素材とあわせて)サービング数をださなければいけないのです。日々のメニューにサービング数をつけることができるかと考えると、(時間・労力的にも)どこまでできるかなと悩む面があります」とのこと。
  実際にメニュー開発に当たった栄養士の方からも「計算のしすぎで目がシビれるほどでした(笑)」というコメントがあったほど。

 また、
「メニューカードについたサービング数をみて「あ、これだと副菜が足りないから小鉢をいれよう」と自分から選べるようになるには、冊子、DVDなど、食事バランスガイドの考え方が一目でわかっていただけるものを使い、じっくり広めていくことが必要だと思っています。
 それでもまず、2-3分でも時間を割いてもらって使い方を頭に入れていただくだけでも、そのあとの食事の摂り方が変わるのではと思います」と、今後のことも見すえたお話でしめくくられました。

玉川事業場は「ルネッサンス食堂」

 同じく(株)NECライベックスの酒井正雄さん(執行役員で第一フーズアンドケイタリング事業部長)からは、この玉川事業場の食堂の特長をお話いただきました。酒井さんはいわば、この食堂の個性をつくった立役者ともいうべき存在。というのも、「かわさき育ち」の野菜を環境に配慮した形で調達するシステムをつくりあげた方なのです。

「この食堂は、H12年の4月から営業が始まりました。当初から毎日大量にでる食物の残渣をどうするかということが大きな問題でした。なにしろ一日平均、昼食だけで4600食もの利用がありますから。
 かさを減らして廃棄したこともありましたが、それではあまりにも勿体ないということで、堆肥化することにしたのです。
  ただし今度は、堆肥の利用方が問題になってしまいました。個人の方に好意で引き取っていただくのにも限界がありますし。そこで、以前からつきあいのあったJAセレサ川崎に堆肥をおろし、その堆肥で育った野菜を、食堂用に購入するという流れをつくりました。
 一年中すべての野菜が揃うわけでもないし、野菜の大きさ・とれる期間や量など、実現までの苦労はたくさんありましたが、食の安全に配慮した取り組みは今後も続けていきます。食堂内でも「かわさき育ち」の説明パネルをつくるなどして、お客さんにわかっていただけるようにもしているんですよ」とお話しくださいました。

 そして、「これまでも、栄養展示会などを通じて食への関心を広げる試みはおこなってきましたが、これだけ大規模のものははじめてでした。健康の維持を気にされる方が多いこともわかりましたので、今後もさまざまな年齢層の方に向けた取り組みを続けていきたいです」と結ばれました。

酒井正雄さん(第一フーズアンドケイタリング事業部長)

「かわさきルネサンス育ち」のパネル
食堂の生ごみが堆肥になるまでの説明

この堆肥がJAセレサ川崎におろされ、それを使って
育てた野菜が、食堂で使われている

 このように、さまざまな人の想いが重なったおかげで大盛況となった今回のキャンペーン。
  来場者の健康的な食生活への関心の高さと、主催者の「食事バランスガイド」をもっと知ってもらいたいという企画のねらいが、まさに「バランスよく」かみあったものとなりました。