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小川黒まめまつり

〜広い青空のもと、和泉市の伝統の味・新しい味の出会いと収穫体験〜

(2006年10月21-22日 小川西農業団地にて)

 「小川(こがわ)西農業団地」は、和泉市が平成13年度から進めている泉州東部区域農用総合整備事業によって農用地造成で整備された約11haの新しい農地です。この地で10月21日、22日の両日「小川黒まめまつり」が開かれました。このまつりは、小川農業振興会が中心となり、和泉市の農家の女性50人ががんばる有限会社いずみの里も参加しました。

山を切り開き整備された農地

白の割烹着がいずみの里のみなさんの出張スタイル

みんなおいでよ! ―和泉市の自然に囲まれ、両手いっぱい収穫体験―

「小川西農業団地」は、和泉市の市街地から車で15分ほどの山の中にあります。公共交通機関はなく、「小川黒まめまつり」の手書きの看板を頼りに、車ですれ違うのも所々大変な山道を登りきると、目の前に広い青空。右手にコスモス畑、そして和泉市が新興作物として取り組んでいるイチゴ栽培のハウスが目の前に。

畑の後ろがイチゴ栽培のハウス

コスモス畑が広がる

 「いらっしゃい!」と会場に来る人を笑顔で迎えるのは、今回の「黒豆まつり」の中心的な役割を担った飯阪保さん。「第2の人生として、自然がまだ残っているこの和泉市の地で都市住民がふれあうことができる農業体験施設を作りたい」と強い思いを語る元高校の数学の先生です。

 会場の収穫体験ゾーンは黒まめ引きゾーン(1株200円)、落花生引きゾーン(1株100円)、大根・白菜ゾーンの3つ。そして会場の中心には、今回のキャンペーンのキーステーションの「食育コーナー」、その隣には和泉市で採れた黒まめとお米で炊いた「黒まめごはん」と和泉市の伝統食「白みそ雑煮」が味わえる模擬店コーナーが出揃いました。
  収穫体験ゾーンは、自分が採りたい作物の畑に入り自由に収穫、収穫した分だけを後から精算するシステム。家族連れの多くは、持ちきれないほどの黒まめ、大根、落花生を車まで運ぶ姿があちこちで見受けられました。そして、摘み放題のコスモス畑では大喜びの女の子達の笑顔がたくさん見られました。

ひとりで抜けるかな?-黒まめの収穫-

長い大根の葉っぱで顔が隠れてしまう

みんなで力を合わせて

収穫した黒まめは自分で車まで運ぶのがまたひと苦労

女の子達はコスモス摘みに夢中

和泉の伝統食「白みそ雑煮」が盛りこまれた「和泉市版食事バランスガイド」の紹介

 今回、(有)いずみの里の方々が、1日200食を2日間、来場者に無料でふるまってくれた料理は、和泉市の郷土食「白みそ雑煮」と、和泉市の新興作物である「黒まめ」と和泉市産のお米で炊いた「黒まめごはん」。すべて和泉市の産物で作られたものばかり。「白みそ雑煮」は、「和泉市版食事バランスガイド(PDF、4.8Mb)」で「和泉市郷土料理例」として組み込まれている和泉市の伝統食です。

 キャンペーンは、「白みそ雑煮」の配布を待つ人達に「和泉市版食事バランスガイド」のリーフレットを渡し、舌つづみを打った後で、「食事バランスガイド」のアンケートにお答えいただく形式で行いました。「うす味の白みそだから野菜のおいしさが楽しめるね」「黒まめが大粒でおいしい…豆の味がちゃんとする」「ごはんがおいしい。もち米で炊いたみたい」などなど、会場の家族連れからはこんな声がたくさん聞かれました。

普段はあまり食べない郷土料理でしたが、子供たちにも好評でした

「白みそ雑煮」と「黒まめご飯」

食後にご協力いただいた「食事バランスガイド」に関するアンケートの中では「白みそ雑煮」の認知度もお聞きしました。

こんにゃく作り体験も

 22日には希望者を募り、こんにゃくづくり体験が開催されました。小さな子供連れの家族から、年配のご夫婦まで幅広い世代から20組の参加者が集まりました。
 こんにゃくが、こんにゃく芋から作られるということを知らない参加者も多く、展示用のこんにゃく芋をしげしげと見回していました。

 こんにゃくの作り方は意外と簡単。下ゆでして皮を剥いたこんにゃく芋を、適当な大きさに切り、適量の水を加えて、ミキサーにかけます。このペースト状になったこんにゃく芋に、凝固剤を加えてよく混ぜると、だんだんゼリー状になってきます。そこで形を丸く小判型に整え、沸騰したお湯で40分ほどゆであげれば完成です。

 ここまでの作業が終わると、こんにゃくがゆであがるまでいったん解散。自分たちの作ったこんにゃくがどうなるのか、子供たちは早く知りたくてしょうがない様子でしたが、お父さん、お母さんに連れられて、しぶしぶ散って行きました。

 この間に、参加者の方からお話をうかがうことができました。中学校に勤務されているというこの方、今回のこんにゃく作り体験を授業で生かしてみたいとのこと。刃物を使ったきちんとした料理はなかなか難しいので、刃物を使わないこんにゃく作りは授業向きではないかということでした。また自分たちで作った食べ物には、愛着を持ってもらえるのではないかとも話していました。

 ゆであがりの時間が近づくと、三々五々、参加者たちが集まってきました。ぐらぐらと沸騰する鍋の中のこんにゃくを、みな興味深そうに見つめます。そして十分にゆであがってから、頃合いを見計らい引き上げます。このアツアツのこんにゃくを薄く切り、みそをつけていただきました。
 最初に箸をつけた男の子の第一声は「おいしー」とのこと。その後、参加者全員が箸をのばし、自分たちで作ったこんにゃくの味を楽しみました。
 こんにゃく作りを体験した方にも「和泉市版食事バランスガイド」のリーフレットを渡し、アンケートに協力していただきました。

実際のこんにゃく芋

カットしたこんにゃく芋に適量の水を加えてミキサーにかける

凝固剤を加え、ゼリー状になるまでよく混ぜ合わせる

形をととのえる

約40分程ゆでる

できたてのこんにゃくを、薄くスライス

いずみの里の白みそ雑煮、黒まめごはんと一緒に、おいしくいただきました

こんにゃく作り体験の場でも「和泉市版食事バランスガイド」を説明

黒まめ祭りのこれから

 2日間の来場者は、約1,000人。帰り際に「来年はいつやりますか?」と主催者にたずねる声が、何度も聞かれました。
 今回の主催者の一人、飯阪保さんは、この農業団地を核に自らも会員である小川農業振興会が主催する「小川ふるさとくらぶ」を通じ、新しく和泉市に移り住んだ人達に小川の農業、食文化について共に学び、農家との交流を深めて欲しい、という強い思いをもっています。
2日間、「黒まめごはん」、「白みそ雑煮」をふるまってくれた(有)いずみの里の代表の久保充己さんは「今はみんな毎日がとても忙しい生活を送っています。だからつい簡便なものを使った食事になりがちだけど、こういったイベントで、私たち農家の主婦が和泉市でできたお野菜やお米、そして自分で作った味噌を使った伝統食の『白みそ雑煮』を、実際に新しく和泉市に住んだ人達にも味わってもらうことで、ほんまもんの味を知って欲しい・・・。そこで『おいしい!』と思ってもらえれば自然と味の伝承ができる、と考えているんです」と楽しそうに語ります。

家族で「白みそ雑煮」と「黒まめごはん」を楽しむ

ゆったりとした時間が流れる

 和泉市の伝統食が盛り込まれた「和泉市版食事バランスガイド」。アンケートでは「『和泉市版食事バランスガイド』に載っている郷土料理を食べてみたい」という意見がたくさん出る結果となりました。これはまた、果物に全国版のりんごに代わって、和泉市の新興作物である「いちご」が入っていることも、大きな特色になっています。

 「黒まめまつり」は、都市住民と農家が交流する機会をつくりたいと願う人達、「みんなおいでよ!」と思う人達がいる限り、和泉市に根づいていくに違いない、そう思いました。

小川農業振興会の一員 飯阪保さん

有限会社いずみの里 代表久保充己さん

*有限会社いずみの里
大阪府で初の農家女性による法人組織。前身の3つの生活改善グループの有志50人が10万円ずつ出資し、3年間の研究・検討を経て2001年に設立された。農産加工品は、特産品のみかんを使ったマーマレード、小梅干、たけのこ煮など。和泉市内の朝市やニュータウンの駅構内、スーパーで販売されている。和泉市に古くから伝わる白みそ作りにも積極的に取り組み、市内の小学校給食に提供。白みそ作りを通じ小中学生や、都市民へ味噌を通じた交流活動もおこなっている。