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4 農林水産省 消費・安全局長賞 <農林漁業分野> 那賀町有機農業実践グループ 表彰事例発表

「有機のまちづくりをめざして」

発表者:和歌山県 那賀町有機農業実践グループ 代表・畑敏之さん

■何をではなく、どういうふうに農産物をつくったらよいか

 わが那賀町は、1995年に町をあげて有機の町づくりをしましょうという宣言をしました。
 町を流れる紀ノ川の南側は、それなりに有名なミカン産地でしたが衰退してハッサクに変わって、今はモモとかイチジクとか、常に紀ノ川筋の人は切り替えが早いと驚かれる。しかし、もうかるものと追ってきた今、次に何をつくったらいいのか行き詰まった。大量に物をつくって、大量に都市の大消費地へ届けていくというシステムが、輸入農産物とかに押されて限界にきていたのです。
 1993年に生産者やJAや普及センター、農業委員会、町の産業課とかが寄って話し合いをした。出た答えが、有機で町づくりをしようと。何をつくったらいいのかではなく、どういうふうに農産物をつくったらいいのかと発想を転換したのです。「新しい農法の推進」「リサイクルの推進」「住みよい環境づくり」「消費者・町民への意識啓発とPR」の4つの柱を掲げた「有機の町づくりプラン」を策定しました。これに肉づけをしていくが僕ら生産者の役割だと思っています。

■地域づくりと学校給食は一体

 関係者が協力して「有機農産物認証委員会」を設置して独自の認証制度も作りました。その認証マークは郷土が生んだ医聖「華岡青洲」をマスコットモデルにしました。
 学校給食への地元農産物利用も意識的に取り組んできました。人口9,000人の町で、給食センターも803食と小さい給食なんですが、そこへ一昨年の4月から納めています。
 大切なのは毎月1回の栄養士さんとの話し合い。前日の実践グループの会議で、翌月何を出荷するかを聞き取りして相談する。栄養士さんの理解が深まって、それならこういう野菜を使ってみましょうとか、逆にメニューを考えてくれる。最初メニューがあるのではなくて、話し合いのなかからメニューを組みかえることができているのです。

■農業体験で伝えたいこと

 僕は今、300人位の名手小学校に出向いています。
 子どもらに何を伝えたいかというと……たとえばダイコンの種をまいて生えてくる双葉が土を持ち上げる瞬間の力強さ。それとダイコンが大きくなってきて、虫に食べられたりするけど、ある瞬間にバッとダイコンが立ち上がる時期があり、ある程度虫がいても負けないで大きくなる。ダイコンに生きる力があるということを一番知ってほしい。口で言うより、実際ダイコンを見ながらわかってくれたらと考えています。学校の先生方も、それでなくても忙しいのに何でこんなことしなきゃならないのかという感じでしたが、子どもらの様子とかを見るなかで、先生方も積極的にやっていこうと変わってきています。

■地域の合意づくりと有機のまち

 今年4月に「花野果さん(はなやかさん)」という名前の直売所をつくりました。そこへ1日60人ぐらいの人が……ほとんど地元の人で、いろいろ話しながら買ってくれる。そのつながりのなかで、地元のPRとか住みよい環境づくり、学校給食とかの理解を深めていくということが大事だと考えています。最終的に僕らがめざしているのは、有機農業をすすめるなら、土づくりが一番大切です。当初から自分らが納得できるすばらしい堆肥をつくろうということで牛ふんとモミガラの堆肥をつくってますが、もっとレベルを上げて、那賀町でなかったら手に入らないという堆肥をつくりだす堆肥センター構想中です。
 幸い、この那賀町を含めた紀ノ川筋には、大阪方面から年間40〜50万人が車で来ています。紀ノ川と平行している農道沿いの直売所で農産物を購入したり、摘み取りを体験して楽しんで帰っていただいている。そういうお客さんに「有機のまち、那賀町」という打ち出しはものすごい重要だし、これからも発展させていかなきゃならないと思っています。


 1 農林水産大臣賞 綾南町立滝宮小学校
 2 農林水産省 消費・安全局長賞 村田ナホ
 3 農林水産省 消費・安全局長賞 有限会社 茄子の花
 4 農林水産省 消費・安全局長賞 那賀町有機農業実践グループ

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