2 農林水産省 消費・安全局長賞 <教育分野> 鶴田町立菖蒲川小学校ぼくらの元気は「朝ごはん条例」から〜食から栄養・地域から愛情〜発表者:長谷川美保子さん
青森県鶴田町は平成14年に、全国に先駆けて「朝ごはん条例」を制定しました。健康長寿の町をねらいとして
これは全国でも活力ある珍しい条例だと思っています。
「ぼくらの元気は『朝ごはん条例』から」をテーマとし、「食から栄養」「地域から愛情」と決めました。そのなかで、「米文化の継承」「地産地消の体験学習」「早寝・早起きの生活リズムの確立」を、食育推進と関連させながら、学校教育に位置づけました。学校だけではできないことですから、行政ならびに校区の住民の、協力的な支援・指導が伝統的に位置づけられていることも、恵まれた教育環境だと思っております。 まず、朝ごはん条例から学ぶ「ぼくらの食育・食農学習」の一番目は、「ご飯を中心とする食生活の改善」です。 二番目の「米文化の継承」のための食農学習として、五年生は稲作体験を行なっています。総合学習の時間を使って「種もみの発芽」「苗をおろす」「苗床おろし、ビニールをかける」作業をし、5月の中旬には全校で、大きくなった苗を田んぼに植えます。全校生徒73名の小さな学校ですが、90坪の田んぼを借りて、地域の農家の方の指導のもと、町長さん、教育長さん、JAの皆さん、保護者の皆さんがお出でになっての田植えです。 そして、8月中旬に稲が花をつける時期、たった2日か3日の時期ですが、五年生はそれを逃すことなく、今年度も立派な稲が実りました。学校の周りのフェンスに自然乾燥させ脱穀し、それから地域の精米所に持って行き、133kgのもち米「あねこもち」ができあがりました。 本校では10年以上、三世代が交流する夏祭りと、秋の収穫感謝祭を行なっております。200人近い地域の方々を集めて、餅つき・試食会・収穫感謝祭を行ないます。白い頭巾をかぶった老人クラブのおばあちゃん方の「合い取り」のもと、73名の子供一人一人が杵を持ち、60kgのもち米を搗きました。杵を持たない子供達は、合間におはじきをしたり、お手玉をしたり、あやとりをしたり、地域の方々とふれあう機会ももっております。 まず、一人3個のりんごを受け持ち、名札を付けます。自分が作ったシールや、「祝卒業」という絵文字のシールを貼ったりんご(卒業式の式場に飾るため)が、自分の分担です。秋に赤く色づき、実ったこの自分用のりんごは、3月まで貯蔵してもらいました。 さらに今年はお父さんやお母さんが、減反政策で米をつくらなくなった田んぼに、大豆をつくりました。道の駅の隣に大豆加工センターがオープンし、テンペ・がんもどき・豆腐・米の粉を利用した米粉パンなどの加工直売所が始まったことから、私達も大豆を使って調理をしたいという声があがり、生活改善グループから技術的なことを教わって、親子で調理実習に挑戦しました。 一晩、水に寝かせた大豆を自分達でミキサーにかけ豆乳を作ります。豆乳の温度を計るのは非常に難しいことのようで、私も初めて体験しました。これににがりを入れて、美味しい自分達の大豆で自分達の豆腐ができあがりました。 このように、私達の町に朝ごはん条例ができたことはもとより、地域の基幹産業である米作り・りんご栽培・ぶどう・大豆を教育環境に取り入れ、活動に位置付けています。私の経験上、学校の要望が、地域や保護者のそれと一致することは、なかなか上手く叶うものではないことを体験している今の学校の中、行政や地域の教育力を導入して根づいた、十数年間の教育活動が、本校の子供達に与えられております。 朝ごはん条例を大きなベースにし、地域に根ざした食育活動として教育効果をあげることができました。米文化を継承する子供達、地産地消の学校給食、食育推進食農学習、そして生活リズムの立ち上げにより、本校は100%朝ごはんを食べて来るようになり、町全体でも98%の児童生徒が、朝ごはんを食べて来るようになりました。 (要約文責:地域に根ざした食育推進協議会 事務局、撮影:倉持正実) |
| 【表彰式に戻る】 |