地域に根ざした食生活推進コンクール2001 【前のページに戻る】

農林水産大臣賞

農林漁業分野

「チビッコ審査員によるお魚料理コンテスト」

柳井地区魚食普及推進協議会(山口県柳井市)

【活動の内容】

 平成13年7月26日、『第12回チビッコ審査員によるお魚料理コンテスト』を開催しました。会場の大島郡大島町三蒲「蒲野農村環境センター」には柳井市・大畠町・大島町・久賀町・橘町・東和町の1市5町から、20名のチビッコ審査員と15名の料理出品者及びPTAや関係者など、約70名が集まりました。


 審査員は男女各10名を原則としていますが、今年度は大島町と東和町内の小学5・6年生全員が水泳大会に出場するということで、かわりに4年生8名が参加しました。また、男子5名・女子15名と女子上位の審査員構成となりました。審査委員長は当大会の引き受け地区から選ぶことが恒例になっており、今年は大島町の4年生女子がまとめ役となって活躍しました。

 このコンテストは今年で12回目になり、第1回目から数えると、延べ240人以上の子ども達が審査員をつとめたことになります。時には、どうしても審査員になりたいという子ども達が先生を連れ立って来場し、20名以上の審査員でたいへん賑わうこともありました。
 小学生の間は、他校の児童と友達になる機会は少ないと思いますが、このコンテストに参加したことがきっかけになって文通が始まり、交友を続けているという話を聞くこともあります。
 毎年子ども達の顔ぶれは違ってきます。そのことがマンネリ化しがちな気分を引き締めてくれます。また、会長にも「準備する側は″また今年もか!″と言う気持ちになるが、今年来てくれる子ども達は初めての経験で、コンテストとはどんなものか、どんな料理が出てくるのか、本当に腹いっぱい食べられるのかと、色々な気持ちで来るのだから、その気持ちを大切にしてやらなければ」と忠告されたこともあります。


 審査員になること、ましてや審査委員長になることは、そう頻繁には経験できない小学生という年代に、小さなコンテストであるけれど、その場・その時の大切な役割を自覚し、責任を果たすと言う事を経験して欲しい。大人の真似事で終わるかもしれないが、今日の経験を忘れないで、これからの人生に役立てて欲しい。また、海と山に囲まれ、新鮮で美味しい色々な水産物や農産物が豊富な、この恵まれた自然環境を将来とも大事にして欲しいという思いで、このコンテストを毎年運営しています。


 今年の審査員にはハッピを着て審査してもらいましたが、以前はオリジナルTシャツを作成、着用して審査を行ってもらったりしました。とてもユニークなTシャツで、そのままプレゼントしたら、良い思い出になると大変喜ばれた。なお、審査員の謝礼は図書券としています。
 出展作品は、各市町村からの応募により、20作品を選出していましたが、今年度は15作品としました。これまでは1作品5人分で合計100食分としていましたが、人気料理は審査に入るとアッ!という間になくなることから、検討の結果、分量を増やすということで、1作品を7人分として15作品、合計105食分のコンテストとしたのです。
 また、男性の出品者の姿が見受けられるようになり、男女共同参画に少し近づいたかなと喜んでいます。年齢層も広がり、「ネーミング賞」という賞があるから、作品名にもユニークで面白いものが出揃ってきました。

 当初は「子どもが審査員だから」と、子どもの好きなタコ焼・お好み焼・お菓子類が頻繁に出てきましたが、少しでも手を抜いたり、ありきたりの料理では賞に入りませんでした。子ども達の味覚もあなどれない。第1回目のことでしたが、ハゲの刺身が出品され、準優勝になったことが印象に残っています。地元の魚、瀬戸内海で獲れるウマズラハギを薄作りにしただけのもので、子どもには苦手そうな酢醤油でいただくごく簡単な?料理だった。魚のうまみがストレートに五臓六腑にしみわたったのでしょう。本来の魚のうまさをわかってもらえたから準優勝になったのだと思います。
 このことは魚食普及に係わりある者として、本心からうれしく思います。


 でも、出展者たちはコンテストとなるとそうはいきません。「より喜ばれる料理を」とあれこれ悩み、余りに考えすぎて、素材の魚をまったく生かすことの出来ない料理になることもあります。予定していた魚が当日手に入らなかったこともありました。
 このコンテストの賞は、「優勝」・「準優勝」・「第3位」の他に、4つのユニークな賞を準備しています。名前と出来上がった料理がマッチして、尚且つ、ピンと来るものがあるものを「ネーミング賞」、色・形がいかにも美味しそうで食べやすく工夫してあるものを「盛り付け賞」、材料が魚介類であることをうまく出しているものを「お魚で賞」、これなら家で作れるかも・是非家で作ってお父さんお母さんと皆で食べてみたいものを「家で作れるで賞」です。合計7つの賞に分けて、チビッコ審査員達は40分で審査するのです。


 今年度は、出品数を初めて20作品から15作品にしたのですが、4年生と女子が多かったせいか、例年になくおしとやかで食いっぷりは悪かったものの、お互いに批評交換は積極的に行っていました。スローテンポで審査が進行し、かなりのオーバータイムになった大会でした。次回からは審査員の顔ぶれで、時間調整をしてみようと思っています。
 大会の費用は17万円前後で、当協議会の予算で実施しています。1市5町の6地区を順番に回り、引受けする市・町が、その土地柄をPRし、特色を活かした会場づくりをしています。「活魚の捌(さば)き方」の講習は、各地区のお勧め調理人によるプロの技を参加者全員で見学します。これには大人も子どもも、目の前で繰り広げられる実技に溜め息をつき、見学者から質問が飛び交い、プロの技を教わろうと大好評です。また、この時間を魚料理及び家族団欒での食事の必要性と楽しさを、再認識をしてもらう絶好の場としても活用しています。


「DHA」・「EPA」とか「魚を食べると頭が良くなる」いう言葉を知っている人が増えています。しかし、魚はヘルシーフードだとわかっていても、「魚を食べるのが嫌い」、「魚を料理するのが嫌い」という人がいます。そうした人にこそ、このコンテストに参加して欲しいと思います。
 この地域に住んでいるすべての人達に、瀬戸内海の新鮮な魚介類を身近に味わえる地理的条件を大いに活用して欲しい。そのために当協議会があります。私達はもっともっと奮起して、アイデアを出し合って「魚を食べる」という活動に情熱を注がなければなりません。


『チビッコ審査員によるお魚料理コンテスト』は、来年は第13回目を迎え、引き受け市町も3巡目となりまする。初心忘るべからずで、第1回目以上のエネルギーをもって記念すべき3巡目の第一歩としたい、と思います。
 そのためにも検討すべき課題は山積しています。審査員となる子ども達の選出方法、人数、衣装、審査時間等です。出品作品についても、材料である魚介類の指定や分量及び材料費等を吟味しなければなりません。


 第1回目のコンテストから12年が経ちました。あのとき参加したチビッコ達はもう23歳です。女の子なら、もうお母さんになっているかもしれない。家族のためにせっせと料理を作っているだろうか、魚をたくさん使っているだろうか。審査委員長になって照れながら優勝者にトロフィーを渡していたあの男の子は、ひょっとしたら調理人になっているかもしれない。審査員になって、魚料理をお腹いっぱい食べたことを覚えているだろうか。ニューファミリーを築いているなら、家族団欒での楽しい食事をしているかどうか尋ねてみたい。
 そんなことを考えていたら、あの時のチビッコにもう一度審査員としてコンテストに参加してもらいたいと思うようになりました。そうしたらどんなコンテストになるのだろうかと、楽しいアイデアもどんどん膨らんできます。第13回目のコンテストに向けてファイトが湧いてくるです。


 私は昭和59年から、魚食普及推進協議会の事務局として、魚食普及活動に携わってきました。魚に触れる事さえ出来なかった私が、上手ではないけれど初級の上ぐらいの捌き方は出来るようになっている。もともと魚を食べるのは好きだったから、魚に出会う機会が多くなったのと「食べたい」の一心で料理を覚えました。今では、消費者に魚の美味しさを知ってもらおうと、お魚料理教室や魚祭り等のイベントを通じて、地元で獲れる新鮮で美味しい旬の魚介類や栄養特性などを積極的に紹介しています。
 以前はスーパーや水産市場に行かなければ魚を見ることが出来ませんでしたが、今は朝市ブームです。漁港のそばで開かれている朝市には、水揚げされたばかりの新鮮で美味しい旬の魚が顔を並べています。是非、立ち寄って、丸々一匹を調理したくなるような魚を購入してほしい。今年のコンテストに出品された「骨まで愛して」のように骨まで食べてあげることが、水から上がった魚達の供養となります。お魚料理教室等を通じて、魚を無駄なく調理する方法を、積極的に普及していきたいと思っています。


 金子みすずの詩に「海の上では大漁でも海の下は―――」というのがありますが、それでも魚を食べることをやめないで欲しい。魚食普及推進協議会からのお願いです。


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