地域に根ざした食生活推進コンクール2001 【前のページに戻る】

地域に根ざした食生活推進委員長賞

食生活改善分野

「米・大豆・麦で健康なむらづくり お母ちゃんたち頑張る」

梓川村農産物加工研究会(長野県南安曇郡梓川村)

【活動の内容】

●梓川村農産物加工研究会が発足するまで
 梓川村は、3,106世帯、人口10,572人(男5,141人、女5,431人)です。農家戸数は1,067戸、平均耕地面積116、2aで、果樹(主にりんご)と米の産地です。平成4年度に、村内の多くの女性団体の要望により、梓川村麦・大豆等加工施設(味来(みらい)せんたあ)が建設されました。


 味来せんたあのオープンにあたって、村内の女性団体に呼びかけ、平成5年に加工の指導者10名で「ブース味来(みらい)」を結成し、一般利用者の指導にあたってきました。


 そして、多くの女性たちが「味来せんたあ」で地元の米や大豆、小麦を使って、安心・安全な味噌・豆腐・パンづくり等を行ってきました。


 販売許可のある味噌は、年間700kg程度、地粉のパンは週に1度、村内にある地場産センターなどで販売してきました。当時は、ブース味来のメンバーが細々と楽しむ程度の加工販売活動でした。しかし、味噌、地粉のパンともに味がよく、評判も上々で、もっと多くの人にこの味を知ってもらいたい、会員を増やしてもっとたくさん加工して販売したい、という思いを抱いていました。


●地域の女性団体とともに

 平成7年、ブース味来も含む村内の12の女性団体が集まり、梓川村女性団体連絡協議会が結成されました。そこで、女性団体と協力して、若い人たちに村の味を伝えるため、村の伝統行事とそれにまつわる行事食、季節の農産加工、「味来せんたあ」での加工品の作り方、農産物栽培暦を調査してまとめた「梓川の四季の味ごよみ」を発行、配布しました。特に若い人に大変参考になると喜ばれています。また、村の女性たちの行動指針「梓川村農村女性プラン」の策定にも参画し、特に「安全な食生活への取り組み」、「村の農業の活性化」、「新しい特産品の開発」を課題としてとりあげ、その解決と、さらに、米・大豆・麦の地産・地消を推進するため、ブース味来のメンバーが中心となり、新しい会を発足させることになりました。


●梓川村農産物加工研究会発足

 平成11年、村中に公募して集まった43名の会員で梓川村農産物加工研究会が結成されました。会員は、やる気のある人ばかりです。味噌部会(38名)、パン部会(22名)があり、各部会ごと活動を始めました。


 平成12年には、もっと米の消費拡大にも取り組みたいと、村へ働きかけ、味来せんたあの建物は手狭なため、旧小学校校舎を借用して、もちつき機を設置してもらい、新たにもち部会(22名)も発足しました。加工研究会の活動は主に次の4つです。


(1)地元農産物の加工・販売と新しい特産品の開発研究:商品は、地元産コシヒカリと大豆を使った「味来みそ」、地域の郷土食「おしょいの実」、地粉のパンでしたが、加工研究会を発足後、新しい特産品づくりに取り組み、巨大胚芽米利用の「発芽玄米もち」、発芽玄米を使った「三五八漬けの素」、「発芽玄米酵母の地粉パン」も販売、発芽玄米の加工品は、甘みや独特の食感が大変喜ばれています。


 今年、米の粉100%のパンを知り、若者の米離れを防ぎ、米消費拡大、自給率アップのために、会として真剣に取り組みたいと、代表5人が新潟県長岡市へ、米パンの研修に出かけて加工技術習得し、販売を始めました。米パンのもっちりした食感が評判となり、以前は週1回のパン加工販売でしたが、毎日加工して、地場産センターのほか、地元のスーパーで販売するようになりました。


(2)味噌・パン・もち等の加工体験指導:地元の人に加工指導を行うほか、年2回小学生のパン加工体験や小学3年生が学校で栽培した大豆を原料とした豆腐づくりの指導をしています。また、村のPRのために村の観光施設「梓水苑(しずいえん)」へ宿泊している都会からの観光客の皆さんに、味噌、パン、梅の漬け方やジャム加工の指導にあたったり、村に訪れる修学旅行の中学生にも加工体験指導を行い、私たちにとっても楽しく良い体験となってます。


(3)イベントへの参加:村内外の人たちに地元農産物の加工品をPR。


(4)「あずさ発芽玄米」の普及


●村の女性たちが手をつなぎ、発芽玄米で健康なむらづくり

 平成8年から毎年梓川村の味の交流会「味来せんたあ祭り」を開催して村の味や女性たちの活動をPRしていますが、平成12年1月の味来せんたあ祭りで、当時のファンケル・ドーマー(株)の会長、田多井さんの講演で初めて発芽玄米と出会いました。発芽玄米は栄養満点であり、特に、天然ギャバはアミノ酸の一種で大切な神経伝達物質で脳の酸素供給量を増やし血圧を正常にする、動脈硬化を抑える、更年期障害の改善効果がある等、いくつもの効果があることを知り、早速、みんなで試食してみました。


 しばらくして、便秘が解消した、血圧が下がったなど効果のほどが口々にささやかれるようになり、食べ続けることによって徐々に体質改善がされたようでした。


 しかし、発芽玄米を販売店から買って食べれば食べるほど、米作地帯の梓川村では自己保有米が余ってしまうので、村の米で委託加工はできないだろうかとドーマー社に相談したところ、委託加工ができることになりました。そして、健康を支えていくのは女性の役目と、女性団体が発芽玄米の注文数と玄米の出荷者のとりまとめを受け持ち、村の米での委託加工が始まりました。


 米の消費拡大と健康なむらづくりをモットーにはじめた発芽玄米は、今年4月には、独自ブランド「あずさ発芽玄米」の商品名で販売を始め、マスコミにも何回か取り上げられました。村と村営農支援センター、農産物加工研究会、女性団体連絡協議会が四者一体となって村中に普及しようと取り組んでいます。


 加工研究会では、地区ごとに販売拠点となる会員をおき、地元の人が気軽に発芽玄米を買うことができるシステムをつくる努力をしています。また、白米にはない良いところのあるこの発芽玄米を使って新しい特産品づくりにも取り組んでいます。


 平成12年3月の第1回目の注文から12回、1年6ヶ月で村内の7,200キロの玄米が加工され、村内の約200戸が毎日食べているようです。もっと普及して、みんなが発芽玄米を食べ続けることにより、年間1億円ペースで伸び続ける村の老人医療費を少しでも抑制することができれば本当に嬉しいです。


●広がれ!おいしい梓川村の味

 加工研究会の会員は、70代になった私を先頭に、50〜60代が中心で年齢が高くなっています。そこで、後継者育成のために若い人に人気のあるパン部会に若い人を募ってみようと、村内でパン教室を開いている講師に協力を呼びかけたところ、20人程が研修し、加工に携わってくれるようになりました。若い感覚で米パンのレパートリーも増え、米パンにさらに磨きがかかってきました。


 現在の「味来せんたあ」は狭く売り場もないため、新たな農業活性化の拠点施設建設を村に要望しており、計画も具体的になってきています。これからも、土地のおいしい農産物、米・大豆・麦と特産のりんごを食べて年寄りも若い人も健康に暮らせるよう、梓川村の季節を生かした魅力的な加工品づくりに取り組み、健康なむらづくりを推進していこうと会員一同張り切ってます。



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