地域に根ざした食生活推進コンクール2001 【前のページに戻る】

地域に根ざした食生活推進委員長賞

教育分野

「昔の元気、いただきまーす!」

大安町立丹生川小学校(三重県員弁郡大安町)

【活動の内容】

1.特に工夫したこととねらい

 季節を感じる伝統的な食べ物、健康を考えた手作りの食べ物を、親やおじいさん・おばあさん等から教わりながら作ってみる。そうした活動を通して、経験や知恵の素晴らしさに気づいたり、親やおじいさん、おばあさん等とのふれあいを深める。


2.実施時期と活動内容、参加人数


●春編 よもぎだんご作り(5月) 参加(児童23名 母親・祖母9名)

5月 6日 家庭への呼びかけ発信
○1年学級だより「つくしんぼ」(5月6日)より
 「生活科の時間に春の草花を取りに出かけたら、よもぎがたくさんはえていました。今の季節にしかできないものをと思い、「よもぎだんご」を作ることにしました。美味しいよもぎだんごを作りたいのですが、どなたか作り方を教えてくださいませんか。おじいさん、おばあさん、また、お家で作ったことのある方お願いします。お知らせください。なお、作り方等、子どもさんにお話していただければ幸いです。よろしく。」


15日 生活科で学校周辺を散策  子どもたちがよもぎの葉を採取
18日 よもぎだんご作りに挑戦


 あんこを丸めたり、もち粉をこねたり、
 蒸し上がったもち粉とよもぎを混ぜ
 すりこぎでごしごしついて
 だんごをぺんぺんのばし
 あんこを入れて丸めて できあがりー。
 どの子も生き生き真剣な表情で
 教育ボランティアの方の励ましで
 子どもたち がんばりました。
 (9人のお母さん、おばあさんに協力いただく)
 蒸している間に、「ばばばあちゃんの よもぎだんご」
 という本の読み聞かせをしました。
 子どもたちは・・・楽しかった おもしろかった むずかしかった


 〈おうちからのおたより〉
 「娘が帰ってきて、「お母さん 見て見て!」と、今日作ったよもぎだんごを見せてくれました。「有り難う。お母さんにくれるの?」と聞いたところ、「違う違う。これは、じいちゃんとばあちゃんの。」と言われてしまいました。「お母さんにはないの?」と聞くと、「お母さんは太るからあげないの。」と言われてしまいました。おじいちゃん、おばあちゃんは、「とっても美味しかった。」と喜んでいました。「ああ、私もたべたかったなあ。」じぶんでつくったのが、おいしかったよ。」


 「おたよりに書いていただいた「よもぎだんごの作り方」を見て、家でも子どもと一緒によもぎだんごを作ってみました。子どもに耳たぶぐらいの柔らかさになるように粉をこねてもらうことにしたのですが、お湯を入れすぎて大失敗。あわてて粉を買いに走り、まだ少し柔らかめでしたがかろうじてできました。おもちのような生地を丸くのばし、中にあんこを入れて丸めるというのは難しく、あんこがはみ出てきて緑と黒のまだら模様になってしまいました。でも、お茶刈をしていたおばあちゃんに、3時のおやつに持っていって食べてもらいました。出来には少々問題があったのですが、喜んで食べてもらいました。子どもにとっては、自分でやったという満足感と「おいしい」と誉めてもらえた自信が持てたように思います。よもぎも自分の手で摘んできたので、やってよかったなと思います。」


●夏編 いばらもち作り (6月)参加(児童23名 母親・祖母13名)


(1)指導の立場
 @「夏を見つけよう」ということで、野山や川に出かけていく中で、季節と自然の変化に気付く。
 A身近な材料を使って、手作りのおやつ作りの楽しさと、伝統の味のよさを感じる。
 B保護者や祖母など身近な人との関わりを通し、風習や知恵を知り、関わり方や互いのよさに気付く。
(2)単元の目標
 @自分と身近な自然との関わりに関心を持ち、ふれあい、観察、採集等の活動を通して、季節の変化、自然の事物の変化に対する気付きを深めることができる。ー植物も成長し変化(大きくなってきているサルトリイバラの葉を採集)
 A採集してきた葉っぱを使って、簡単に調理、加工し、季節を感じるおやつを作ることができる。
 B保護者や祖母との活動を通して、風習や知恵を学ぶとともに、関わりを深めてそのよさに気付き、一緒に活動することの楽しさを味わうことができる。
(3)指導計画(全12時間)
 *校区めぐり1 青川へ行ってみよう…2時間
 *水族館づくり …2時間
 *校区めぐり2 しょうぼうじ山に行ってみよう…2時間
 *いばらもちを作ろう …3時
・計画(1) いばらもち作り(2)<本時>
 *ういろうを作ろう …1時間
 *共同作品 絵「なつをみつけたよ」づくり …2時間


(4)本時の目標
 摘んできたいばら(サルトリイバラ)の葉を使って、友だちや保護者、祖母等と一緒にいばらもちを作り、季節感あふれる伝統のおやつを味わい、そのよさや共に活動する喜びを感じることができる。

学 習 活 動 留意点と支援
(見 通 す)  
1.自分のめあての交流をする。
2.いばらもちの作り方を確認する。
3.グループと役割の確認をする。
【力を合わせて、おいしいいばらもちを作ろう】
・いばらもちづくりをする思いや自分なりの見通しをみんなに伝えさせる。
(やってみる)  
4.いばらもちを作る。
@生地づくり
Aあんを入れ、いばらの葉で包む
B蒸す
5.みんなでいばらもちを食べる。
◆昔の暮らしといばらもちの話を聞く
・活動中の子どもの姿から、意欲的に、判断よく、手際よく動けている姿を共感的に受け止め、価値づける。
(ふりかえる)  
6.発見したことで、うれしかったこと、今度やってみたいことを視点にして活動を振り返る。
7.後かたづけをする。
・活動の喜び等を価値づけ、自分の生活に生かそうとする意欲につなげる。

 学 習 活 動   留意点と支援 (見 通 す) 1.自分のめあての交流をする。   ・いばらもちづくりをする思いや自 2.いばらもちの作り方を確認する。 分なりの見通しをみんなに伝えさせ 3.グループと役割の確認をする。 る。 【力を合わせて、おいしいいばらもちを作ろう】 ・材料や作る手順の表を提示。 (やってみる) 4.いばらもちを作る。   ・活動中の子どもの姿から、意欲的 @生地づくり に、判断よく、手際よく動けている Aあんを入れ、いばらの葉で包む 姿を共感的に受け止め、価値づける。 B蒸す 5.みんなでいばらもちを食べる。 ◆昔の暮らしといばらもちの話を聞く (ふりかえる) 6.発見したことで、うれしかったこと、今度 ・活動の喜び等を価値づけ、自分の やってみたいことを視点にして活動を振り返る。 生活に生かそうとする意欲につなげ 7.後かたづけをする。 る。


さあ 作るぞ! おいしいいばらもち
みんなでとってきたがんたちの葉っぱ
きれいに きれいにあらって
こんどは、すり鉢で生地づくり
すりこぎを使ってよいしょ よいしょ
けっこうたいへんだけど
たのしいなあ
次は丸めておいたあんこを入れて
形をととのえよう
そのあとがんたちの葉っぱにのせて
蒸せばできあがり
おばさん 見て 見て上手にできたでしょう
おいしそうにでき上がったいばらもち


 事前に、いばらもちについての聞き取りをおうちの人からしました。一人の子どもの祖母から下のようなお便りといばらもちの作り方のレシピが、届きました。当日は、お願いして、いばらもちの思い出を子どもたちに語ってもらいました。


 「いつも孫たちがお世話になって、有り難うございます。今日、孫に、いばら餅の作り方を知っているかと聞かれ、なつかしさでいっぱいになりました。当地方では、田植えが終わると、村で日を決めて、一日ゆっくりと休む日がありました。その日には、たいていの家で蒸し団子(いばら餅をみょうがの葉で包んだもの)を作って、農繁期の終わったのを喜び休養したものです。
 ガンタチの木は最近あまり見かけませんが、私が見たのは、員弁公園や宇賀渓で見ました。近くの山でも少しならあると思います。」


●秋編 干しいも作り (10月) 参加(児童23名 母親・祖母12名)


10月21日 全校縦割り班で育てたさつまいもの収穫
10月24日 干しいも用のさつまいも洗い
 段ボール箱で2箱分のさつまいもを子どもたちが洗った。どの子も一生懸命で、「もういいかな?」「まだ、土が付いているよ。」等々と確かめながらたくさんのさつまいもを洗うことができました。最後まできちんとできたところがよかったです。
10月26日干しいも作りに挑戦
 12人ものお母さん、おばあさんに手伝っていただき干しいも作りに取り組みました。ゆでたさつまいもを、教えてもらいながらどんどん切っていきました。貸してもらったざるの上に、1つずつていねいに並べていきました。できあがった干しいもは、11月4日の全校収穫祭「丹生川小美味しんぼフェスタ」に出店するということで、200人分ほど用意しました。
 干しいも作りのあと、さつまいもを入れた鬼まんも、教えてもらいながら作りました。あつあつのほかほかをみんなでいただきました。「おいしいー!」の声があちこちであがりました。


さつまいもの収穫 わあーでっかいよ!
干しいものかんばん すてきでしょう


10月27日 干しいもコーナーの看板作り
お店の看板をみんなで作りました。さつまいもの絵あり、葉っぱのこすりだしあり、工夫して、とっても素敵な看板に仕上がりました。子どもたちは、「これで、みんな喜んで食べに来てくれそうだね。」と満足げでした。


11月 4日「丹生川小美味しんぼフェスタ」で干しいもコーナーを担当。「いらっしゃいー」「干しいもはいかがですかー!」と大きな声を出し、張り切って取り組んでいました。干しいもがどんどん売れ、みんなうれしそうでした。


●秋編 つるし柿作り (11月)参加(児童23名 父母・祖父母22名)


11月18日 つるし柿作りに挑戦
 授業参観会で実施。おうちの人に手伝ってもらいながら、一人2個ずつ柿の皮をむき、ひもで結びました。お父さんやお母さんはさすがだな。一人2個ずつ手つきが鮮やかだね。とても一生懸命に作業むけたら、マオランの葉っぱを裂いて物干し竿につるしてひもにし、へたに結びました。2週間ほど干せばつるし柿のできあがり


こどものにっきより
「ほしがきをつくった。おかあさんが、手つだいにきてくれました。たかくんのおとうさんはむくのがはやかったよ。そして、むきおわったら、しぶがきじゃないかきもむいて、みんなでたべました。ほしがきは、ほしてからもみました。もんどったら、もみすぎてなかが出た子もいたよ。2しゅうかんぐらいほしてからたべました。おいしかったです。」


●冬編 おはぎ作り(2月)〈中にあんこを入れた黄粉のおはぎ〉 参加(児童23名)


大豆を育てよう
大豆の収穫
きなこ作り


 *5,6年が収穫したもち米とタイアップして行う。
 *新入児1日入学の時におはぎを作り、新1年生と遊んだ後、一緒におはぎを食べた。


おもいよーおいしいおはぎを作って
がんばって がんばって今度は入ってくる沐N生の子たちを
大豆を黄粉に喜ばそう


3.活動の成果と今後の課題

(1)毎回、おうちの人にボランティアとして来ていただいたので、友だちのお母さんやおばあさん等ともいろいろ話をしたり、教えてもらって親しくなり、ふれあいを深めることができた。
(2)回を重ねると、あんこや団子を丸める手つきもうまくなり、1回目のよもぎだんご作りより2回目のいばらもち作りの方が短時間で上手にできた。
(3)普段、あんこが嫌いな子も、みんなで作って食べることで、食べられるようになった子が何人もいる。
(4)おばあさんの鮮やかな手つきにびっくりしていた。また、つるし柿作りの時、マオランの葉で柿のへたを結ぶ際、すごく上手なお父さんを見て、「魔法のようやね」と驚きのことばが子どもたちから思わず出た。
(5)いつも班で作業をしていったが、すり鉢を代わりあって持ったり、材料を友だち同士でじょうずに分けたり・・・等々、友だち同士助け合ったり、仲良く取り組む姿が随所に見られた。
(6)「自ら主体的に、楽しく活動する」ということを大切にしたいので、計画、準備、推進等をできる限り、子どもに任せていくようにしたい。そのために、教育ボランティアの方々と教師が、綿密に打ち合わせをし、子供につけたい力をより明らかにして、共通認識のもとで進めていくことが今後の課題である。


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