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第2回食育フェア
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    「なつかしい未来へ〜地域に大きな食卓をつくろう〜」

    講師:結城登美雄 (ゆうき とみお)

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    ■みんながつくり、みんなでつくり、みんなで味わう食卓

     そういうものが今、北上町や宮崎町だけではなくて全国に広がってきました。運動会のときにこんなごちそうが出るんです。さあ、皆さん、「地域の食卓」というのは運動会のときにみんなで持ち寄ってくるんです。コンビニの弁当ではなくて、そのぐらい苦労してもいいじゃないですか。ほら、似ているでしょう。みんながつくり、みんなでつくり、みんなで味わう場所。ちゃんとその側には、そのところで働く人が見えています。子供たちは両方見えるといいです。口で味わい、目で働く姿や食べ物を育てる人が見える。

     次は山形県真室川町です。ここも「地域の食卓」をつくっています。子供たちが大人に混じってレシピを見ながら…。

     ここは岩手県の宮守村。ワサビだけでお母さんたちが何十種類もの料理を持ち寄ってきました。「次はダイコン」でやろうかいねえ」とか、いろいろ言っています。これはワサビだけです。農業のワサビの料理をたくさん広めることがワサビ農家を助けることにつながると思って、お母さんたちがやっています。

     岩手県久慈市はついこの間です。まあ、豪勢でしたな。これはパーティ料を頼まれたらン百万にはなるでしょう。それを「よっしゃ」と言って、地域のお母さんたちが自慢のものを持ってきてくれたんです。マメブとか、いろいろありました。

     宮城県丸森町。小さな沢水を集めて、米つきの動力のバッタリ、ここではガッタリと言いますが、そういうものをつくった。これを復興したら、なつかしいものだというのでみんな集まってきて、今では人っ子一人通らなかったところに車を停めてこれのドン、ドッという音を聞いて、そこでこんな宴会が開かれているんです。音のある食育の風景です。神さまにちゃんとやっているでしょう。注連縄を飾って藁をやって、そうして持ち寄ったこんな食卓。そんなものに僕らも混ぜていただいています。

     新潟県朝日村。ここもトチの餅がおいしいところです。ていねいにおばあちゃんが今もつくっています。おばあちゃんのつくったトチの実の箸置きも、なかなか喜ばれています。

     きょう、出展ブースに餅花、団子刺しがありました。これがちょうど地元で終わった日に僕が行ったんですが、取り外して、「これを食べると風邪を引かない、丈夫に育つ」と言いながら、おばあちゃんと孫たちがやっていました。

     みんな地域では一品ずつ持ち寄って、分校の廃校になったところを今は食堂にして、何千人と来ていますよ。2時間もわざわざ探して、来ています。

     島根では、浜田に「うずめごはん」というものがありまして、弥栄村に10月ぐらいに行ってきました。奥ゆかしいですな。このごろのお店は「どうだ」と言って、丼物に「グーでまいうー」とかやっていますが、これは下に隠しているんです。「こんなもてなしでごめんね」って。ごはんにワサビ、ユズをのっけて、でも掘っていくとそこに山菜やいろんな具が出てまいります。「うまいでしょう、うまいでしょう」と言わないんです。「こんなもので」と言いながら、心は裏に隠してあるんです。その心が食育の心です。そういうものが地域にみんなあります。

     それぞれが褒められもせず、7万回の中からたった7万分の1の料理がたくさんのことを語りかけてくれます。


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