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ニッポン食育フェア
食育推進全国大会
 

ニッポン食育フェアin福井 ―いのち感じる 大地からの食育

地産地消のおすそわけ

 2007年6月9〜10日にかけて、福井県サンドーム福井にて「第二回 食育推進全国大会」がひらかれました。
 この中の特別出展ブースとして「ニッポン食育フェアin福井」も参加し、さまざまな催しが行なわれました。

農家手づくり 全国ごはん餅大会

 「ご飯」でも「餅」でもない、「ごはん餅」。ふつう、餅につくのはモチ米ですが、ご飯に炊くウルチ米をついたり、丸めたり、焼いたり、蒸したりする、「ごはん餅」の食文化が全国各地に伝わっています。そこで、全国生活研究グループ連絡協議会(全研グループ)のおかあさんたちに協力してもらって、「農家手づくり 全国ごはん餅大会」を開催。

 農村の生活改善運動を通して出会い、地域に伝わる食文化や生活技術を次世代に伝えようと活動しているおかあさんたちは、土地でとれたおいしいお米と材料を持ち寄って得意の腕をふるい、来場者に地産地消のおすそわけ。「ごはん餅」にはふるさとの知恵がぎっしりつまっています。

「全国ごはん餅大会」で得意の腕をふるうおかあさんたち

 愛知県のグループは、ごはんをついて“御幣”のように平たくのばして串焼きにする「御幣餅」を紹介。「五平餅」とも呼ばれ、愛知、東海、木曽などに伝わっているごはん餅です。

 秋田県は「きりたんぽ鍋」と「味噌つけたんぽ」。炊きたてのごはんをつき、“たんぽ”(槍の先端にかぶせるサヤ)のように円筒形にこねたごはん餅は、その昔、山仕事などの携行食でした。「味噌つけたんぽ」はその名残です。これを切って、ごぼう、まいたけ、せり、鶏肉などと煮こんだ「きりたんぽ鍋」は、秋田を代表する郷土料理となっています。

 岩手県からは3つのごはん餅。ソバ粉とウルチ米粉をうちわの形にこね、じゅうね(えごま)味噌をつけて焼いた「うちわ餅」、ウルチ米粉にくるみ、ごまなどを入れて蒸し上げた「きりせんしょ」は、今でもおやつや小昼(農作業の合間の軽い食事)として親しまれています。もうひとつ、ごはんをついて丸め、野菜と煮こんだ「だまこ汁」は冬場にうれしい鍋物。秋田の「だまこ」はピンポン玉のような形ですが、岩手では平たく丸めます。

(左)岩手のだまこ汁。(右)秋田の味噌つけきりたんぽをお客さんにふるまう

 「田植えが一段落ついたところで、岩手県花泉町からやってきました」という佐々木善子さんは、農業を営むかたわら、全研グループの会長を務めるパワフルおかあさん。生活研究グループの仲間とともに、7年前、農家レストラン「夢みる老止(おとめ)の館」を花泉町に開店。「岩手に昔から伝わる、豊かなごはん餅をぜひ知ってもらいたい」と語ります。

 3県自慢のごはん餅を手づくりして販売した2日間。両日とも昼すぎにはすべて売り切れました。会場ではまた、岐阜県のつるむらさきうどん、富山県の立山権現焼きかんもち、兵庫県の黒豆みそなど、全研グループの「食文化の味 手づくり推奨品」の販売も行われました。

サカモトキッチンスタジオ〈神戸発!防災の食育〉

 食育・料理研究家の坂本廣子さんは、米粉食品をもっと多くの人に使ってもらいたいと、2002年「近畿米粉食品普及推進協議会」(ライスフラワーネットワーク)を設立。阪神・淡路大震災を被災した体験から、食糧の補給が途絶えたとき、乾燥食品である米粉が役だった体験をもっと活かしたいと考えたからです。

 

 ブースを訪れた人に坂本さんは災害時の食生活の知恵と、実際に役立ったレシピを具体的に示しながら熱っぽく語りました。

 支給品の冷めたおむすびと米粉とポリ袋に入れ、団子状に丸めてゆでた「ご飯餅」は、医療体制が不充分なとき食中毒を出さないための工夫。また、「防災米粉ポタージュの素」を常備しておくと、熱湯で溶くだけで食べられ、嚥下しやすいので高齢者にも安心です。

 坂本さんは「食と農の応援団劇場」でも、「神戸発信!防災の食育」と題して実演・試食を行い、今年3月、強い地震に襲われた能登半島にも近い福井県の人々に災害への備えを訴えました。



(※)撮影:倉持正実、文責:ニッポン食育フェア事務局 このサイト内の文章・写真の無断転載を禁じます