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ニッポン食育フェア
食育推進全国大会
 

ニッポン食育フェアin群馬 ―“食育”は、農業・農村体験から

教育ファーム『もったいない教室』の提案コーナー

教育ファームをご存知ですか?

 コーナーの口火を切るのは、教育ファームとは何かを紹介する「教育ファームをご存知ですか?」です。「教育ファーム」とは、食への関心・理解を高めてもらうため、農山漁村で農業体験をしてもらう取り組みのこと。
 平成20年より始まった農林水産省 教育ファーム推進事業の紹介として、全国各地から選ばれた139団体のお披露目と、教育ファームねっと[別サイトへリンク]で公開されているワークシート(支援資材)を展示しました。

教育ファーム推進事業の紹介

参考HP:教育ファームねっと [別サイトへリンク]

田畑と学校をつなぐ「教室農園」

 竹村久生さん・竹村祥子さんによる「だれでも・どこでも・絶対にできる」畑づくりの実演が行なわれました。種から育てるなど、いくつかのコツを守れば、30〜40種類の野菜が牛乳パックやトロ箱で栽培ができます。
 いわば、畑から学校に出向いてもらう「教室農園」づくりの提案です。

 竹村さんが、この方法を考えたきっかけについては、応援団劇場の講演で詳しいお話しがありましたが、植え付けと収穫の2回しかないような、イベント的な栽培体験はさせたくなかったとのこと。
 これなら広い畑が確保できないところでも、果菜(トマト・メロン・オクラなど)や葉菜(サンチュ・ネギ・パセリ)を育てることができます。

<実演・体験! 牛乳パックを使った畑づくり>

1.牛乳パックの底を切って水抜きの穴を開け、ラブシート(不織布)を敷く。通気性・水はけを保ちつつ、根が外に飛び出さないようにする

2.種まきの深さは、種の厚さの1.5倍程度。水は上からかけてはダメ! パックの下から水を吸わせる

3.カラス、ナメクジにやられないように手作り温室で植物を守る。卵ケースやペットボトルを手頃な大きさに切り、上からかぶせる

4.見本に並ぶ野菜の数々。
果菜(トマト・メロン・オクラ)、葉菜(サンチュ・ネギ・パセリ)が栽培可能

 鉢に使った牛乳の紙パックは、給食にでたパックを子どもたちから集めたもの。500個用意しましたが、体験したい人が列をなし、2日目の早い時間にはなくなってしまう人気ぶりでした。


実演指導にあたる竹村さん。ペットボトルで育てたイチゴはこんなに根がはる

二日とも行列が絶えない

参考図書:雑誌『食農教育』(隔月刊) [別サイトへリンク]

稲ワラ・麦ワラであそぼう

 「もったいない」をキーワードに、稲ワラ・麦ワラで遊びながら使い切る方法を提案したこのコーナー。
 農業体験で収穫した米や麦を食べたら、残った茎をワラ細工に、「すぐって(※)」除いた葉をワラ半紙に。作物に捨てるところはないことを知ってもらうための、ワークショップです。
 ワラ細工指導は、伊豆・修善寺温泉の麦ワラ細工の店「晨(あした)」の辻紀子さんがあたりました。

(※)選りすぐるの原語。細工物にする茎だけを残して、葉を取り除くこと

<体験! 稲ワラ・麦ワラ細工>

ひっきりなしに体験者が訪れる

群馬のフェアにちなみ、麦ワラで馬づくり体験。麦ワラを「すぐって」使う

麦ワラは水にひたしてやわらかくしておく。タテヨコに織り込んで馬づくり

できあがりの見本は、壁面に飾られた2000個の「ぐんまくん」。一つ一つ手作り

稲ワラで、箸置き・みご筆づくり

木槌で叩いて柔らかくした稲ワラをよって、縄をなう。「あれ?うまくできない?」、力加減が意外とむずかしい

 壁面の「ぐんまくん」は、担当者がフェアの前に一つひとつ、手作りしたもの。その数なんと、2000個! 背景に敷いた赤い紙も、じつは米袋を染めたもの。どんなものも無駄にしないのが流儀です。
 また大麦には「六条大麦」と「二条大麦」がありますが、同じ本数のワラで編んでも、茎が太い六条は親馬に(大きめに)、二条は子馬に(小さめに)なります。麦の種類の違いを知ってもらう例として説明されました。


<体験! ワラ半紙づくり>

1.細かくしたワラとのりを水に混ぜ、紙漉キットに流す。飾りに色の付いた紙を散らす

2.水を抜き、引き上げる

3.ワラ半紙をアイロンで乾かしてできあがり。乾くのを待つ間に会場を回ってきてもらう。
「まちがえないでもってかえってね」との注意書きとともに、壁に貼ってお取り置き

上川大臣がワラ半紙にみご筆で「食」とお習字

 ワラ半紙に書くのに使った「みご筆」とは、穂(みご)部分をくくって筆状にしたもの。ふだんの毛筆とはちがった感触に、一瞬とまどう人もいるそうですが、慣れると、かすれ具合も味ある墨痕に仕上がりました。


参考図書:『つくってあそぼう28 麦わらの絵本』 [別サイトへリンク]

和菓子を作ろう・おばあちゃんのおやつ

 新井春子さん・戸笈玉枝さん(埼玉県幸手市食生活改善推進員協議会)による「ゴーヤかりんとう」、浅田正彦さん・赤井由香さんによる「どら焼き」の実演がありました。

 毎日いただくおやつは手作りがうれしいから、おばあちゃんからおやつを習う。畑でどっさりとれた野菜はあんこにして、どら焼きビュッフェに。
 農業体験などで育てた野菜を、自分の手で料理し・余さずいただくための提案をしました。

<実演! ゴーヤかりんとう>

ゴーヤのわたを除いて半月に切り、黒砂糖・三温糖を入れて煮る

実演中も観客からの質問が。手は休まず動かしながら答える

汁気がなくなるまで煮詰め、ひろげて冷ます。黒ゴマか、きなこをまぶす

試食は、できあがりを一口大に切ってトレーに

 できあがったかりんとうを見て「しょうゆが入っているからこの色になるのだと思ってた!」と驚く人も。
 子どもたちにもゴーヤを食べてもらいたいと考案されたこのおやつ、「炒めるより食べやすい」「あまり苦くなくて、ゴーヤじゃないみたい」と、大好評でした。


<実演! どら焼き>

どら焼きの皮づくりを説明する浅田さん

むらなく焼き色がついた皮に、目を見はる

あんや果物をはさんでできあがり。
皮に焼き印を入れて、自分流のどら焼きを楽しむことも

あんは、白あんに畑の野菜(かぼちゃ、ほうれん草など)をゆでて裏ごしして混ぜたもの。団子にのせると色が鮮やか

 「油を使わない和菓子は、水分が逃げて乾燥しやすいのです。皮が焼けたら、ぬれ布巾を上にかけ、水分が逃げないようにしてくださいね」と理にかなった説明が、的確に入ります。これなら失敗なし。
 手づくりの楽しみが、すみずみまで満ちあふれた展示・実演でした。


参考図書:雑誌『うかたま』(季刊) [別サイトへリンク]


(※)撮影:倉持正実、坂本文明 文責:ニッポン食育フェア事務局 このサイト内の文章・写真の無断転載を禁じます