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ニッポン食育フェア
食育推進全国大会
 

ニッポン食育フェアin群馬 ―“食育”は、農業・農村体験から

『農村生活の楽しみ』コーナー

お茶の樹を探そう・楽しもう

 お茶の樹はひと昔前まで、家や畑の生け垣や庭木として植えられた、どこにでもある常緑樹でした。新芽が出れば喜んで摘み、自家製の番茶やほうじ茶をつくっていました。

 そこでこのコーナーでは、「農村に出かけたらまず、お茶の樹を探そう!」をキーワードに、お茶から知る農村生活の楽しさ・豊かさ、日常的にどのように取り入れるかまでを、丸ごと体験できるようにしました。

 お茶博士の武田善行さん(元 野菜茶業試験場)、ホットプレートで製茶づくりの実演に澤村章二さん((株)寺田製作所)、食べるお茶の実演・指導に石川美知子さん(NPO法人 日本食茶の会)の先生方を迎え、さまざまなワークショップが行なわれました。また 応援団劇場の講演でも詳しいお話しがありました

●ホットプレートでお茶づくり ― 澤村章二さん

<実演! ホットプレートでお茶づくり>

1.みずみずしい生葉の一心二葉くらいまでを摘み取り、ホットプレートにのせる。割り箸でかき回しながら水分を飛ばす

2.しとりがでたら(ベターっとしてくる)、和紙を敷いた上に葉をのせて、手でもむ。
くずを取り除いて再びホットプレートに移し、手もみしながらさらに水分を飛ばす作業を繰り返す

3.できたてのお茶。
「手もみすればするほど、おいしいお茶になりますよ」と澤村さん


4.お茶はその場で試飲。「お茶って、自分でつくれるんだね!」おどろきの声があがる

 焙煎する時は、割り箸でなく軍手の使い古しでもだいじょうぶ。新しい軍手だとケバが葉についてしまうので、古い方がよいそうです。

●お茶博士が教える茶の歴史 ― 武田善行さん

 「日本茶といえば煎茶、となったのは明治以降のことです」と語るのは、お茶の品種や栽培に詳しいお茶博士の武田善行さん。

 明治時代以降、外国人に鮮やかな緑色の煎茶が珍しがられ、輸出用に増産されるようになりました。ただし煎茶は、茶葉の栽培や製法に高度な技術が必要なため、あくまでも高級なお茶。ふだん飲むのは、自家製の番茶かほうじ茶だったのです。

 また、茶の湯になくてはならない抹茶は、特別な方法でつくった碾茶(てんちゃ。中国茶の甜茶とは異なる)を石臼で挽き、粉末にしたもの。会場ではミニ石臼で碾茶を挽く体験も行われました。

ミニ石臼で挽いて碾茶づくり体験

お茶の歴史について講演する武田さん詳しくは「食と農の応援団劇場」で)

カテキンが多いお茶、苦みが強くぴりりとするお茶、
食べてまろやかなお茶など、茶の樹を7種類ほどを展示

●食べるお茶 ― 石川美知子さん

 「茶葉は丸ごと食べられます。野菜と同じように料理に使いましょう」と提案するのは、石川美知子さんです。
 抗酸化力、抗ガン、老化防止、殺菌作用など、多くの効用がある茶葉を丸ごと食べれば、その成分を100%生かせます。

 「食べるって幸せなこと。おいしいと思えることが、精神の豊かさを育ててくれます」と話す石川さんは、これまでにも自らも住む静岡県の食材、しいたけ・わさびのよさを伝える活動をされてきた方。

 今、そこにお茶が加わったのは、食べることも飲むこともできる食材だからだそうです。「おいしくいただけるうちは健康だということ。飲むだけでなく、粉末にしてヨーグルトにかけたり、料理にしてください」と薦めていました。


「お茶の食べ方」を提案する石川さん

お茶の葉とかつおの佃煮

参考図書:『茶大百科(全2巻)』 [別サイトへリンク]

体験!日本の粉食文化 〜全国生活研究グループ連絡協議会

 日本には、ごはんのように穀物を粒のまま食べる「粒食」だけでなく、いったん粉に挽いて麺や団子などに加工して食べる「粉食」の食文化も継承されています。とくに米がとれにくかった山間部や寒冷地では、小麦やソバなどから数々の料理が工夫されてきました。

 岩手県北の二戸には、当地・群馬県の郷土料理「おきりこみ」にも似た「ひっつみ」などの、食事となる粉食だけでなく、おやつも数多く伝えられています。なかでも「きゃば餅」と「かますもち」は二戸のなつかしい味です。

 この“きゃば”とは柏の葉のこと。小麦粉に黒糖、くるみ、重曹を混ぜ、耳たぶくらいの柔らかさまでこねてきゃばで包み、ホットプレートで焼きます。各家庭にいろりのあった時代は、いろりの灰の入れて焼いていたのだとか。
  「米粉でつくる柏餅とは、また違った味わいでしょう?」と、きゃば餅を焼きながら語るのは、地域に伝わる食文化や生活技術の伝承活動を行っている全研グループの会長の佐々木善子さん(岩手県一関市)です。

 このほかにも、埼玉県の「寄居町生活改善クラブ」は県北に伝わる「ゆでまんじゅう」を手作り販売。また長野県の「農村女性ネットワークながの」は、特産の辛味大根・ねずみ大根の間引き菜入りのかりんとう「ビタミン棒」などの小麦粉でつくるおやつを紹介しました。


柏の葉(きゃば)に包んで焼く、岩手県の「きゃば餅」

長野県からは「おやき(切り干し大根入り)

終日にぎわいをみせる

(※)撮影:倉持正実、坂本文明 文責:ニッポン食育フェア事務局 このサイト内の文章・写真の無断転載を禁じます