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キッズ・キッチン 食の喜びを子どもたちへ
―みんなで楽しむ「生涯食育」

食のまちづくり課の中田典子主査、すこやか会の成瀬りえこ会長、食育サポーターの加藤かおり会長

 小浜市では、「食のまちづくり条例」(H13年9月)、「食育文化都市宣言」(H16年12月)のもと、市をあげて「生涯食育」の取組みを積極的に展開中です。ライフステージに応じた、健康的な食生活、地域の産物と食文化の享受、豊かな食体験と楽しみ交流のための指導や講座、年代ごとの料理教室などが行なわれています。

食のまちづくり・生涯食育の多彩な活動

 ステージの地図は、「食のまちづくり」と書かれたひときわ大きな鯖パネルが張られ、「食のまちづくり課」の政策専門員(食育)の中田典子主査と、すこやか会(食生活改善推進員連絡協議会)の成瀬りえこ会長、食育サポーターの加藤かおり会長が登場されました。そして、応援ゲストのテツandトモさんが大きな巻物をもって登場。広げると、生涯食育を中心的に支えるすこやか会(会員164名)と、すこやか会の有志で結成したグループマーメイド(59名)、食育サポーターの多面的な活動がリストアップされています。写真で、ご覧ください。


すこやか会・グループマーメイド・食育サポーターの多彩な活動

海辺から田園から持ち寄って「ふるさと料理を楽しむ会」

地区の伝統料理が集まる「ふるさと料理を楽しむ会」
(写真提供:小浜市食のまちづくり課)

 成瀬さんがすこやか会の活動について紹介してくれました。会員は12地区で伝統料理を掘り起こして磨きをかけ、レシピにまとめて広める活動を早くから続けてきました。そして全地区の料理を持ち寄って楽しもうというのが「ふるさと料理を楽しむ会」で、すでに11年も続き、170人もの人びとが参加する交流の場になっています。

 この日、成瀬さんたちは鯖の伝統料理、宮川地区の「なまくさ汁」(濱焼き鯖汁)と、口名田地区の「谷田部ねぎの鯖ぬた」をもってきてくれました。なまくさ汁は、焼き鯖と大根・人参・しいたけ・麩・豆腐・ちくわに谷田部ねぎが入り、出汁を焼き鯖の頭と昆布からとったすまし汁。谷田部ねぎは京都の九条ねぎの系統で、谷田部地区で明治時代から積雪期の貴重な青もの野菜として作られてきた特産ねぎです。鯖ぬたには、冬にグーンと甘味を増す谷田部ねぎと、若狭の海の恵み、鯖の美味しさの両方がうまく活かされています。

地区でユニークな鯖料理 なまくさ汁と鯖ぬたを味わう

宮川地区の焼き鯖料理「なまくさ汁」

口名田地区の「谷田部ねぎの鯖ぬた」

 しめ鯖が大好きというトモさんは、鯖ぬたを試食して「これは美味しい」。本多さんは「ぬたの芥子と酢味噌の味わいが本当にいいですね」。宮川アナは宮川地区のなまくさ汁を試食。「ぜんぜん生臭くなく、ほのかな甘味がします。お麩が、出汁の旨味を吸ってくれて、美味しい」と、同じ“宮川”だからではなく、本当にその美味しさに感じ入っていました。

 観客の皆さんには、地区が変われば知らないという人もいました。本多さんから「意識的に作ったり伝えたりすることが必要です」とアドバイスがありました。

谷田部ねぎの鯖ぬた



 5人分
  • 谷田部ねぎ 350g
  • 鯖(3枚おろし) 半尾
  • 塩 適量
  • 味噌 60g
  • 砂糖 75g
  • 酢 大さじ3
  • 芥子 12g
  • ごま 大さじ2と1/2


  • 砂糖 大さじ1
  • 酢100cc

  1. 鯖の小骨をとり、塩をして2〜3時間おき、Aに一晩つける。
  2. 塩を入れた湯で谷田部ねぎをさっとゆで、水をとって色止めし、水気を切ってから2cmに切る。
  3. 鯖の薄皮をはぎ、短冊に切る。
  4. すり鉢で炒ったごまをすり、味噌・砂糖・酢・からしを入れて、さらによくする。
  5. (2)をふきんに包んでよく絞り、水気をしっかり切って(4)に入れ、(3)も加えて和える。
    ※すこやか会 平成18年度郷土料理を楽しむ会「本日のお料理」より

キッズ・キッチン 子どもの「やりたい気持ち」をたいせつに

 加藤さんたち食育サポーターによる子どもたちの料理教室は、2、3歳児が対象のベビー・キッチン、幼稚園児・保育園児が対象のキッズ・キッチン、小学生が対象のジュニア・キッチンと続きます。モニターに、料理する子どもたちの様子が写し出されました。幼児が、掌に豆腐をのせて、真剣な顔で包丁を使っている写真、左手を猫の手にして上手に切る写真など、こんな小さいときから?と驚き感心する光景です。中田さんは、「子どもが、『やりたいなー』と思ったときが伸びていく時期です」。

キッズ・キッチン 手の上で豆腐を切る(左)、猫ちゃんの手で(提供:小浜市食のまちづくり課)



食材こそ最高の教材  その魅力との出会いを!

 次に、イカの眼を虫めがねで熱心に観察している幼児の写真。「お料理に入る前に、時間をかけてじっくり観察してもらいます。栄養があるからとか、バランスが大事だからなどと教えたり押し付けたりするのでなく、食材には子どもが興味をもつ魅力がいっぱいあるので、虫めがねだけでなく、いろいろな方法を使って、食材に近づいていってもらうようにしています」。「食材こそ最高の教材」なのです。本多さんの「こういう取組みっていいですね。好き嫌いが無くなりません?」に、中田さんは「お家で昨日まで食べなかったものを、食べたと、お母さんたちがびっくりされます」。

 また、キッズ・キッチンでは、羽釜で竈炊きのご飯の香りや美味しさを体験させます。「子どもは、カレーやチャーハンなど混ぜご飯が大好きですが、白いご飯を中心にして野菜や魚、豆を食べる日本型食生活の良さが分かっていきます」。トモさんが「押し付けないところがいいですね。勉強もそうです」と、大いに共感。


キッズ・キッチン イカの眼を虫めがねで観察(左)、ご飯は羽釜・竈炊きの美味しさを
(提供:小浜市食のまちづくり課)

食べること・料理することが好きになる

 この日、会場のブースでは、キッズ・キッチンが行なわれ、子どもたちがおせち料理を作り、親たちが周りから見守りました(手出し・口出しはしないのがルール)。料理は、お雑煮、紅白なます、こがねきんとん(中に枝豆入り)、煮しめ、黒豆、かまぼこ。

 ステージに体験した2組の親子に来ていただきました。「家で料理やりたいというので、習いにきました」というお家の子どもさんは、宮川アナの「お手伝いできるかな?」の問いかけに「うん」。また「煮しめのれんこんやこんにゃくを家では食べないので」という子どもさんは、「これ(煮しめ)食べられるかな?」の問いかけに「食べられる」と、答えてくれました。

会場で行なわれたキッズ・キッチン

参加された子どもとお母さん

食育のうねりを小浜から日本へ世界へ

 本多さんから「自分で体験したから、美味しさがちがいますよね」「食べることは生きる力そのものです。食材や料理に興味を持って取り組み、喜んで食べるようになることを、地域の人びとが支え、生涯食育につないでいること、そして外との交流の広がりをもった食育になっているのとは、すばらしいです。こういう取組みが日本中に広がっていけば本当にいいですね」と、食育のうねりを小浜から日本へ・世界へという期待のエールが贈られました。