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金山寺味噌のお茶漬け


荻原さんの金山寺味噌

乾燥保存したなすを金山寺味噌の材料に
自園自製のお茶を入れて
ごはんに金山寺味噌をのせてお茶をそそぐ
茶生産・製造農家であり、お茶インストラクターの荻原克夫さん、圭子さん夫妻

「おちゃのこ」?「おちゃすけ」?

 おちゃのこ、おちゃすけというのはいずれも、軽い食事の呼び名です。袋井市近郊でよく使われていた言い方で、いかに「お茶」が生活の中に溶け込んでいたのかということがわかります。農家は昔、食事を朝5時頃の「お茶の子」に始まり、「お昼」「お茶すけ」「おいはん」と4回、5回食べたのだとか。

 さて、冷えた麦飯に金山寺味噌をのせ、熱いお茶を注いでかっ込む「金山寺味噌茶漬け」は、いそがしい季節、食欲のすすまない夏などに、ご飯をすばやくおいしく食べるのに欠かせないものでした。この「ご飯の友」は、今も家々で好みの味が受け継がれています。

 「お嫁にきたときは、おいしいとも思わなかったのですが、何年かするうちに馴染み深い食べものになりました。十何年もかかって最近ようやく満足できる味が出せるようになってきたんですよ」と荻原圭子さん。

 ステージでは、お茶インストラクターでもある荻原さんの自園自製の深蒸し茶を味わい、次いで金山寺味噌のまろやかな味の手づくりお茶漬けを楽しみました。

緑色のお茶はかつてはぜいたく品

 昔は茶産地では、売り物の上等煎茶を急須で飲むことは少なく、日常は番茶の煮出し茶。お茶の色はその名のとおり「茶色」でした。今は緑色の美しい美味しい煎茶をたっぷり飲み、いろんな料理・加工に使う地産地消の「ぜいたく」をする時代になりました。

大井川をはさんで「納豆」が違う

 大井川より東は糸引き納豆(ワラにつく納豆菌の働き)、西は金山寺納豆(麹かびの働き)。まさに東西文化の接点がこの地域です。

 ちなみに金山寺味噌は中国の古寺径山寺から、日本には江戸時代に製法が伝えられました。袋井市では、天竜川の山寺で柳山がつくり、三川大谷の雲谷寺、爾見眠山から伝えられたとされています。(「ふるさとの味を こどもたちへ」静岡県教育委員会体育保健課 昭和63年)

(1)麹づくり
 大豆・小麦・米を同量用意。大豆は炒ってお湯につける。炒り大豆・小麦・米をいっしょに蒸かし、金山寺用麹菌を混ぜて発酵させる。麹菌は3つの材料各5kgに対して25g。3日でできるので(4)の仕込みの3日前に発酵を開始する。

(2)野菜の漬け込み
 なすは生で使ってもいい、たくさん採れる夏にスライスして乾燥、保存しておくといつでも使えて便利。(4)の仕込みの前日に、保存なすは水に戻し、にんじん・しょうがは生を、それぞれきざんで重さの5%ほどの塩漬けにする。

(3)調味液づくり
 仕込みの前日、砂糖・醤油・酒を混ぜ、煮立ててアルコールを抜き、冷ましておく。

(4)金山寺味噌 (金山寺納豆、おなっとう)の仕込み
 野菜の塩水をしぼり、麹と混ぜ、調味液を加える。1週間ほどで味がなじんでおいしく食べられる。冷蔵庫で保存すれば、まろやかさが増して長く楽しめる。

(5)お茶漬け
 ご飯に金山寺味噌をのせ、熱いお茶を注いで食べる。お茶は、昔は番茶をやかんで煮出したものだったが、今は深蒸し煎茶で色よく香りよいお茶漬けを楽しむ。