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コノシロのぶえん寿司


上天草市活性化グループ松島町あまずら会の立花匡子さん(左)と、上天草市食生活改善推進協議会の宮崎寛子さん
3枚におろしたコノシロ
新鮮なコノシロが安く売られている。大矢野物産館「さんぱーる」にて
マダイもぶえん寿司にすることがある

コノシロってどんな魚? 「ぶえん」とは?

 コノシロは出世魚で、この土地では、小さいときをコハダ、次いでツナシ(ナロ)、20cmくらいより大きくなったものをコノシロと呼びます。「ぶえん」とは、塩を効かせなくても生で食べられるほど新鮮、という意味です。

 なぜ塩蔵しなくてもよいかというと、ここ上天草はコノシロが豊富でいつでも新鮮なものが手に入るからです。魚の中ではコノシロの漁獲量がトップなのだそうです。人びとは、刺身、つみれ、南蛮漬け、みりん干し、ぶえん寿司、姿寿司にと、新鮮・豊富なコノシロをじつにたくさんの食べ方で、楽しんでいます。

おいしいお米がとれる松島の山間の稲田
「さんぱーる」ではコノシロの姿寿司も売られていた

おいしい米と新鮮な魚の交換

 今回出演いただいた立花さんの住む松島の山間、教良木(きょうらぎ)地方ではおいしいお米がとれます。そのお米を海辺の人にプレゼントすると、海辺からは新鮮なコノシロなどの魚が返ってくるそうです。このような海の幸と、山畑の幸の交換で、「里海の恵み」の楽しみがさらにふくらんでいきます。

 ステージでは、新鮮な海のものと山畑のものが詰まったお寿司を試食。「お米も、コノシロも、野菜もみんな元気」と平野レミさん、「魚が小さく切ってあって、生臭さがなく、これなら魚嫌いにも食べられる!」とテツandトモさん。

忙しいときの保存食だったお寿司

 昔はどこでも、お米の節約のために、麦飯や混ぜ飯が普段の食事でした。それを、できるだけ食べやすく、力が出て栄養バランスもとれるように工夫を重ねてきました。「ぶえん寿司」もそのひとつ。昔は、残りご飯に干し大根や生大根を入れてふやし、酢じめした魚を加えておいしくし、ご飯にも酢をきかせて「つくり置き」できるようにして、忙しい農繁期を乗り切ったのです。いまは、下のレシピのように材料も変わり、おいしく楽しむ料理になっています。

 同じ上天草市内でも、大矢野のほうではコノシロの姿寿司が多く、松島などでは「ぶえん寿司」が多いといわれます。地域ごとに、家々で好みの味が受け継がれています。

<15人分>
  • 米…1升
  • 合わせ酢(酢…1.1カップ、砂糖…260g、塩…30g)
  • 混ぜ具
    干ししいたけ…6枚
    にんじん…中1本
    ごぼう…1本
    干しだいこん…30〜40g
    A 醤油…1/2カップ、砂糖…30g、酒少々
  • 生魚…300〜400g(コノシロ・マダイ・クロダイ・スズキなど)
    塩…20g
    B 酢…2カップ、砂糖…80〜100g、しょうが少々、小ねぎ少々
  • ごま…適量
    1. 米は洗って30分間おき、洗った米と同量の水で炊く
    2. にんじん・ごぼうはささがきにし、干ししいたけ・干しだいこんは戻してみじん切りにする
    3. 混ぜ具はAの調味料で味つけして煮詰める
    4. 魚は3枚におろし、皮をつけたまま小さく切って塩20gをまぶしておく(1〜2時間くらい)。その後、Bの中に漬けておく。魚が酢で白くなるほうがよい
    5. ご飯は寿司桶に取り上げ、熱いうちに合わせ酢を混ぜ、さらに3.を入れて混ぜ合わせる
    6. 5.のご飯が少し冷めたら酢に漬けておいた魚をザルでこして汁気を切り、ご飯と混ぜる
      軽く押して、上にゴマをふって出来上がり