海峡から吹きつける風雪で、白い世界に変わっていく──知内町の冬の景観。紀行者はそれを、「深い眠りにつく北の町」とか「春を待つ村」とか表現してきました。しかし、ここ知内は冬こそ躍動の季節。荒れる海中でも、雪の下でも生きものたちは、力強くいのちのサイクルを回しているのです。
この地に住む人びとは、山―田畑―海とつながる自然の中に、荒々しくも豊かな恵みを発見し、暮らしに引き寄せて、「地域の生産と食」をつくりあげてきました。知内の海岸に船を泊め、上陸してから800年の記念すべきこの年、冬に躍動する生産と食をみんなで確かめ、楽しみ、地域の宝として受けつぐ「食育・健康フェア」が開催されました。


  • 三平汁
  • にらと牡蠣のキムチ和え
  • にらの昆布まき
  • にらのサーモンマリネ
  • にらのジャム
  • 雪中保存の大根
    栄養豊かな健康主食
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    本多京子先生、テツandトモさんと地元出演者のみなさん

     津軽海峡の荒波と、40数本もの川が運ぶ豊かな養分に恵まれた知内の海。ここで育まれる牡蠣、ほたて、そい、かじか、鮭、やりいかなどの海の幸は、秋から冬にグーンとおいしくなります。いっぽう、秋に収穫した野菜は、畑土に埋けて保存され、雪中で甘さ・おいしさを増します。2月には、寒さを超えて伸びてくる名産のにらが収穫され、天下一品の味で舌を楽しませてくれます。北国知内は、冬の寒い時期に、魚貝も野菜も食べごろを迎えます。
     知内では海の恵み、畑の恵みをおいしく食べる知恵と技を継承し、新しいふるさとの味を生み出す「ふるさとの食の後継者づくり」が始まっています。学校で地域で、農村・漁村のお母さんたちが大奮闘。地域の若者に受け継がれる食の豊かさをお届けします。

    前日から町内農業を視察され、フェアに参加された麻田信二北海道副知事は、「道では、食育行動基本計画を策定中。知内町は北海道全体を引っ張ってください」と、エールを送られました。

    取材・文責:農文協
    記録撮影:倉持正実


    会場のようす。石臼体験コーナーなど
    食と健康に関するお医者さんやタレントさんのお話など
     
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