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かきもち・きりこ


かきもち(四角形)ときりこ。手に持っているのはきりこを焼く網

1年間のおやつになるかきもち・きりこ

「こうじぶた」に入れて、のした状態。奥の赤いのはえびもち、黒は黒豆・黒ごまもち

 かきもちは、寒中にいろいろなもちを搗いて薄く削り、寒さのなかで約1ヶ月余り乾燥させたもの。黒豆、黒ごま、干しえび、青のり、砂糖など、色あいも、味、栄養も豊かです。寒中につくったかきもちは約1年保存ができ、これを焼いておやつに食べます。

 7、8cm×5cmのものをかきもちと呼ぶのに対し、切れはしを、さらに細かく切ったものを「きりこ」といいます。

なつかしい道具を使って再現

小林克則さん・浩子さんご夫妻と、娘さんご家族の下城啓司さん・明子さんと、小学2、5年生の子どもさん

 地元の人びとにとって、かきもち・きりこは懐かしいものであり、今でも「もらったり買ったりして食べている」人が大勢います。中には「かんな」など、かきもちをつくるときの道具が、家に残っているという人もいます。

 ステージに登場してくれた小林浩子さん(JAならけん高田支店女性部長・大和高田市地域婦人会連絡協議会会長)の家には、搗いたもちをいったん入れる大きな平桶、やわらかいもちを入れて厚さ7、8cmに形を整える「こうじぶた」、3mmくらいの厚さに剥く「かんな」、剥いたもちを札状のかきもちに切り分ける包丁、かきもちを吊るして干すひも、きりこを焼く網など、貴重な道具一式が保存されているそうです。100年も前からこの家で使ってきた道具はまさに文化財です。

 今でも、小林さんの家には、毎年暮れに子どもさん家族がやってきてにぎやかにもち搗きをするそうですが、かきもち・きりこづくりはしばらく途絶えていました。そこで、食育・健康フェアを機に、娘さんご家族と3世代で復活していただきました。

剥(す)く・切る・吊るすの過程を実演

ご夫婦息を合わせて「かんな」で剥く

「かんな」で薄く剥く

包丁で札状に切る

ひもで吊るす。細い竹筒で一枚一枚止めて編み上げる

お孫さんが乾燥中のかきもちを持って

 ステージでは、「こうじぶた」に入ったもちを「かんな」で剥くところから、克則さん・浩子さんご夫妻が実演してくれました。いろいろな珍しい道具と、それで剥いたり切ったりして、かきもちができていく過程に、ゲストの皆さんは興味津々。さらに、寒さを活かして乾燥する知恵などを伺い、おおいに感心していました。

 札状に切ったかきもちを乾燥させる工程のところでは、お孫さん二人が実物を何本も吊るした竿をかついで再入場。赤と黒のかきもちがたくさん吊り下がった光景は、美しい風物詩を想像させます。

 この日、小林さんが持ってきてくれたきりこは、黒=黒豆・黒ごま入り、赤=干しえび入り、緑=ヨモギ入りの3色。思わずゲストから「きれいー!」と声が上がりました。本当はこれに加えて、青のり、砂糖など、もっと色とりどりにつくるんですよという小林さんの説明に、みんな驚き、感心しておられました。

もちを一人で搗けるようになった5年生のお孫さん

「最初はあまり強く搗かず、やわらかくこねてから搗きます」と答えるお孫さん

 小林さんのお孫さんは、小学1年生でもち搗きを始め、だんだん長時間搗けるように。5年生になるといよいよ、1人で搗き上げられるようになったといいます。ステージで、もち搗きの感想を聞かれ、「最初はあまり強くつかず、やわらかくこねてから搗きます。こねるのが結構手間がかかります」と、搗く前にこねるときの大変さを説明し、会場からは「オーッ」と感心の声があがりました。栗田アナが、「物のひとつひとつに思いが込められていることがわかりました。それが孫たちに、人びとに伝わっていけばいいと思います」と締めくくってくれました。

もち米1升に対して

  • 黒豆もち:黒豆1合、塩20g
     前日に、もち米、黒豆、釘(15cm)5本を水に浸けておく。
  • 黒ごまもち:黒ごま1合、塩20g
     炒りごまを摺って入れると香りがよくなる。
  • 黒豆・黒ごまもち:それぞれ1合、塩20g
  • 砂糖もち:砂糖1合
  • えびもち:干し海老100g
  • 青のりもち:青のり100g
  • よもぎもち:冷凍よもぎ100g(春に摘んで冷凍)
  • 以上、塩の量は好みで加減する

    1. 黒豆は米といっしょに水に浸けておいて、もち米といしょに蒸す。ほかは、もちを搗くときに入れる。

    2. かきもち・きりこ用のもちを搗くときは、薪の火でじっくり40〜60分かけて蒸すのがよい。また、ふつうのもちの2倍くらい搗く。

    3. 搗きあがったもちは、いったん大きい平桶に移し、すぐに「こうじぶた」という木箱に入れて7、8cm厚にのす。

    4. 4日後くらいに、もちを「こうじぶた」から出して立てて、長い辺を独特な「かんな」で3mmほどの厚さに剥く。それを5cmほどの幅に切って札状にし、ひもで編み上げるようにして、吊るして干す 。 冬にもち搗きし、寒さを活かして乾燥させ、長期保存する。