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雑穀のモニュメント―北岩手古代雑穀

雑穀モニュメント
ひえしま

雑穀のある農耕・生活文化の豊かさ

 「雑穀王国いわて」の中で、二戸市は雑穀とその食文化の見直しと伝承がさかんなところです。メイン会場アリーナの展示フロアの中央には、高村英生さんの「北岩手古代雑穀」による雑穀モニュメントが飾られました。

 ひえ・あわ・きび・たかきび・じゅうね(えごま)・ごまなどの雑穀と、小麦・らい麦・そば・大豆・小豆など、地域の食を支えてきた作物の実物・穂が展示され、来場者は改めてその豊かさ感じていました。

 雑穀料理とその伝承については、ステージ「あなたが主役 ふるさとの味」で高村民子さん、安藤直美さんに紹介していただきました。さらに二戸では、雑穀のある農耕・生活文化全体を見直し、伝えて行こうという取組みも展開されています。モニュメントには、刈り取ったひえを畑で乾燥させる秋の風物詩「ひえしま」が飾られ、パネルで説明されました。「ひえしま」は、穂に雨があたらないよう、また鳥に食われないように隠してたてておき、乾燥中に葉茎の中の栄養分が穂に転流してひえ粒が熟成し、残ったワラは冬期間馬の大事な飼料となります。このように、地域で自然を最大に活かしながら人と動物が共存して永続していくしくみのシンボルが「ひえしま」です。

 「食育・健康フェアinにのへ」は、そういう地域の農耕・生活文化を大事に育てていこうという願いのこもったステージや展示で交流する場となったのです。

地元食材を活かした郷土食の展示、体験

雑穀の魅力が光る料理がいっぱい

地元食材を活かした郷土食の展示

 メイン会場のフロアでは、ステージ「あなたが主役 ふるさとの味」の出演者も含めて、地域の食文化の継承、健康的な食生活づくりの活動をすすめている市内団体が、おすすめの雑穀料理を展示しました。なつかしいおやつから新しい創作料理まで、25品もの料理が並び、来場者はその多彩さを楽しみながら、レシピを持ち帰っていました。

二戸市食生活改善推進員協議会

◆二戸市食生活改善推進員協議会の雑穀料理展示◆

()内は使用した雑穀など穀物の種類。以下同
くるくるシュウマイ
(もちあわ)
しそ巻きバーグ
(いなきび ・アマランサス・そばの実)
雑穀のコロッケ
(あわ・きび・アマランサス・おから・枝豆・コーン)
にんじんのきび入り白和え
(もちきび・豆腐・枝豆または青豆)
ひえのピーマン詰め
(ひえ・とうもろこし)
じゃことわかめのおせんべい
(いなきび・ごま・米)
雑穀入り柳ばっと
(そば粉・きび・あわ・ひえ)

 二戸市食生活改善推進員協議会(菅野栄子会長)では、3年間に亘る雑穀・豆料理創作の取り組みから、「『ばんきゃ』雑穀料理集」を作成し、17種類のレシピを紹介しています(平成18年)。食物繊維がゆたかで、粒々感があり噛むことで内臓や頭を元気にするという雑穀共通の効果と、新雑穀アマランサスの高栄養、もち品種の粘り・もっちり感、うるち品種のサッパリした食感などの特性を、現代風に活かすアイディア料理です。

 この日は、ひえ、もちあわ、うるちあわ、もちきび、いなきび、そば、ごま、アマランサス、大豆、とうもろこしを使った創作料理7種を展示。それぞれの穀物のプロフィールと栄養効果も書かれたレシピを配布しました。

手づくりおやつ体験、食生活改善推進員の皆さん

 展示料理の一つ「じゃことわかめのおせんべい」づくりの体験コーナーを設け、たくさんの人でにぎわいました(会場:ワークインにのへ)。じゃこのカルシウム、きびとごまの栄養効果があり、塩分はじゃこからだけ、残りご飯を使ってできるおやつで、「買ったおやつばかりでなく、つくってあげてください」とアピールしました。若い娘さんグループも初体験。「おいしい! 家でおばあちゃんとつくる」と好評でした。

JA北いわて女性部

◆JA北いわて女性部の雑穀料理展示◆
雑穀焼きそば
(小麦粉・あわ・ひえ・たかきび・アマランサス)
雑穀ラーメン
(「雑穀焼きそば」と同じ)
がんづき(小麦粉)

屋外会場で、JA北いわて女性部の皆さん

 JA北いわて女性部(小松幸子部長)では、小麦にあわ、ひえ、たかきび、アマランサスの五穀入りのラーメンや焼きそば。冷麺の加工など、地域農産物活用の積極的取組みをしていますが、同時に地域の学校・保育園などで農作業や郷土食づくり体験に協力しています。

 この日は、雑穀焼きそば、雑穀ラーメンと、なつかしいおやつ「がんづき」を展示。屋外会場では、これらと、手づくりの焼き肉のたれなどを販売しました。

二戸市アグリ生活研究会

◆二戸市アグリ生活研究会の雑穀料理展示◆
とりご飯
(うるち米・もち米・雑穀)
鶏肉入り団子ひっつみ
(もちあわ・アマランサス・小麦粉)
トマトソース
チキンベジタブルカレー
(五穀、花豆、トマトソース)

屋外会場で、アグリ生活研究会の皆さん

 専業農家女性が参加・活動するグループ、二戸市アグリ生活研究会(鷹場幸恵会長)では、わが家・地域の産物を活かして、健康的でおいしく家族に喜ばれる食卓づくりに力を入れてきました。そのために、雑穀、大豆・枝豆や花豆を上手に活かすのです。例えば、カレーやシチューなどにトロミやモチッとした食感を出すのには、もち品種のきびやあわが良く、揚げものの衣やドーナツやクッキーでサクッとした食感を出すにはヒエが最適です。

 また、クッキングトマト(料理用トマト)の栽培と料理開発、普及に先進的に取り組んできました。トマトソースに加工し、カレー、シチュー、野菜サラダなどいろいろに使います。とくにカレーやシチューなどはトロッと濃厚な味になり、定番料理が一味もふた味もおいしく、子どもたちに喜ばれます。この日は、そのようなアイディア料理を展示し、屋外会場で販売しました。

産直施設 キッチンガーデン

◆キッチンガーデンの雑穀料理展示◆
いなきび入りきゃばもち
(小麦粉・いなきび)
そば粉まんじゅう
(小麦粉・そば粉)
雑穀豆しとぎ
(青大豆・いなきび)
  屋外会場で、キッチンガーデンの皆さん

 浄法寺地区の加工・直売グループ、キッチンガーデンでは、事務局長の三浦静子さんが「手打ちそば」、小野知子さんが「かます焼もち」、三浦英子さんが「きゃばもち」、堀口京子さんが「雑穀水あめ」の「食の匠」として県から認定され活動をしています。そして、地元で野菜や加工品を販売したり、食文化の伝承と食育の活動をすすめるほか、県外とも積極的に交流しているのが特徴です。岩手県の東京のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」に出品し、また、杉並区の桃井小学校で、野菜の話や豆腐づくりなどの出前授業をし、「三浦さんの野菜だと言えば残食率が下がる」と栄養士さんから喜ばれています。向こうから農村体験にやってくる計画もあり、農村のお母さんたちによる都会の子の食育支援がはじまっています。

 この日、直売所で人気の、小麦粉を練って黒砂糖・くるみで味つけして柏の葉で包んで焼く「きゃばもち」、昔は山の神様にあげた「豆しとぎ」(大豆を搗いてしとねる)などを展示。屋外会場では、これらと、いろいろな郷土のおやつ、雑穀を販売。炉の炭火で焼く「豆腐田楽」は、寒い天気の日に体が温まって喜ばれました。

雑穀茶屋つぶっこまんま

◆つぶっこまんまの雑穀料理展示◆

そばっこ雑炊
(そばの実)

ヒエッシュフライ、雑穀おにぎり、へっちょこだんご、そばっこ雑炊などを組み合せた
「つぶっこ膳」

 雑穀茶屋つぶっこまんまの安藤直美さんは、ステージ「「あなたが主役 ふるさとの味」で雑穀おにぎり、ヒエッシュフライなど、雑穀の新しい楽しみを紹介されました。展示会場では、ヒエッシュフライ、そばの実ハンバーグ、そばっこ雑炊を展示されました。 フロアの展示には、お店で喜ばれている定食「つぶっこ膳」を出されました。

カシオペア食の技研究会二戸グループ

◆カシオペア食の技研究会二戸グループの雑穀料理展示◆
雑穀入り刺身こんにゃく
(いなきび・アマランサス)
雑穀クッキー
(小麦粉・ダッタンそば粉・アマランサス)
鶏肉きび入り板麩ロール
(きび・板麩)
写真のほか、「へっちょこだんご」を展示

 カシオペア食の技研究会は、岩手県認定の「食の匠」とこれに賛同する人びとの研究会です。二戸グループは、ステージ「ふるさとの味」に出演された、手打ちそばの「食の匠」米田カヨさんをはじめ、8名の会員がいます。この日は、「食の匠」の伝統料理のほか、雑穀の魅力が引き立つ新しいアイディア料理を中心に展示・紹介しました。

地元産の鶏肉料理の展示、試食  二戸パークホテル、炭火焼 二戸大吉

◆炭火焼二戸大吉の鶏肉料理展示◆

鶏胸肉のたたき

ささみの元気巻き

◆二戸パークホテルによる学校給食鶏肉料理の試食◆

料理展示は学校給食の鶏肉料理6種

 鶏肉生産額が全国一の岩手県で、中心になっているのが二戸市です。鶏肉生産販売会社3社((株)阿部繁孝商店、(株)十文字チキンカンパニー、(有)土橋ブロイラー)と契約飼育農家とによって、じっくり育てて味が良く、安全な鶏肉生産の努力が続けられています。その「若鶏肉」を地元で食卓に取り入れよう、そのためにまずは学校給食からという取組みが、ステージ「ふるさとの味」で紹介されました。

 フロアでは、学校給食の鶏肉料理を開発した(株)二戸パークホテルが、6種の料理を展示。屋外会場では、そのひとつ「鶏胸肉のしそチーズ風味フライ」が試食に出され、子どもたちが喜ぶ新しい地産地消の料理を、大人たちが味わい楽しみました。

 おいしい二戸産の鶏肉を、地元でもっと楽しんで欲しいと、たたきから焼き鳥までこだわりの料理を出して喜ばれている焼き鳥屋、二戸大吉は、人気の鶏料理4品を展示。屋外会場でも販売しました。

屋外会場 地域の食べもの実演・販売

なつかしい香り、温かみ

二戸御法度の会による手打ちそば

もぎたて市の会による串もち

 フェア当日は、あいにくの雨で、屋外会場は寒い日になりましたが、上記も含めてたくさんの団体が地域の味の実演・販売で、来場者を迎えました。「二戸御法度の会」は新そばの手打ちそば、「もぎたて市の会」は炉で炭火焼きする「串もち」の実演・販売をし、温かくなつかしい香りが広がりました。

 二戸の中心街の飲食店やホテルが参加する「八幡下無国籍料理屋台村」は焼きそば、だんご汁、おでん、ホットドリンク、ケーキなどを販売。また、小規模作業所「ほほえみ工房」、障害者作業所「しあわせ」は、それぞれ、手づくりパン、国産小麦パンなどの食べもの、野菜類、手づくり文具などを販売しました。

食のコンテスト、コンクール

かんたん朝食メニューの入賞作品の紹介


小学生のオムレツコンテスト

かんたん朝食メニューコンクール

 健康的な食習慣のポイントは、朝食をきちんととること。朝、ご飯を良く噛んでしっかり食べれば、体だけでなく頭も働き、勉強も仕事もよくできるようになります。二戸市では、手軽にできてバランスも良い朝食メニューを、幼児向け・小学生向けなど年代別に一般募集。フェアのオープニングイベントで受賞者の表彰式が行なわれ、会場フロアには、入賞作品の写真とレシピが掲載されました。

小学生のオムレツコンテスト(会場:シビックセンター)

 市と食生活改善推進員協議会が小学生に呼びかけて、参加者を募集して行なうオムレツコンテストが、4年も続いています。小さい頃から食への意識を高め、家族と料理して楽しく食べるようになってもらうことがネライです。オムレツをふんわり焼くのはけっこうむずかしいもの。子たちは、何日も前から、練習・試作を繰り返して臨むといいます。また、当日は、父親がついてきてわが子の手元を見つめる家もあるほど、盛り上がります。 優勝者を筆頭にふんわりと本当においしいオムレツができ、菅野栄子食改会長は、「私たちでも、こんなに上手にできません。やればできるから、これからも続けてね」と励ましました。

栄養・健康の相談、体の測定コーナー
(会場:ワークインにのへ)

食生活と体の状態を見つめなおす

栄養士会による朝食選びチェック

岩手県国保連による測定と相談

歯科医師会による口腔の健康相談

保健委員協議会によるにぎにぎ棒づくり

○朝食チェック―岩手県栄養士会、二戸地区栄養士会

  • 朝食(カード)を選んでトレーに入れてもらい、栄養士が主食・主菜・副菜のバランスやカロリーを診断してアドバイス。病院の栄養士による血圧・血糖値・体脂肪率の測定と食事アドバイス。

○体の測定と相談―二戸市地域婦人団体協議会、岩手県看護協会二戸地区支部、岩手県国保団体連合会

  • 身長・体重・BMI、血圧・血糖値、血流の測定、体脂肪率と問診による生活年齢の診断、など。

○医療・健康相談

  • 二戸保健所・・・ストレス度の測定とこころの健康の相談、など。

  • 二戸市歯科医師会・・・口腔機能は、噛む=食べる、舌を動かす=話す、表情を示す=コミュニケーション、脳を働かす=認知症予防、など生活にとってきわめて大事。そのアドバイス、噛む力のテスト、歯磨きの指導、など。

  • 二戸市薬剤師会・・・健康茶試飲、お薬相談、など。

  • 二戸市医師・・・会場の各種測定コーナーをまわったチェック表をもとに健康相談・医療相談。

○にぎにぎ棒をつくろう―二戸市保健委員協議会

  • 布切れを細長い袋に縫い、中に玄米を入れた、こぎれいなお米ダンベルづくり。握る力をつけたり、腕を鍛えたりにピッタリ。

 (以下 総合スポーツセンター アリーナ)

○コンピュータによる健康診断・・・国民健康保険協会中央会のブースでは、「デジタル人間ドック」による診断と改善予測。同ブースで、健康運動指導士による相談・アドバイス。

○漢方相談・・・ツムラによる身体・血圧測定と漢方相談。

東北農政局岩手農政事務所のブース

箸の達人になろう

「箸の達人」に挑戦

食事バランスのとれた1日の食事例の展示

 ブース正面には、漆塗りのすべりやすい箸で、箸を使って30秒間に、大豆と小豆を何個つまめるかを競う「箸の名人」コーナーが設けられました。大豆20粒、小豆7粒以上で、粗品(フリーザーパック、マウスパッド)が進呈されます。「チャレンジ500」は、カルトンでお米500粒を掬い取るゲーム。なかなか予想と違うことから、茶わんいっぱいが2500〜3000粒なこと、炊くと2.2〜3倍にふえることなど、お米・ご飯に親しんでもらおうという趣向です。

 各地での食育・健康フェアで喜ばれている、自分の写真入りカレンダーは、食事バランスガイドのコマの絵入りでできてきます。食事バランスガイドのパンフ配布、アンケート、バランスのとれた1日3食の食事例の展示、などが行なわれました。

農文協のブース

雑穀のワラで紙漉き

農文協の展示と体験コーナー

雑穀ワラの紙漉き

 農文協ブースで人気の体験メニューのひとつが、稲ワラや麦がらを使った紙漉きです。今回は、雑穀王国にちなみ、北岩手古代雑穀の高村さんから、あわなどの刈り取り後の茎葉をいただき、雑穀ワラの紙漉きをしました。

 来場者からは「畑に落ちているのでも、きれいにできるんですね」「硬いワラが溶けるのかね?」など、大いに関心をもっていただけたようです。スタッフは「雑穀はいろいろな色があるからきれいにできます」 「溶かすには重曹を入れて煮ます。冬ならストーブの上で煮ればいいですね」 「広げて干して保存しておけば、いつでも戻して漉くことができます」とアドバイスしていました。

 石臼体験は、全粒粉の小麦粉を挽きました。