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ひしお・ちりめんを使った料理

ひしお・ちりめんかけご飯
ひしおとちりめんと菜の花漬けを混ぜてご飯に

ちりめん寿司

ひしお(もろみ)。麹菌をやさしく守り育てて仕込む

ちりめん。細やかに手をかけて干し上げる


田んぼの幸、米・裸麦・大豆を活かして

 松前町の水田からは、従来の米と裸麦に加え、転作でエダマメ栽培が取り入れられて大豆が豊富にとれるようになりました。農家女性のグループでは、米・裸麦・大豆を活かした発酵食品の常備菜「ひしお」づくりが復活しています。

 ステージには、生活研究グループ「つどい」の高石コズエ会長と水口ミドリさんが出演されました。昔は家々で行なっていたひしおづくりを、いまはグループで行なっています。ステージのモニターで、つくり方の手順が紹介されました。仕込みは、盛夏を過ぎ、涼しくなり始めた8月末から9月上旬。麹菌の助けを借りて発酵させるのにふさわしい季節です。

出演された生活研究グループ「つどい」会長の高石コズエさん、会員の水口ミドリさん

赤ちゃんを育てるように、麹に手をかける

 ひしおづくりは、大豆をほうろくで炒って石臼などで挽き割って皮を除き、米・裸麦とともに蒸して、種麹をつけ、約2日日間かけて麹菌の繁殖を促します。むしろなどで覆って保温し、麹菌の繁殖・発酵を進めますが、発酵熱で温度が上がりすぎる(もえる)ことのないよう、手で混ぜて空気を入れてやること繰り返します。それは、赤ちゃんを寒すぎないよう熱すぎないように守り育てるのに似た、きめ細かな手業です。

 「つどい」の皆さんは、このようにしてできた麹を分けて家々に持ち帰り、しょう油と水あめを加えて桶に仕込みます。約1ヵ月後に、いつでも食べられる、甘味があってまろやかな食卓の友「ひしお」ができてきます。ゲストの枝元なほみさんが、まずはご飯にひしおだけをのせて試食。感想は「言葉が出ないほど、おいしいです」。

ひしおづくり。手で返して麹の繁殖を促す(写真提供 生活研究グループ「つどい」)


ひしお(もろみ)

  • 大豆 4kg
  • もち米 4kg
  • 大麦(裸麦)味噌用に精麦したもの 4kg
  • 種こうじ 15g
  • 醤油 9〜11リットル
  • 水あめ 好みで適量

    発酵用具
  • むしろ 4枚
  • 白布(90×150cm)4枚
  • 新聞紙 10枚

★前日
(1)原料の処理
 もち米、裸麦はそれぞれ洗ってたっぷりの水につけておく。浸漬時間は、もち米は夏4〜6時間、冬20〜24時間の間で、大麦は夏3時間、冬5〜6時間の間で、気温に応じて調整。

★1日目
(2)打ち上げ
1. 大豆をほうろくで炒り、冷めたら、石臼でひくか厚い板でゴリゴリと圧するなどして、2つ割りにして皮を取り除き、ざるに取って熱湯をかける。
2. もち米と大麦はそれぞれ打ち上げて水気を切っておく。

(3)蒸す(ここまで午前中)
 もち米、裸麦、炒った大豆を混ぜ、セイロに入れて火にかけ、蒸気が上がってから約40分蒸す。

(4)堆積(13〜14時)
 わらの上にむしろを敷いて麹床をつくる。蒸した原料を白布で包み、さらにむしろで包んで、麹床の上に1時間置く。

(5)麹づくり
1. 麹合わせして盛る(15時ころ):蒸した原料が40℃になったら種麹を強くまぶしつけ、厚さ15cmに盛って、白布とむしろで覆う。

★2日目
2. 一番手入れ(6時ころ):36℃前後になったら、じゅうぶん混ぜて空気を入れ、厚さ7cmにならし、白布・むしろで覆う。
3. 二番手入れ(11時ころ):麹息(麹の匂い)がし始める。固まりかけるので、これを砕いて、厚さ2〜3cmにならして溝をつけ、新聞紙を1枚かける。

★3日目
4. 出麹(7時ころ):朝は全体に真っ白に麹が繁殖している。味噌用にはこれでよいが、「ひしお」には半日置いて黄色になったものを使う。
※以上の工程で、40℃以上になる(もえる)ことのないよう注意する。

(6)仕込み(8〜9時)
 できあがった麹をよくほぐし、醤油と水あめを加えて、全体を混ぜて、桶に漬け込む。押しぶたをして、軽い重石をする。ときどき上下を混ぜかえし、約1ヶ月で食べられるようになる。
  できたひしおは、常温保存で1年くらいおいしく食べられる。

小さな魚にいっぱい手間をかけて干し上げる

 続いて、さらにおいしく食べる組合せ食材として、松前町の浜でつくられる「ちりめん」が紹介されました。ちりめんはカタクチイワシなど鰯の幼魚(1cm前後)を「釜上げしらす」にして干したもの。

 獲れる季節は夏。昔ながらに、自然を活かしておいしく・きれいに干し上げる「天日干し」も健在です。天日干しでは、暑さのなか、天気を見ながら、3回も手返しして平均に乾き、団子状にならないようにほぐしてやり、冷ましてから冷凍庫に入れるなど、小さな魚に細心の注意と手業が込められます。この日の料理用にちりめんを提供していただいた加納海産の大塚千恵香さんは「ちりめんは、手をかけるほどおいしくなる」といいます。

天日干しちりめんを生産する加納海産の大塚千恵香さん

小さな魚に細やかな手間をかけてちりめんができる

ご飯に、おいしさがいっぱいつまっている!

 ステージでは、ひしおにちりめんと菜の花漬けを混ぜ、ご飯にかけて試食。菜の花は、野に自生するものを採ってきて漬けました。まさに、海の幸から田畑、野の幸までつながった100%松前町産の手づくりの味です。続いて、ちりめん寿司の試食です。合わせ酢にちりめんを入れるので酢に出汁が効いて、ご飯に旨味が出ます。
枝元さんは「ご飯においしさがいっぱいつまっています。なんていい所に来たんだろう!」と感激。「ひしおづくりのとき、大豆をほうろくで炒るとゆっくり熱がかかり、石臼で挽くとやはり熱がたかまらないので、おいしさをそこないません。手間をかけてつくっていくひとつひとつが、おいしさを生み出して、本当にやさしい味です。どうしても残し伝えたい」と、応援メッセージを送られました。

ご飯においしさいっぱいつまっています、と枝元さん

ちりめん寿司

 お米1升分
  • 米 1升
  • しいたけ 50g
  • にんじん 200g
  • ごぼう 200g
  • きぬさや 100g
  • 卵 3個
  • 紅しょうが 50g
  • 昆布 15cm
  • だし汁 適量

    合わせ酢
  • ちりめん 100g
  • 酢 1合
  • 砂糖 200g
  • 塩 40g
  • 調味料 少々
  1. 米は洗い、昆布を入れて炊く。
  2. しいたけ、にんじん、ごぼうを千切りにし、だし汁の中に入れて甘めに煮る。
  3. きぬさやは塩ゆでして、千切りにし、(2)の具の中に入れる。
  4. 卵は薄焼きにして、千切りにしておく。
  5. 合わせ酢は、酢にちりめん、砂糖、塩を入れ、砂糖が溶けるくらいに沸かして、冷ましておく。
  6. 炊けたご飯に具を入れ、合わせ酢して混ぜる。
  7. お皿に盛り、卵の千切りと紅しょうがを上盛りしてでき上がり。

もっと楽しむ工夫のいろいろ

 ひしおもちりめんも、子どもたちがあまり好まない野菜や魚が、おいしく食べられ、食事バランスのとれた食卓を演出する「つなぎ役」。さらにいろいろな食べ方の工夫が広がりそうです。会場の男性の観客のおすすめは、豆腐にひしおとちりめんを乗せる食べ方。ひしおだけもおいしいとのこと。

 枝元さんは、やってみたい料理として、「ちりめんをかき揚げに入れて、パリッと揚がったうえにひしおを乗せる」「ちりめんとねぎの入ったちぢみ風に焼いて、ひしおをぬってくるくる巻いて食べる」の2つのアイディアを挙げられました。