Home >> 2005 食育実証研究発表会 報告集 >> 6  

研究課題名

中学生期における骨粗鬆症予防を目指した食育の効果の評価に関する研究

代表研究者 松本和興(まつもと かずおき) 聖徳大学大学院人間栄養学研究科教授
発表者 大内みどり(おおうち みどり) 新座市立第四中学校主任学校栄養職員

【目的】

成長期にある中学生男女の踵骨(しょうこつ)骨評価値(こつひょうかち)の測定と生活習慣および心理社会的要因に関するアンケート調査を行い、健康教育的介入前後の測定値と調査結果との関連性を検討し、介入効果を評価することを目的として本研究を行いました。中学生について生活習慣病予防を目指す場合、肥満や循環器系疾患などがありますが、本研究では、骨粗鬆症(こつそそうしょう)について行いました。

生徒の生活習慣改善を目指すために、身長や体重の他に自分の体を知るために、体脂肪測定や血圧測定なども考えられますが、体脂肪測定に関しましては、思春期の中学生に対して十分な配慮が必要であり、測定を拒否する生徒がいると考えられました。また、血圧測定につきましては時間がかかるので、授業を短縮して行っている身体測定の時間内に終了することができないと考えられました。

それに比べて、骨評価値については、あらかじめ準備をすれば短い時間で測定できること、さらに測定後に体育の授業や部活動などでの運動についての指導がしやすいこと、給食時間に栄養についての指導ができること、そして骨粗鬆症や骨密度という言葉を知っている、あるいは聞いたことがあるという生徒の実態にあっているのではないかということを、養護教諭や管理職、保健主事とも相談致しまして、時間のあまりかからない骨評価値を採用して、骨粗鬆症予防を目指した食育の効果を検討することにいたしました。

【方法】

『対象者』
介入校は埼玉県内市立中学校生徒520名(男子274名、女子246名)を対照校として、聖徳大学附属中学校1年生女子81名といたしました。踵骨(しょうこつ)骨評価値の測定は平成15年9月及び、平成16年1月、アロカ社製超音波骨評価装置AOS−100により行いました。

『介入方法』
骨評価値の測定の様子です。骨評価値測定は被験者の足の大きさに合わせまして、23から5センチと、25センチ以上の2種類の足置き台を交換して行いました。右足踵骨(しょうこつ)の超音波電波速度SOSという値ですが、これは骨密度指標として取り扱います。透過指標TI、これは、骨量指標となっていますが、これを測定いたしましてTI×(SOS)2の式により、骨の弾性や強度に関する値と考えられております、音響的骨評価値、OSIを算出いたしました。被験者名と性別、および生年月日をあらかじめコンピューターに入力をしておきます。実際の測定時間は、1名約10秒です。身長、体重、骨評価値の測定を行いまして、1クラス約40名を、約20分で測定を行いました。15クラスございますので、その分の測定を2日間で計画して、一時間の授業で2クラス分の測定を行いました。前半の20分で1クラス行って、後半20分で1クラスというスケジュールで、一日4時間の時間をいただき、8クラス分の測定をいたしました。欠席者につきましては、後日休み時間や放課後、その子だけを呼び出して測定をいたしました。

『アンケート調査』
食生活習慣8項目、食物摂取頻度16項目、運動・休養などの生活習慣7項目、健康状態12項目、健康及び健康管理意識10項目、心理社会的状態9項目、計62項目について調べました。それぞれの調査項目につきましては、選択肢を3項目用意しました。アンケート調査につきましては、平成15年9月の上旬と平成16年の1月の下旬の2回行いました。カテゴリーデータの集計データについては、「いいえ」、「ときどき」、「毎日」が0点、1点、2点とし、「そうではない」、「まあそうである」、「そうである」が0点、1点、2点として3段階に数値化をして処理をしました。順序尺度データとして取り扱いました。また、時間及び時刻の範囲表示は範囲の中央値を用いました。

介入期間は平成15年10月から12月の約3ヶ月間です。骨評価値測定結果につきましては、その測定値について子どもたちに返す際に、今後の望ましい生活習慣について記入してある個人票を作成して返却しました。また、給食委員会の活動として全校生徒に対して食生活に関する発表やポスター掲示を行いました。その他に、給食時間の学校放送を活用して、栄養クイズを週1回行い、全部で6回行いました。全問正解したクラスには、リクエスト給食の権利が獲得できるようにいたしました。他に、家庭科教諭と栄養士のティームティーチングですとか、あと「給食だより」、「保健だより」の中で特集の記事を組み、年間計画に基づいて行いました。

その他に、実践的な地産地消の取組みとして、学校給食ではできるだけ県産品を使い、あと地元の農家の直売所と契約をして、地場産の野菜を取り入れたりいたしました。あと、学校農園を活用して、給食委員会で野菜の栽培・収穫を行い、学校給食で使用して、全校生徒が実際に味わいました。

『給食委員会の活動』

これは給食委員会が生徒集会で発表している様子です。発表テーマは給食主任が委員長に知らせて、委員長と副委員長が中心になって委員会で話し合いました。委員全員が1クラス2人ずつ出てきますので、全部で30名参加することになります。全員参加の10分間の発表計画をいたしました。その内容はたくさんある食べ物がグループに分けられること。さらにそれが骨の成長と関係のある食べ物もいくつかあるよということ。その食べ物をイラストにして、そのイラストを見せながら説明をみんなにしていくということにしました。話すことが得意な子、イラストが得意な子、中にはやはりちょっとやりたくないんだけど、みんながんばってるから、じゃ自分もやるかという感じで、全員で協力してやることができました。それぞれいろんな個性がありますので、その個性がうまく出ていたかなと思います。発表当日は少し早く集まって練習して、本番に備えました。給食委員全員の熱意が伝わったようで、みんなとてもよく集中して聞いてくれました。ここで私が感じたことは、生徒が生徒に呼びかけて指導するという大切さを非常に強く感じましたし、大切だということです。

これは給食委員会の掲示板に、発表のときに使用したイラストを掲示いたしました。これが生徒の昇降口のちょうど目の前で、いっぺんに生徒の目に触れますので、目に触れるときに介入の指導ができるという形です。特等席をいただきまして、これも効果につながったかなと思います。このほかに、給食委員会には介入指導を少し担当してもらい、給食時間の学校放送を活用した週1回の栄養クイズを6回作成してもらいました。これについては、事前に各クラスの給食委員が生徒に対して栄養クイズがおこなわれるということをお知らせして、全問正解したクラスには給食がリクエストできるということを知らせておきました。

これは近隣農家の方にお借りした畑を学校農園に活用しているというスライドです。生徒が作物の栽培にかかわる時間というのは、実際は本当にありませんので、いいとこどりになってしまうんですが、実際管理をしてくれているのが用務員の方になります。収穫の喜びだけでも味わって欲しいという配慮から、給食委員が収穫を行いました。それを給食室までリアカーというか、荷車に乗せて運んでいる様子です。運びまして、それを調理員に手渡しをして調理をお願いしました。このときは大根の収穫で、その収穫した大根は薩摩汁として全校生徒で味わいました。この収穫の様子ですとか、調理の様子の方は、私の方からいつも提供して、給食インフォメーションということで、給食時間中の放送に全校生徒に知らせました。ここで作物が生長している様子、農園もちょうど校門の目の前ですので、生長している様子は子どもたちが目にすることができます。さらに自分たちの仲間が収穫している姿を他の生徒が見ているということもありましたので、食物に対する感謝の気持ちですとか、自分の体の成長についても多少関心を持つようになったではないかなという風に考えております。以上が、全校あげての食育の実践を主とした健康教育的介入です。もう少し詳しい「保健便り」ですとか、「給食便り」の資料につきましてはポスターセッションのほうに貼り出してありますので、後ほどごらん下さい。

『統計解析』
介入前後の骨評価指標SOS、TI、OSIと調査成績を集計しました。SPSS for Windows ver.11.5で解析をいたしました。解析対象者数は425名。在籍者数の81.7%で欠損データのありました95名につきましては解析対象からはずしました。

健康教育的介入によりまして、骨評価指標は介入前・介入後で全体として上がっております。男子ではTI・OSI、女子はSOSが有意に上がるという特徴を示しました。
これは男子の学年別です。1年生のTIにつきまして有意に増加しております。1年生のOSIと2年生のTI・OSIは増加傾向が見られました。女子はSOSについて有意に増加いたしまして、介入の改善効果が認められたと思います。

表3は、これは介入校と対照校の4ヶ月間における骨評価の変化です。介入校についてはSOSが有意に、1年生については若干増加しておりますが、対照校についてはほとんど変化がありませんでした。

『アンケート結果』
食欲不振および清涼飲料摂取頻度は、介入前・介入後を比較しますと、介入後有意に低い値を示しました。夕食間食、夕食規則的、注意すれば病気予防可能、起床時刻につきましては有意に高い値を示しました。次、他人と比べて活発になんですが、これは高値を示しまして、介入後の方が高値を示しておりまして、改善効果が認められました。これらの項目につきましては、対照校については有意な差が認められませんでした。介入校において、アンケート調査結果で効果が見られたことと、SOSで効果が見られたことは骨評価値測定について実際に触れて骨評価値を測定したことと、生徒が参加する指導方法が生徒の意識付けにつながったのではないか、それによって効果があったのではないかなというふうに考えました。

図1に介入前、図2に介入後の骨評価値Z値%というものの度数分布を示しました。この骨評価値Z値%とは、対照者の骨評価値と同年齢の骨評価値を比較した値で100を基準にしたものです。いずれも高値側に少し尾を引いていますが、正規分布を示しました。この後に示す表5と表6は、介入前の骨評価値Z値%中間群を外した低値群と、高値について比較して、低値群64名、高値群が89名について体位と食習慣および心理社会的要因を比較しました。

表5の体位については、低値群より高値群の方が高値を示しております。食習慣については、朝食摂取、朝は空腹感、夕食規則的、夕空腹感、イモ類摂取頻度についても、有意に高値群の方が高い値を示しております。清涼飲料摂取頻度とスナック菓子摂取頻度については、低値群と高値群を比較しますと、高値群の方が低い値を示しました。

表6につきましては、生活習慣、運動意識、健康状態、健康・健康管理意識、心理社会的要因の骨評価値Z値%の、低値群と高値群を比較した結果です。低値群より高値群ほど歯磨き頻度が多く、屋外運動が好きであり、朝の目覚めがよく、体丈夫感があり、年相応の体力があり、健康のために健康意識があり、計画を立てる前に即実行する、ちょっと短気であるとか、ちょっと自信がないというような解釈をこの表からすることが出来ます。今回のこの調査結果により、心理社会的要因が人物像を浮き彫りにし、身体活動となんらかの関係があるであろうと示唆されました。

これは介入後の骨評価値Z値%低値群51名と高値群76名についての食習慣、生活習慣および心理社会的要因について比較した結果です。低値群より高値群ほど清涼飲料とスナック菓子の摂取頻度は低く、年相応の体力があるというふうに低値群より高値群のほうが高値を示しているということは、介入前と同様の結果でした。「ながら食べ」につきましては、何かをしながら食事をする生徒は他人と比べて活発であり、休日ごろ寝はしなくて、体には自信があるというような結果で、これが骨評価値高値の要因に繋がったと思われます。休日ごろ寝をしている生徒というのは、低値群ほど高い値になっていて、これが身体活動を低下させている要因ではないかと考えられました。そして介入後の低値群において栄養意識が高くなっております。これは介入の効果の結果、低値群の栄養意識を高めたのではないかと思われました。低値群と高値群で有意な差の認められた項目が、介入前の、さきほどの表5の先ほどの11項目、表6では9項目ありまして、計20項目から介入後の8項目に減っており、介入により骨評価値Z値%低値群が意識を持って生活を送ったので、介入前において両群に差が見られた項目、例えば、この朝食摂取、朝空腹感、夕規則的、夕空腹感というところに差がなくなったのではないかと思われます。

表8は、これはOSIに影響を及ぼす要因について、重回帰分析を行った結果です。標準偏回帰係数の大きい順に見ますと、体重、性別、年齢、運動時間、「ながら食べ」、遅い起床、指導性については正の影響を、栄養意識については負の影響、疲労感、大豆類摂取頻度、寝不足、朝空腹感については正の影響、休日ごろ寝、麺類摂取頻度については負の影響、早い就寝については正の影響で、計15項目について影響があるということが分かりました。これまでの検討により、健康教育的介入前後のOSIの低下要因についてロジスティック回帰分析を用いて分析を行い、その要因の推定オッズを求めました。

男女全体について検討した結果です。標準偏回帰係数の絶対値の大きい順に見ますと、OSI低下要因として、最も影響を与えていたものは、性別であり、男子のほうがOSI低下要因であるという結果でした。このほかには、他人と比べて活発ではないこと、乳・乳製品摂取頻度が少ないこと、運動意識が低いこと、体重が軽いことが低下要因という結果でした。介入前については、この推定オッズ比が高い要因が見られませんでした。しかし、介入後につきましては、性別、休日ごろ寝、「ながら食べ」、乳・乳製品摂取頻度、清涼飲料摂取頻度、体重についてOSI低下要因となりました。推定オッズにつきましては、休日ごろ寝が3.018、清涼飲料摂取頻度について1.677を示しまして、これにより健康教育的介入の結果、休日ごろ寝と清涼飲料摂取頻度について介入が徹底したということがうかがえます。最後に、健康教育的介入の効果を評価するために、健康教育的介入によって、生活習慣等の変化が、介入前後のOSIの変化にどのように関連したかを調べてみました。

項目は全部で14項目です。食物に関わる項目が、野菜と大豆類摂取頻度になります。大豆類をよく食べるようになったことは、これは給食委員会で発表したときに、豆腐ですとか納豆が、カルシウムがたくさん入っている食品だよと紹介したことが、生徒の意識につながったのではないかと思っています。健康管理意識に関わる項目は、病気になるのは運によるものではなく、丈夫でも病気になることがある、健康状態は自己責任であること、体には自信があるが、注意していても病気になってしまうこともあるという結果になりました。健康に対する考え方が、介入によって変化して、OSIの変化にも影響を与えたものと考えられます。このことは骨の状態を数値で確認する測定器を使用して自分の骨を知ることができたということで、生徒自身が努力することにもつながり、それが成果になったこと。また、その反対も感じ取れた結果ではないかと思われます。歯磨き頻度がOSIを改善させていますが、これは日頃の健康管理意識と結びついていると考えられます。その他に他人と比べて活発であること、運動する時間があり、即行動すること、早く寝る子、さらにあまりしゃべりすぎることがなく、食欲があるということは、身体活動を高めることにつながり、その結果OSIの改善をもたらしたのではないかと思われます。これらの総合したグループ像がOSIを高めたと考えられます。

【結果】

1、健康教育的介入前後の骨評価3指標について、男女ではSOS、TIに若干の増加、OSIに有意な増加、男子ではTIとOSIに有意な増加、女子ではSOSに有意な増加が認められました。
2、中学生期のOSIに影響を及ぼす要因は、「体重」、「性別」、「年齢」、「運動時間」など計15項目でした。
3、OSI低下要因として、男女全体では「休日ごろ寝」が多い、「清涼飲料摂取頻度」が多いことがあげられました。
4、健康教育的介入によって、介入前後のOSIの変化に影響を及ぼした要因は食習慣、健康・健康管理意識、生活習慣、健康状態、運動習慣、心理社会的要因の計14項目でした。

【まとめ】

骨粗鬆症予防を目指した食育と、その効果の評価を行いました。日頃行っている栄養教育から骨粗鬆症予防という具体的な内容を目標として、学校全体の意識が高まるように取組み、その結果、短期間ではあったが、介入の効果が認められました。介入による骨評価値の増加には、食習慣、運動習慣のみならず、健康・健康管理意識、その他の生活習慣および心理社会的要因の影響が認められました。これは、生徒および職員が実際に骨評価装置を見て、触れて、測定を行い、平常意識することの出来ない生徒自身の骨の状態を確認することができ、生徒が生徒に呼びかけて指導する機会があったことが効果を高めたのではないかと思われます。また生きた教材となる学校給食でも、地域の食材を地域で食べるという地産地消の考え方を取り入れて、地域と学校が連携して食育を行ったことも、効果を高めたと考えられます。このことにより、食習慣、運動習慣の他、健康・健康管理意識、生活習慣および心理社会的な要因を含めた総合的な健康教育が、心と身体が大きく成長する多感な中学生期に必要であると考えられました。

【介入校の取組み】

介入校では、今年度県教育委員会の研究委嘱を受けまして、教育に関しての教育に関する3つの達成目標というものに取り組んでおります。学力、規律ある態度、体力の3分野に基本的な内容を、具体的な目標を設定して取り組みます。体力の分野では、体力向上と健康面から、朝食を食べよう、早寝早起きを目標としています。生活アンケートの結果では、朝食欠食者が27%、約130人の生徒が給食を食べないで、登校する日があるという実態です。これを20%に押さえることを目標とします。夏休み前には、給食委員が朝食を食べようという内容で発表し、全校へ呼びかけました。2学期からは、フレッシュモーニングキャンペーンというものを貼りまして、生徒参加型でまた「ごほうび付きのキャンペーン」を企画しているところです。

3つの達成目標を掲げたこの取組みは、体力向上だけではなく、知・徳・体の3つの観点から生徒の生きる力を育む教育を推進して、家庭、地域、学校が積極的に協力しながら生徒の一年間の成長の効果を評価します。これも短期間なので、目覚ましい効果が期待できないかもしれませんが、学校全体で生徒の健やかな成長を目指し、生徒が体験をして、学んで、身につける効果を期待出来るのではないかと考えています。今後も、このような食育も含めた総合的な継続した指導は、地域、家庭及び、学校が連携して行うことが必要であると考えております。

座長坂本:ありがとうございました。今、中学生の食事状態は、非常にまずい状態だと思われます。成長過程の中の中学生が一番問題なのは、重度肥満が増えたこと、それから痩せが増えてきて、女の子の痩せが非常に増えてきているというようなことも問題になっておりまして、それから食事の内容を見ましても、中学生が今一番悪い状態だと思うんですね。そういうところに焦点を当てられて骨を測定するということを、導入部分として教育が展開されてきたプログラムだと思いますが、どなたかご質問ございませんか?これにはいろいろなご質問がおありだろうと・・・どうぞ

質問:二つほどお尋ねします。男女の差が、確か表であると、それと痩せているか、太っているかでも差が体重ですね、どういう傾向があるのか?やせている子どもに多いのか、骨密度が低い子どもに多いのか、そのへん、あと性別でどう違うのか、もうちょっと教えていただけますか?それがひとつと、現実の今の状況がですね、骨密度を測定した状態が骨粗鬆症予防という意味で、危ない状態になっている子どもがいるのかどうか、まだ大丈夫で予備軍ぐらいなのか、そのへんをうかがいたいと思います。

大内:はい、男女差ということと、体重ということで、今回は女の子のほうが非常にこの骨密度というか、骨評価値は高いという結果が出ました。これは男女の成長期の差もちょっと考えられるのかなと思います。ちょっと女の子のほうが早くて、男の子のほうがちょっと遅いというようなこともありますので、そういう傾向がみられるのかなと感じました。やはり、体重が重い女の子は校内でトップの骨評価価値がでまして、その子の食生活をみますと、決していいとはいえなかったので、ちょっと困ったのですが、女の子でしかも体重が重い子は骨評価値が非常に高いということがでました。もう1点が、予備軍なのか、危険な状態なのかというところなんですが、これは、やはり成長期ですので、あなたすごく危ないわよ、病気になっちゃうわよという言い方はできないというふうに考えましたし、そうではないと思いますので、これについては学校保健委員会でも発表させていただきました。あくまでも、低い子と高い子を比べたアンケート結果でしたので、低い子と高い子でどういうふうに差があるかというところを見たということで、今の時点では予備軍と解釈していただいていいと思います。まだまだこれから伸びるのでこれからの食生活、食習慣を直していく、見つめなおしていくことで、いくらでも改善ができるというふうに指導をさせていただきました。

坂本:よろしいございますか?この骨評価をする機械というのは、高い機械ですか?

大内:聖徳大学のをお借りしました。

坂本:そうですか。そうしますと、これを日常の学校生活の中で、健康管理上使うということは不可能なんですね。

大内:そのへんで、平成15年度、16年度でやりまして、さらにもう1度、昨年16年度はやはり聖徳大からお借りしてもう一度調査をしました。やはりこれは大学のものをお借りしてますので、ぜひ市に一台欲しいなと、要望をしたり、地域の大学で一台持っているところがあるので、そういうところからお借りしてというようなことは可能です。

坂本:食育を行うのに、動機付けとしてこちらの先生は骨の測定をやっておられるんですね。その大学からお借りして、おやりになっているという、いわゆる研究目的で、骨測定を動機づけとして子どもたちに印象を与えて、こういうことだからあなたもっと食事をどうしなきゃいけないという食事の導入に使われたと思うんですよ。そうするとこういう機械がある学校でなければ、それがやれないという問題があって、しかも3ヶ月間の期間で、有意にこれがあがったかというと、どうもそうでないらしい。指標によっては有意にあがっているところもあるというようなことを考えますと、必ずしも骨でなくても、他のインディケーターでも十分にやれるのではありませんか。例えば、貧血の測定は、これは学校保健法で決まっておりますので、各学校の子どもたちは血液のヘモグロビンの測定はやっているはずです。で、それが中学生に多いわけですから、その指標を使うことでも、導入になるだろうと思うんですね。

それから三ヶ月でこれだけだといわれたときに、この骨の問題に限っていいますと、このときの食育の内容が骨を強化するものであったのかどうか、これを見てみますと、三ヶ月間学校放送であるとか、給食委員会のときにお話をするだとか、家庭科の先生と栄養の職員が提携でやるとか、これは日常やらなければいけない業務であるわけなんですね。ですから、これでどれくらい骨が補強されたか、つまりその子供たちに刺激を与えるんだったら必ずしもこういうプログラムでなくてももっと容易にやれるだろうし、骨を測らなくて毎日こういう教育をやっていたら、もしかするとこれくらい意識が変わるかもしれないじゃないか。というもの、これにコントロールがないんですよね。それで、研究・課題としておやりになるのは大変格好なプログラムではないかと思いますが、日常の学校の中で、この教育をやったときに、子どもたちの意識がどう変わるかということだけでも効果があるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょう?

大内:はい、先生のおっしゃることはごもっともです。公立学校ですので、コントロールは聖徳大学付属中学校の1年生の女の子81名でだけでしたので、成長期だし、骨が増える時期なのでこの時期が適当か、ということもあると思います。またそのへんは養護教諭とも相談というか協力をして、できることで本当は導入できるとよかったんですが、なかなかそういう機会がなかったので、たまたま骨を測ることで、導入にならないかなということで、提案をしたような形になりました。大きな機械ですし、非常に目立ちますので、先生方の意識も非常に集中したというようなところもあります。日頃行っていることがどれくらい効果があるのかなというところを見たかったということも、正直な気持ちなんですね。たまたま数字で出るものがありましたので、それをちょっと活用しまして、統計処理等も先生のほうにご指導いただいて、このような結果が出たということで、これで終わりではなくて、これからも学校の中で続けていける内容を考えていきたいと思っています。


▲ページトップ  ←前の発表報告  →次の発表報告