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研究課題名

外食事業者の食育ニーズの解明と食育モデルの提案

―子ども用外食メニューを題材として―
報告者(代表者) 酒井 治子 山梨県立女子短期大学生活科学科※
(※平成16年度より東京家政学院大学院へ異動)

  氏 名 所属機関
共同研究者 清水みゆき 日本大学生物資源科学部食品経済学科助教授
高橋千恵子 国際学院埼玉短期大学助教授
酒井純 社団法人食品需給研究センター主任研究員
清水亜紀 共立女子短期大学生活科学科

 家庭での食事に対して外食は、「作り手の愛情が伝わらない」「栄養が偏っている」など、子どもの食事としてはネガティブに認識されることが多かった。しかし、私たちの食生活において外食を切り離して考えることはできず、子どもにとっての外食の影響力は無視できない。この外食が占める位置付けから考えると、その善し悪しは別として「食育」の機会として外食をいかすことができるとすれば、その成果にも大きく期待できると考えられる。
 そこで我々のグループでは、まず、1)ヒアリングおよびアンケートにより、外食事業者における食育に対する認識や取り組みの現状を把握した。さらに、2)チェーン展開するファーストフード店におけるトレイマットを用いた食材等の情報提供、3)和食の個人レストランにおける「箸を使って和食を食べきる講座」の開設を企画した。

 1)アンケートの結果によれば、約7割が食育について関心を示し、これまでよりも子どもへの食育に力を入れるべきと認識していた。食育の場として、家庭の食事におけるしつけや、家庭での食事づくりの手伝いなど、家庭での役割を重視すべきとの意見が多かった。また、学校教育やマスコミからの食情報吸収よりも、農業・漁業の体験・見学など、体験的な学習を支持する意見が多かった。子どもの食育における家庭の役割が低下していると危機感を抱く意見が多く寄せられた。しかし、食育を意識した企画を実施したことがあるのは約1割にとどまる。
今後の取り組みとして積極的に検討できることとしては、約半数が「料理の栄養成分の情報提供」や「食材の産地や生産履歴の情報提供」「料理の組み合わせ」の提案を挙げた。地域の保健所・教育機関等との取り組みが期待されるが、「料理教室の開催」「保育園や学校への講師の派遣」「お店を教育の場として提供」といった、通常の営業を超えるような取り組みについては、消極的な態度にとどまった。

 2)については、折しも食肉に関する問題が多発したことからしばらく据え置きの状態であるが、状況次第で課題を続行することになっている。

 3)については、小学生を対象に箸で食べる魚とご飯をメインにしたメニューを検討中で、箸で和食(日本産の食材)を食べることを通じて、ナイフ、フォークで食べやすい食材との違いを通じて箸を使うことと国産食材との関係に対する意識の変化をデータ化する予定である。

 以上のように、今年度の研究では、外食事業者の食育ニーズにアプローチできた。この成果を、本プロジェクトの最終的な課題である、外食の食育プログラムの開発・試行につなげたい。

※本研究に関する発表予定
  • 確定しましたら掲載いたします。

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