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研究課題名

ライフステージ別食育の実践方法

―特に小学生に対する食育における他の教育活動との連携について―
報告者(代表者) 藤澤 由美子 和洋女子大学

  氏 名 所属機関
共同研究者 石井荘子 和洋女子大学
杉浦令子 和洋女子大学

 生活習慣病予防対策は若年期から実施されることが重要であり、危険因子の健康診断と食生活教育による健康管理が同時に遂行されることが望ましい。成長期の子どもたち、幼児・児童・生徒に対する食育は、それぞれの発達段階に即した内容を継続的に実施することが効果的であると考えられる。私たちは東京近郊のY市の幼児・小学生・中学生の健診事業に協力して食生活指導を行っているが、健診の結果と食生活調査結果から生活習慣病発症危険因子の発現状況と食生活の関連を検討し、問題点に即した食育をすることを研究の目的とした。特に小学校において週休2日制が導入されてから様々な学校行事に変化が生じており、食育単独での介入は困難な状況にある。そこで、学校の他の教育活動との連携をとりながら効果的な食育を実施することを試みた。

 生活習慣病予防対策の健康診断対象は小学校4年生である。今年度の当該小学生は10校296名である。健康診断は平成15年7月に実施され、身長、体重(肥満度)、血圧測定の他、採血を行い生化学的検査を行った。生化学的検査は、総コレステロール(TC)、HDLコレステロール(HDL-C)等で、それらの値から動脈硬化指数を算出した。この診断の結果と食生活状況調査結果をあわせて現状を探り、問題点を分析し、児童個人別に食生活アドバイス票を作成した。小学校4年生に理解できる内容を考え、表現にも注意し作成した。小学生に対しては平成6年度から定期的に生活習慣病予防対策の検診が実施されており、その横断的な経年変化などからも、肥満の出現率が高いことがわかっている。また、食べ方では肥満と非肥満では差が少ないものの、野菜の摂取量は低く、朝食の欠食率も全国平均に比べると高めである。

 このような分析結果から、これらの状況に応じた掲示媒体を作成した。「子どもけんこうつうしん」として、「食のバランスチェックシート」、「あさごはんパズル」、「じょうずにおやつを食べているかな?」、「果物となかよくなろう」、「野菜をたくさん食べよう!」を作成し対象者の学校に配布した。小学生が身近に食の問題に取り組めるように、パズル形式やゲーム形式にして工夫した。配布後、養護教諭に対してアンケートを実施し、掲示媒体のテーマや内容、表現、児童の反応等について評価を行ったが、概ね良好であった。

 更に、平成15年11月に対象校1校で4年生に対して、生活習慣病予防健診の意義とバランスのとれた食事の重要性について保健科の授業支援をした。学校教育においては教諭による教育だけでなく、家庭、地域との連携や他領域の人との交流も推奨されている。児童が自発的に考え、体験的に学んでいくことが大切な食育において、若い世代の大学生との交流もお互いに重要であると思われる。学生独自のアイデアを生かし、子どもたちが楽しく学びながら、実践力が身につくようなカリキュラムを考え、授業を行った。児童の理解度をみるクイズや感想などから、ほぼ授業の目的は達成できたと考えられる。活動のしめくくりとして、児童に対する食育に加え、保護者に対しても健診や調査への理解を深める目的で、今年度の調査結果から問題点と、その解決策を「子どもけんこうつうしん家庭版」として発行した。養護教諭会と連絡をとりつつ、今後の対応も検討中である。

 本研究は同地区における幼児・小学生・中学生とのライフステージ別の子どもの健診と食育を一貫して継続することに独自性がある。幼児に対しては既に19年間継続して活動が実施されており、健診の結果をもとに標準値の見直しを支援する論文を投稿中である。中学生に対しても個人指導、授業、媒体作成を通じての食育を実施し、評価を得た。

※本研究に関する発表予定
  • 確定しましたら掲載いたします。

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