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研究課題名

栄養・健康表示の社会的ニーズの解明と食育実践への活用に関する研究

研究代表者 池上 幸江 大妻女子大学家政学部食物学科教授

  氏 名 所属機関
共同研究者 倉田 澄子 東京家政学院大学
清水 俊雄 フレスコジャパン
山田 和彦 (独)国立健康・栄養研究所
由田 克士 (独)国立健康・栄養研究所
和田 政裕 城西大学
研究協力者 池本 真二 お茶の水女子大学
藤澤 由美子 和洋女子大学

 現在わが国では食品に対する栄養・健康表示の整備が進んでいる。栄養・健康表示は国民が食品選択においてもっとも利用しやすい情報である。本研究はこれらの表示が国民に適切に理解され、食生活の改善や維持において利用されている実態を調査することによって、問題点を明らかにし、今後の表示のあり方に対する意見をまとめることを目的とした。

 調査は2000余名の多様な対象者に対して、食品に対する栄養表示、保健機能食品への理解・利用・期待、健康食品への理解・利用・期待・入手情報などの20項目からなるアンケートを実施した。また、栄養・健康表示についての国際的な動向についても調査した。両調査に基づいて、研究参加者の討論を行い、わが国の制度に対する提言をまとめた。

 調査対象者は女性77.4%、男性22.6%と女性の割合が高く、男女とも学生の比率が高いが、70歳以上の高齢者や栄養士、大学教員、行政官なども含まれる。

 我々は4年前に小規模な栄養表示を中心とした調査を行ったが、それとの比較からみると、栄養成分表示は国民の間に認められてきていることが明らかとなった。対象者は健康の保持・増進に栄養表示を利用している割合が高いが、現状の表示内容では不十分であることも指摘された。食事摂取基準に対する割合、ビタミンやミネラルなどの表示が必要であると思われる。他方、現在の表示が加工食品に限られていることから、生鮮食品や外食などの栄養表示が今後の課題と思われる。

 保健機能食品は広く認知されており、とくに特定保健用食品の認知は50%を越えている。利用度も高く、また利用の理由も保健の用途への期待である。病気の予防などの表示範囲を超える期待はないことから、適正に利用されているものと思われる。しかし、アンケート結果からは企業の宣伝の影響を強く受けている実態もみられ、企業はより詳細な情報提供をしていくことが望まれる。

 いわゆる健康食品についても薬とは異なる効果を期待し、過去も含めて利用したことがあるとする対象者は半数に及んでいる。その情報はテレビ番組やCMが最も多く、今後こうした情報提供における専門家の責任が痛感された。また、国民が適切な食生活を営み、栄養・健康表示をされた食品を適切に利用するための知識や情報の普及に果たす専門家の役割が大きいと思われた。

 以上の結果から、栄養・健康表示を食育ツールとして利用していくための改善の方向性や問題点が明らかにされたものと考える。


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