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研究課題名

環境に配慮した食生活を実践する力を育成する食育プログラムの開発

研究代表者 高木 直 山形大学教育学部教授

  氏 名 所属機関
共同研究者 菅野 芳秀 レインボープラン推進協議会
真壁 弘美 山形大学教育学部附属小学校
布施 純子 山形大学教育学部附属小学校
大森 桂 山形大学教育学部
研究協力者 佐藤 篤子 山形市立鈴川小学校
遠藤 早百合 村山市立楯岡小学校

 山形県長井市では、約8年前から各家庭より回収された生ゴミを利用して堆肥を作成し、その堆肥を投入して減農薬の農産物を栽培し、その農産物を学校給食に利用したり一般家庭に販売する「台所と農業をつなぐ長井計画(レインボープラン)」を展開している。本プランは県内において先駆的な取り組みであるものの、これまで長井市の子どもの環境問題や食に対する意識の実態調査は行われていない。長井市に限らず、生ゴミを有効活用した資源循環型システムは、近年全国各地で実施されており、これらのシステムの継続・発展には、次世代を担う子どもたちの資源循環型社会の一員としての意識を涵養し、環境に配慮した食生活を実践する力を育成する食育プログラムの開発・実践が重要な課題と考えられる。そこで、本研究は、長井市及び県内のその他の地域の児童の環境問題に対する意識や行動の実態並びにそれらの相互関連性を明らかにし、児童が環境に配慮した意識を持ち、行動できるようになるには学校、家庭、また地域でどのように取り組むべきなのかを探ることを目的とし、調査および授業実践を行った。

 調査の結果、環境問題に対して興味の高い児童や学習経験のある児童は、環境に配慮した行動をすることが出来る傾向にあった。また、家庭で環境問題について話す児童は、環境に配慮した行動が出来る傾向にあった。イメージマップ中に書かれた言葉のつながりから、児童は生ごみが資源として循環することを理解しているかを分析した結果、野菜作りを経験したことのある児童や環境問題について学習したことのある児童は、資源循環理解度が高い傾向にあった。さらに、理解度の高い児童に比べて理解度の低い児童には、生ごみの分別についての知識がない者や分別していない者が多いという傾向がみられた。これらの結果をふまえ、レインボープランを実施していない山形市内の小学校においてゲストティーチャーによる授業実践を行った。事後調査の結果、土を通して資源や生命が循環しているという意識が児童に芽生え、自然環境保護の重要性を認識し、山形市でも資源循環システムを実施したいという意欲の高まりが見られた。

 以上のことから、児童が環境に配慮した食生活を実践する力を身につけるためには、学校教育において野菜作り等の体験的学習や関係者との交流学習をさらに活発に行うことにより、児童の資源循環に対する意識を喚起し、同時に家庭へも働きかけることが重要であることが示唆された。


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