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研究課題名

中学生期における骨粗鬆症予防を目指した食育の効果の評価に関する研究

研究代表者 松本 和興 聖徳大学人文学部生活文化学科教授

  氏 名 所属機関
共同研究者 大内 みどり 新座市立第四中学校
宮崎 富喜子 聖徳大学附属中学・高等学校
青地 克頼 東京栄養食糧専門学校

 中学生期は、心の面で多感で自立心が旺盛であるために食生活が乱れやすく、一旦その乱れた食生活は青年期から成人期にかけて是正することは極めて困難である。そこで、この時期に効果的な「食育」を促進することは極めて重要であると考えられる。それゆえ、骨の伸長する中学生期にある彼らに理解しやすい「骨粗鬆症予防を目指した食育」を、学校保健委員会において栄養士が中心になり養護教諭、保健科教諭等の協力を得、4ヶ月間の期間の前後で2回の骨評価測定を実施して学校ぐるみで実践介入を試み、その食育の効果の評価を試みた。 調査対象として、食育を実践する埼玉県に所在する公立中学校生徒約520名を、対照校として千葉県に所在する大学付属中学・高等学校の生徒約600名中、中学1年生〜2年生生徒約170名を用いた。アロカ社製骨評価測定装置AOS-100を用い、超音波音速SOS、透過指標TI、音響的骨評価値OSIを測定した。食生活と健康に関するアンケートにより、食物摂取頻度16項目、食生活習慣8項目、他、計62項目について調べた。また、3日間の簡易型食物摂取量調査により、栄養素摂取量12項目計62項目について調べた。また、3日間の簡易型食物摂取量調査により、栄養素摂取量12項目と食品群別摂取量18項目を算出した。運動量と活動時間はライフコーダにより測定した。統計解析は、食育介入4ヶ月前後における骨評価値SOS、TI、OSIの差異にt検定を行い、食育実践校と非実践校の間で比較した。また、骨評価の増加に影響を与える要因を求めるために重回帰分析を適用した。またロジスティック回帰分析を適用して骨評価低下の要因を分析し、その要因の推定オッズ比を求めた。その結果、(1)健康教育的介入前後の骨評価3指標について男女全体ではSOS、TIに若干の増加、OSIに有意な増加、男子ではTIとOSIに有意な増加、女子ではSOSに有など、計15項目であった。@OSI低下要因として男女全体では「休日ごろ寝」が多い、「清涼飲料摂取頻度」が多いことがあげられた。C健康教育的介入によって介入前後のOSIの変化に影響を及ぼした要因は、食習慣、健康・健康管理意識、生活習慣、健康状態、運動習慣、心理社会的要因の計14項目であった。これより、食習慣、運動習慣のほか、健康・健康管理意識、生活習慣および心理社会的要因を含めた総合的な健康教育が、心と身体の大きく成長する多感な中学生期に必要であると考えられた。


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