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喜多方市小学校農業科推進事業

喜多方市小学校農業科推進協議会

(福島県喜多方市・堂島小学校)

2007/11/23
喜多方市にて「小学校農業科シンポジウム」が開催されました(喜多方市・喜多方プラザ小ホール)

 まず、白井市長が、喜多方市に縁の深い中江藤樹の「知行合一」が身についた子どもを農業科で育てよう、と挨拶。その後、平成19年度の実施校3校の発表、基調講演、パネルディスカッションがありました。

■第1部 農業科実施校の子どもたちの発表 

 堂島小学校、熊倉小学校、熱塩小学校の3校で農業科を実施。

 堂島小では、たてわり班6グループで種まきからの育苗、田植え、「ころがし」(除草機)を押しての除草、収穫、脱穀までを体験した。活動には祖父協力員や会津農林高校の生徒が協力。6年生が1年生に田植えのしかたを教えるといったように、稲作体験を通して、上級生と下級生とのかかわりも深まっている。

 熊倉小では5・6年生が稲作をしたほか、各学年で課題を設定し、畑で野菜づくりに取り組んだ。たとえば、5年生は、会津農林の先生や生徒の指導を受けながら、カレーの材料を自分で育てようと、ジャガイモ、トウモロコシ、カボチャ、ニンジンを栽培。ここでも、児童のおばあちゃんや隣の畑のおじさんなど、地域の人が活動を支えている。

 熱塩小では、元農協営農指導員の小林芳正さんの指導を受けながら、無農薬で稲と野菜を育てた。しかし、稲はいもち病にやられてほとんど稔らず。小林さんには、「米は農家がつくるのではなく、稲がつくる」「農業はいのちの産業」であることを教えていただいた。耶麻農業高校の生徒にも指導を受けた。
 また、修学旅行で会津を訪ねてきた宮城県の気仙沼市立階上小学校とも交流。農業科について発表し、自分たちが育てた無農薬のや野菜をつかった調理実習も行なった。

■第2部 中村桂子さん(JT生命誌研究館館長)の基調講演「喜多方市小学校農業科に思うこと」

 日本経済新聞の記事で「小学校で英語ではなく、農業を必修に」という意味のことを書いたのだが、まさか、喜多方市のように本当にやるところはないだろうと思っていた。
 英語を必修にしようというのは、グローバリゼーションのなかで、英語でディベートできる能力を高めようという考え方だ。しかし、いま必要なのは言葉で言い負かすこと(ディベート)よりも、対話(ダイアログ)することではないか。そもそも、グローバリゼーションとは、惑星としての地球=アースではなくて、“人の住む”地球=グローブという意味でのグローブ化、すなわち、生き物を含めた地球上のみんなが上手に暮らすようにすることであり、経済学者が考えるようにアメリカナイズすることではない。

 20世紀は利便性をなにより大事にした時代だった。これからは「手が抜けないこと」「思い通りにならない」ことの意味をみつめる必要がある。農業を通して作物に向き合うことはまさしく思い通りにならず、手を抜けないものであり、それこそが生き物からものを見るということなのだ。平安時代の小説にある『虫愛づる姫君』は、本当の生きる力は美しい蝶ではなく毛虫にあることを見抜いていた。時間をかけてゆっくり見たから、本質がわかった。小学校で農業を学ぶのは、子どもたちに自然を「愛づる」気持ちをもたせることが、大きなネライだと思う。

■第3部 パネルディスカッション「喜多方市小学校農業科に期待すること」

コーディネーター 中村桂子
パネラー 丹藤勉(喜多方市立堂島小学校校長)
     久保田忠雄(福島県立耶麻農業高等学校)
     簗取初夫(JA会津いいで喜多方地方統括部長兼岩月支所長)

 討論のなかでは、農業に詳しい教員が少ないなかで、現在作成中の副読本を含めて、地域や農業高校のサポート体制をどうしていくか。また、実践を通してつかんだことをどうフィードバックし、共有していくか。1年目は比較的地域のサポート体制が整った学校で行なってきたが、今後新しく取り組む学校ではとくにこうしたことが重要になると指摘された。
 また、育てて食べるだけでなく、生物として作物をとらえたり、とれすぎた作物を販売したり、地域の人へのサービスにかかわるなど、農業科をコアとして理科、社会科など幅広い教科に広げていく必要性も話題となった。


2007/10/09
秋晴れの日に小学生と農業高校生が脱穀交流会を開催!

 いまや全国から注目を集める、福島県喜多方市の「農業科」。農業を小学校の教科として必修化する試みで、構造改革特区として今年度から市内三校でスタートしています。実施校のひとつである堂島小学校にて、会津農林高校の生徒も参加しての脱穀交流会を行ないました。

 昔ながらの足踏み脱穀機や唐箕など懐かしい農機具が校庭に置かれて、子どもたちも興味津々。「何十年かぶりかでさわったよ。子どもの頃は学校から帰ってくると、よく親に手伝わされたもんだ。学校で体験したからか、うちの孫も今年の稲刈りは『コンバイン』に乗ってみたいといいだしたよ」と農業科支援員を務める地元農家。六年生の女の子に聞いてみると、「この間手伝いました。刈ったあとのイネをお母さんのところに持っていって干す作業でした」と、さすが稲作体験をはじめて21年目という堂島小学校の子どもたちです。

 ジャージ姿の先生も「いやーやってみないと分からないですね。足踏み脱穀は軽く踏んでいるようにみえるけど、重いですよ」と、額に汗を流していました。体験することで素直に感激する大人の姿もいいものです。