2007/12/26
郷土料理教室・セミナー を2地域(見前・釜石)で同時開催!
(見前地区公民館/釜石市立砂子畑集会所)
岩手県の沿岸地域にある釜石市栗林地区では、釜石の根浜海岸にある宝来館の女将、岩崎さんの協力のもと、地元の若いお母さんと幼稚園から小学生の子どもたちを対象にした郷土料理教室・セミナーが開催されました。料理の先生は、釜石・大槌農水産加工組合代表の小笠原静子さん、宝来館から中村サツさん、佐々木絹子さんの3人。
この日は酒かすと鮭のマッチングが食欲をそそる「鮭のかす汁(※)」、お米の他に押し麦、もちきびなど雑穀を加えた郷土料理である「三穀飯」、釜石で取れるいかを使用して昔から地元で食べられてきた「いかの酢漬け」を作りました。子供たちは慣れない手つきながらも、材料の皮を剥いたり、切ったり、煮たりと3人の先生に教えてもらいながら一生懸命作っていました。
できあがった後、子供たちはおいしいと夢中になって作った料理を試食。食べながら、小笠原さん、佐々木さん、中村さんから作った料理の説明がありました。そして食べ終わった後に小笠原さんから郷土料理を伝えることについて「栄養バランスを考えて、昔からある地元の食材を使って料理をして、それを伝えていくことは地域の文化を残す意味でとても大切です」との話がありました。どちらのお話も子供たちは真剣な顔で聞いていました。最後はみんなで後片付け。参加したお母さん、子供たちからは「とてもおいしかった!」「郷土料理がこんなにおいしく食べれるなんて知らなかった。他にも知りたい。」など、大盛況な料理教室でした。
(※)鮭のかす汁(沿岸)〜寒い冬に体の芯まで温まる鮭と酒かすの汁〜
岩手県の沿岸には8月初旬から1月下旬までの間にたくさんの鮭が回遊してくるが、海でとったものと、川へのぼってきてからとったものとではその姿が違います。産卵期になり川へのぼってきた鮭は海のものと違って、淡白で脂肪分が少ない。この川の鮭は脂肪分が少ないため保存に向いているので、多くは塩引き(新巻)にします。
この塩引きした鮭ができる時期と、地元の蔵元が新酒を出す時期とが重なり、酒かすを入れることで体の芯まで温まる汁物になります。しかし、子供や酒に酔いやすい人たちは、塩味だけにする場合もあります。
●材料・分量(4人分)
- 酒かす…60g
- 水…5カップ
- 塩…少々
- 塩鮭…150g
- 大根…150g
- にんじん…50g
- しめじ…50g
- ねぎ…1/2本(約50g)
●作り方
- 酒かすは少々の湯で溶かしておく。
- 鍋に水5カップを入れて火にかけ、沸騰したら切り身の塩鮭を入れて約15分煮る。
- 大根、にんじんをいちょう切りにしてゆがいて、しめじと一緒にAに入れる。
- 味をみながら塩を好みで入れる。
- 仕上げに(1)の酒かすを入れて、ひと煮立ちする。
- 最後にねぎを入れる。
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鮭のかす汁 |
一方、見前地区では、地元の料理教室である「だんごの会」の会員を対象とした郷土料理教室・セミナーを開催しました。料理の先生は、料理研究家の梅津末子さん。献立は、「三穀飯」、「ひっつみ」(ひっつまんで作ることから、その名が付いたと言われる岩手県各地で食べられている郷土料理)、季節の鮭を使った「鮭の南蛮風味漬け」、そして「がんづき」(丸い蒸しケーキにくるみ、ごまをあしらえたのが、満月を背景に群れをなして雁が飛んでいるように見えることからその名がついた)の4品です。参加者は、料理教室の会員なので、調理の手際はお見事!でも意外や意外。「ひっつみ」をつくったことがない人が結構いるのです。
食後は、梅津さんから郷土料理を伝える大切さを中心に、食の大切さと重要性を「食事バランスガイド」や成分表を用いての講義がありました。また「今の時代、どこからでもどんなものでも手に入ってくる時代なだけに、体を考えない食事になっている。満腹になれば良いだけではない。だからこそ食育を考える時だ」という話に、「子どもや孫たちと一緒になって料理をして、伝えるのが一番だと思う」「近所づきあいから教えられることも多い」「料理教室などの機会に親子で参加していきたい」といった意見や、「若い世代には郷土料理は物足りないようだ」「郷土の食材が都心に流れ地元で手に入りづらいのが問題」といった課題も出されました。
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