八列とうもろこし(はちれつとうもろこし)

啄木の「玉蜀黍の焼くるにほい」はこれ――北海道空中南部・十勝中西部

農家で自家採種されている八列とうもろこし。市販されているスイートコーンに比べて穂が長く、実も大きく、硬い。粒の列が八列であるのが特徴。

調査地:北海道空知中南部及び十勝中西部
産地:三笠市、岩見沢市など空知中南部及び芽室町、清水町などの十勝中西部
生産面積
三笠市、岩見沢市など空知南部で約5ha
芽室町、清水町などの十勝中西部で約1ha
生産量は33tくらいと推察される。
生産者:約30軒
流通・購入ガイド
  • 収穫してから2日で硬くなってしまうため、直売所でなければ生食用として流通できない。このため直売所もしくはイベントでの販売が主である。
  • 乾燥したものは製粉して利用されている。
    入手先に関するお問い合わせ
  • 道の駅 三笠 北海道三笠市岡山1056-1(国道12号沿い)
    TEL 01267-2-5775 (販売時期は7月下旬〜9月下旬)
  • 森田農場 北海道上川郡清水町羽帯南2線106
    TEL 01566-3-2789 FAX 01566-3-2756
    http://www.azukilife.com/
    調査内容のお問い合わせ
    北海道スローフード・フレンズ帯広
    味の箱船部会リーダー 森田里絵
    〒089-0356 北海道上川郡清水町羽帯南2線106
    TEL 01566-3-2789 FAX 01566-3-2756

  • 魅力、利用、継承

    硬粒種のとうもろこしは乾燥させると実が硬くなり貯蔵性に富む。昔はこのように農家の軒下に吊るして保管するのが風物詩であった。

     石川啄木が「しんとして幅廣き街の 秋の夜の 玉蜀黍の焼くるにほいよ」と謳ったのは、「昔とうきび」の「八列とうもろこし」のこと。これは、明治中ごろ札幌農学校教師のアーサー・A・ブリガムが米国から導入した「ロングフェロー」や、「札幌八行」を中心した硬粒の品種群で、「八列」というのは、実が8列に並んでいるから。

     甘味が少ないので、醤油をつけて焼いて、独特の香ばしい香りを楽しみながら食べる。札幌秋の風物詩を育てた品種であり、また、開拓時代には、粉を粥にして冬場をしのいだ。
    5月中旬に播いて、8月中旬から9月下旬に収穫する。採ったあと硬くなるのが早いので、直売所やイベントでの限定販売となる。

     タネは農家で自家採種されてきたが、とうもろこしは5世代で弱くなるので、タネの交換による強度維持が必要である。最近このタネを扱う種苗会社も出てきている。