たかきび

へっちょこだんごで祝い労う――岩手県県北

調査地:岩手県北部(二戸市)、県央(滝沢村)
産地:岩手県二戸市、滝沢村、大東町
生産量:約4000kg(二戸市)、212kg(滝沢村)
生産者:37名(二戸市)、9名(滝沢村)
流通・購入ガイド
  • たかきびを用いて作った「へっちょこだんご」は、地域の産直や雑穀茶屋などで食べることができる。そのほかに、地元直売所や通販で、全国各地に販売している(二戸市)。
  • JAの窓口で販売している他、滝沢村と東京都練馬区の学校給食センター、滝沢村の保育園、奈良・東京などの米穀店にも納入している(滝沢村)。
    入手先に関するお問い合わせ
  • 北岩手古代雑穀 高村英世
    〒028-6104 岩手県二戸市米沢字荒谷70
    TEL&FAX 0195-23-6591
    調査内容のお問い合わせ
    岩手食文化研究会
    〒020-0022 岩手県盛岡市大通2-7-18 有限会社ティーシーアイ内
    FAX 019-653-7740 info@iwate-syokubunka.com
    FAX、メール、あるいはお手紙でお問い合わせください。

  • 魅力、利用、継承

    へっちょこだんご:たかきび粉のだんごを煮立った小豆汁にそのまま入れ、浮き上がったらできあがり。少しさめてもおいしい。

     「たかきび」はモロコシのことで、ふつうのきびは「いなきび」と呼ばれる。たかきび、いなきび、ひえ、あわ、そばなどの雑穀は、長い歴史を通じて、この土地の人びとにとって重要な主食として栽培・利用されてきた。

     たかきびは、赤い色あいの団子やもちになり、農作業の間食や子どものおやつにされ、またお祝いごとや、秋作業が一段落した庭仕舞には、たかきびの「へっちょこだんご」をつくった。たかきび粉やいなきび粉、あるいはもちあわ粉をそれぞれこねて団子にし、真ん中に親指でくぼみをつけて、煮立っているあずき汁に入れる。へっちょことはへそ(だんごのくぼみ)のことで、農作業のねぎらいの意味もあるという。へそに味がしみておいしく、汁粉をすするから「すすりだんご」ともいう。また、あずき汁に入れると浮き上がってくることから「うきうきだんご」とも呼ばれる。

     親しみのこもったいろいろな呼び名が象徴するように、雑穀の利用は、地域の暮らしの文化そのものである。1970年代に急速に減っていったが、地元や県などによる郷土食の見直しの努力によって保全され、「食の匠」の人たちが料理の技を伝えている。