国分にんじん(こくぶにんじん)

なつかしい甘さと香りは洋風にも――群馬県群馬町

調査地:〓〓
産地:群馬県群馬町国府地区
生産量:900〜1,000kg程度(平成16年度)
生産者:自家消費者を含めて6〜7名ほどであるが、市販をしている生産者に限れば1名のみ
流通・購入ガイド
  • 市場出しはしていない。一般消費者が入手するためには、生産者に直接頼むか、毎年12月の第2土・日にJAはぐくみ国府支所が開催する売り出しの直売コーナーに出されたものを入手する。
    入手先に関するお問い合わせ
    清水 稔 TEL 027-373-1066
    清水利春 TEL 027-373-4584
    JAはぐくみ国府支所 TEL 027-373-2014
    調査内容のお問い合わせ
    群馬の食文化研究会 TEL 027-237-0599

  • 魅力、利用、継承

    煮物:国分ニンジンの柔らかくて甘い味を知っている人にとっては、恋しくなるほどの「幻のニンジン」である。

     大正の中頃、国府村西国分(当時)の飯塚鉄太郎らよって、西洋系の長にんじんをもとに品種改良された、根長が60〜80センチにもなるにんじんだ。昭和に入ると、村全体に生産とタネとりが広がり、最盛期には全国のにんじんの8割をこの品種が占めた。

     その甘さと香りなど味を知る人にとっては、「にんじんといえば国分にんじん」というほど、食生活に深く浸透した。とくに煮物やきんぴら、和えものなど加熱する和食料理に向き、最近の食べ比べではスープなどでもおいしいと評価されている。

     短根の西洋にんじんの広がり、食事の洋風化などの中で、しだいに忘れられていったが、群馬町国府地区で自家用を中心に生産が続けられ、また地元JAでは年末の売出し用に生産者に栽培を依頼して販売している。タネは1件の農家で自家採種を行っている。夏にトラクターなどで深耕し高畝にして播き、冬に手掘りで収穫する。

     地元新聞社発行の雑誌やNHKの番組で紹介されたこともあり、徐々に再評価されているが、保全のためには、忘れられた「国分にんじん」の味をもっと多くの消費者に知ってもらうことが必要である。