亀戸大根(かめいどだいこん)

江戸っ子が待つ春一番の新鮮漬物――東京都葛飾かつしか

調査地:東京都葛飾区、江東区
産地:東京都葛飾区
生産量:3月彼岸〜4月中心、量は不詳(1生産者2〜3万本)
生産者:本格的には1人、ほか3〜4名
流通・購入ガイド
地場直販--JA東京スマイル元気野菜直売所(入荷ある日のみ)
調査内容のお問い合わせ
JA東京スマイル 営農生活課 〒125-0063 東京都葛飾区白鳥4-11-7
TEL 03-5680-8941

魅力、利用、継承

亀戸大根(亀の形にしばって出荷)

 文久年間(1861〜64)に亀戸周辺で盛んにつくられていた大根である。荒川水系が上流から運んだ肥えた土のため、肉質がちみつで白く輝くような大根ができ、根も葉もいっしょに浅漬やぬか味噌漬にしておいしく、新鮮な野菜の少ない早春の青物として江戸市民から喜ばれた。初物好きの江戸っ子は、亀戸大根を待ってぬか味噌を取り出し、その年初のぬか漬をしたものである。

 都市化の中で、生産は葛飾区高砂に移った。種を守ってきた鈴木藤一さんは、軸(葉柄)が真白でやわらかい株を残すためチョウによる自然交配の防止、冬の太陽熱を上手に取り入れて旬のおいしさを育てるヨシズ栽培の技など、多くの努力と工夫で栽培を続けている。

 JA東京スマイル、JA東京中央会が支援しているほか、旧産地の亀戸周辺では、商店街の若手経営者グループが「亀戸大根を地域のシンボルに」と、小学校での栽培体験、亀戸大根にちなむお菓子づくりなどを行ない、また亀戸大根をだいじメニューに取り入れてふるまう料亭もある。