沢野ごぼう(さわのごぼう)

長くやわらか、味・香りよし――石川県七尾市沢野町

「子どもん頃、ようまちんなかへ(ごぼうを)背負って売りにいったもんやいね」と、ある生産者はいう。市場につくと他のごぼうと区別するためにわざわざ場所をつくってくれて、そこで売らせてもらったこともあったという。

調査地:石川県七尾市沢野町
産地:石川県七尾市沢野町、殿町
生産量:2t
生産者:30世帯(沢野町)
流通・購入ガイド
  • 自主流通が主。
  • 市内のフィッシャーマンズワーフ能登食祭市場で販売している。
  • インターネットで予約販売し、掘りたてて茎のついたままのゴボウを販売している。
    入手先に関するお問い合わせ
    沢野ごぼう生産組合
    石川県七尾市沢野町町ヶ部42番地
    TEL 0767-52-9977 FAX 0767-52-9990
    調査内容のお問い合わせ
    ローカルジャンクション21
    〒181-0012 東京都三鷹市上連雀4-1-6-301
    TEL 0422-49-5428 FAX 0422-49-5428

  • 魅力、利用、継承

    七日焚き。大鍋に切ったごぼうと味噌を入れ、水を足しながら、7日間ゆっくりと柔らかく炊き上げる。これだけの日数炊き込んでも煮くずれしないのも、沢野ごぼうの特徴である。

     江戸時代、安永2年(1773)の『武鑑』に「前田家献上物」としてその名が登場するほど、肉質のやわらかさ・味・香りが比類なきごぼうである。長さ約1m、直径約3cmというような、長大で品質の良いものは、山すその粘土質の畑土でのみ生産される。

     それだけに、昔から収穫は一苦労。回りを深く掘り下げたあと、荒縄を「亀結び」して腰に巻きつけ、腰ごと引き抜くという方法が行なわれてきた。こうした重労働もあって栽培が激減したが、地元の有志が「沢野ごぼう生産組合」を立ち上げて、生産量の拡大に努力している。

     有機質肥料を使うこと、また連作障害に弱いため畑は4、5年空けることなど、自然のサイクルにそった栽培をしている。また、タネは栽培1年目のごぼうからでなく、根株を越冬させて3年目くらいで品質が安定したときに採るなどの工夫がこらされている。

     観光施設やイベントでの紹介、栽培体験など、広く伝える努力が行なわれている。