田辺大根(たなべだいこん)

ち密で甘く、乾物文化を育てた――大阪府大阪市・堺市・河南市

調査地:大阪府大阪市近郊
産地:大阪府大阪市、堺市、河南市
生産量:面積約50a(大阪府下)
生産者:大阪市内 約10軒
    堺市、河南市 20数軒
流通・購入ガイド
  • 河南町の朝市で販売されるほか、公設市場の地野菜コーナーなどでも販売されている。
  • NPO法人浪速魚菜の会が飲食店からの注文を受けて農家から仕入れ、販売を行っている。
  • 漬物店が農家と契約し、浅漬・沢庵など漬物としても一部流通している。
    入手先に関するお問い合わせ
    NPO法人浪速魚菜の会 TEL 06-6534-5773
    大阪府立食とみどりの総合技術センター 都市農業部年園芸グループ 森下正博
    〒583-0862 大阪府羽曳野市尺度442
    TEL 0729-58-6551 FAX 0729-56-9691
    調査内容のお問い合わせ
    スローフード 関西
    〒541-0057 大阪府大阪市中央区北久宝寺町3−5−9 中船場ビル2F
    TEL 06-6241-5251 FAX 06-6241-5251

  • 魅力、利用、継承

    大根のステーキ。斜めに包丁を入れ、炒め焼きし、だし醤油をかけて、大根おろしと糸花かつおを盛ります。

     東住吉区田辺地区周辺で、江戸時代からつくられた大根で、天保7年の『名物名産略記』に登場する。いま主流の青首大根とはまったく異なり、長さ20センチ、太さ6センチほどで、ずんぐりとして先端が少しふくらみ加減、白首である。

     肉質はち密で、やわらかく甘味が強く、煮物にも甘漬けにもあう。葉裏に毛がないため、葉も美味しく食べられるのも特長で、上記のずんぐり型は、割干し大根や切干し大根に加工するのに最適。干すことで甘味・旨味を凝縮させ、長期保存して、さまざまな料理に使う野菜の乾物文化がこの地で花開いたのには、田辺大根の存在も大きかったといえる。

     昭和の終わりころ再発見され、大阪府「食とみどりの総合センター」を通じて、タネが生産希望農家に配布され、以後自家採種がおこなわれている。朝市や直売所に出るほか、「NPO法人浪速魚菜の会」が飲食店の注文を受けて仕入れ販売をしている。一部、小学校や幼稚園の菜園でも育てられている。