いかなご

鮮度を生かし味自慢の「くぎ煮」――兵庫県下瀬戸内海地域

1年のうち早春約1ヵ月半の間だけ水揚げされる。

調査地:兵庫県下瀬戸内海地域
産地:兵庫県下瀬戸内海漁場
漁獲量:平成15年で約13,500t(兵庫県下海域)
生産者:兵庫県下の海域で950隻、約1300人
流通・購入ガイド
  • 各漁業組合や商店街で臨時の「いかなご販売所」が開設され、地場直販される。
  • 漁獲後直ちに水揚げされたものが中央卸売市場を経由して、直ちに量販店や鮮魚店に届けられる。
  • 生のままの遠距離輸送は困難なので、「いかなごくぎ煮」「釜揚げ」等に加工され、通信販売や土産物店等を通じて全国に出荷される。
    入手先に関するお問い合わせ
  • JF兵庫県漁業協同組合連合会
    兵庫県神戸市兵庫区中之島2丁目2-1 兵庫県水産会館内
    TEL 078-652-3441
  • 神戸市漁業協同組合
    兵庫県神戸市垂水区平磯3-1-10
    TEL 078-706-0456
    調査内容のお問い合わせ
    神戸おさかな普及協会
    〒652-0844 兵庫県神戸市兵庫区中之島1-1-1 神戸市中央卸売市場本場 (事務局)神戸水産物卸協同組合内
    TEL 078-672-7600 FAX 078-672-7768

  • 魅力、利用、継承

    いかなごのくぎ煮。くぎ煮を炊き上げるまでは、鍋の前から離れることができない。

     いかなごは別名小女子。急速に鮮度が落ちるため、ふつう「釜あげ」やそれを干した「かなぎちりめん」に加工されるが、兵庫県南部地方では鮮魚の「くぎ煮」が春の味覚である。

     淡路島の播磨側には「鹿ノ瀬」、大阪側には「沖ノ瀬」と呼ぶ砂地が広がり、ここがいかなごの住処である。夏場海底の砂地の中で休眠していたいかなごは、12月中旬から1月上旬に産卵する。2月下旬から3月上旬に漁が解禁となり、多くの漁船で春の海が活気づく。

     明石海峡・淡路近海のいかなごは、新鮮そのもので、肉質がやわらかく美味しい。人びとは待ちかまえるように買って、煮付ける。「くぎ煮」は、醤油・ざらめ・しょうがで甘辛く煮付けるもの。家々では、だし汁を加えたり、柑橘で香りづけや鷹の爪でピリカラしたりと、それぞれに工夫する。阪神大震災のときには、支援の恩返しにと、全国各地に「いかなごのくぎ煮」が送られた。

     いかなごの棲める海の保護は、ほかの水産資源の保護にもつながっている。兵庫県では、解禁に先立ち、新仔の調査や「試験曳き」をおこなって、漁期や漁獲時間を決め、また許可され漁船だけが操業できるようにしている。