夏みかん(なつみかん)

町並みと心身を癒す――山口県萩市

調査地:山口県萩市
産地:山口県萩市ほか
生産量:県全体の収穫量1,940t うち萩市1,730t(H15)
生産者:萩市栽培農家数 235人
流通・購入ガイド
  • 古い産地であるため、従来から業者との契約販売が多く、県内販売が販売量の60%近くある。県外向けでは京阪神地域が30%程度を占めている。
  • その他農家が道の駅や朝市等で消費者に直接販売している。
    調査内容のお問い合わせ
    山口県食文化研究会(工事中)

  • 魅力、利用、継承

    夏みかん寿司:合わせ酢に夏みかん果汁を加えるほか、すし飯に夏みかんの果実を混ぜる。

     正式な名称は「夏橙(なつだいだい)」で、江戸時代中ごろ長門市に漂着した種子が起源とされ、北長門海岸国定公園の青海島にある原樹が天然記念物に指定されている。明治時代、萩地方の旧武士たちの生業として本格栽培がはじまったと考えられ、現在でも武家屋敷の白い土塀から枝を張り出す夏みかんは、城下町萩の代表的な風物詩だ。5月ころには黄色く熟した実と翌年実になる白い花を1本の木に同時に見ることができ、柑橘系のさわやかな香りが町中に漂う。夏ミカンの花は県花にも指定されている。

     果実は果汁多く、糖分、ミネラル、とくにビタミンC、カルシウムが十分に含まれ、「オーラプテン」という香り成分が発ガン抑制効果をもっている。もともと、のどの渇きを癒す労働のあいまのおやつにもされていたもので、だいだい酢として調味料に使われるが、豊か果汁をもっと多様に活かしていきたい。夏みかんジュース、マーマレード、お菓子などのほか、市の生活改善グループなどによって「夏みかん寿司」などの料理研究が進められ、消費者へのPRも行なわれている。

     また県の農林関係者(農林事務所、萩柑きつ試験場など)や市町村関係者、農協関係者が集まり、萩管内にある夏みかん古木の保存に向けて調査活動を進めている。