夏みかん(なつみかん)町並みと心身を癒す――山口県萩市
魅力、利用、継承
正式な名称は「夏橙(なつだいだい)」で、江戸時代中ごろ長門市に漂着した種子が起源とされ、北長門海岸国定公園の青海島にある原樹が天然記念物に指定されている。明治時代、萩地方の旧武士たちの生業として本格栽培がはじまったと考えられ、現在でも武家屋敷の白い土塀から枝を張り出す夏みかんは、城下町萩の代表的な風物詩だ。5月ころには黄色く熟した実と翌年実になる白い花を1本の木に同時に見ることができ、柑橘系のさわやかな香りが町中に漂う。夏ミカンの花は県花にも指定されている。 果実は果汁多く、糖分、ミネラル、とくにビタミンC、カルシウムが十分に含まれ、「オーラプテン」という香り成分が発ガン抑制効果をもっている。もともと、のどの渇きを癒す労働のあいまのおやつにもされていたもので、だいだい酢として調味料に使われるが、豊か果汁をもっと多様に活かしていきたい。夏みかんジュース、マーマレード、お菓子などのほか、市の生活改善グループなどによって「夏みかん寿司」などの料理研究が進められ、消費者へのPRも行なわれている。 また県の農林関係者(農林事務所、萩柑きつ試験場など)や市町村関係者、農協関係者が集まり、萩管内にある夏みかん古木の保存に向けて調査活動を進めている。 |
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