溜池のふな(ためいけのふな)

ため池の恵み――香川県全域

調査地:香川県高松市周辺
産地:香川県全域
生産量:免許池は273池(総面積1,410ha)、1ha当たりの生産量は300〜500kg
生産者:免許池は273池
流通・購入ガイド
  • 地外出荷(卸業者を経て全国配達)が主。予約注文により香川県の一部小売店で家庭用に販売。
    入手先に関するお問い合わせ
    香川県農政水産部水産課 漁業振興グループ
    TEL 087-832-3471 FAX 087-834-9302
    調査内容のお問い合わせ
    香川の食を考える会
    〒760-0075 香川県高松市楠上町1-7-33
    TEL 087-861-6922 FAX 087-861-6922

  • 魅力、利用、継承

    てっぱい。昔は、おいしい寒ブナはため池の幸であった。ふなは「まぶな」と「へらぶな」に大別されるが、養殖は「へらぶな」が多い。

     ため池の多い香川県では、昔は、秋から冬にかけて池を干すときに獲れたふなを家庭の料理に用いていた。香川の味三傑「うどん」「醤油豆」「てっぱい」のうち、「てっぱい」にはふなが欠かせない。せん切り大根と塩じめ・酢じめしたふなを酢味噌であえ、特産とうがらし「香川本鷹」とねぎで辛味と風味をそえる郷土料理だ。そのほか、昆布巻きやふな豆をつくり、じっくり煮込んで骨や頭も食べた。洗い、煮つけ、甘露煮にも使われた。

     ため池の干し上げをしなくなった現在は、養殖のふなが主流であるが、これはほとんどが釣堀用で、食用はわずかである。そのため、いま家庭で「てっぱい」をつくる場合は、さば、あじ、このしろなどの海水魚を利用することが多い。

     養殖は、ふ化後15日育てた稚魚を稚魚池で1年間育てたのち、養魚池に放し約3年育てる。漁獲は10月〜3月にふなを地引網で獲り、活魚水槽車で全国へ送られる。香川県内にへらぶな生産組合が数組合あり、それぞれが保全の努力をしている。稚魚は自家生産で、4月中旬に、メスとオスをコンクリート水槽に放って2〜3日で産卵させる。人工採卵・人工授精する場合もある。