いんげん「銀不老」(ぎんぶろう)

実でもよし莢でもよし――高知県大豊おおとよ

県内でもこの地域だけで伝えられてきた豆。いぶし銀のような光沢を放つ。黒大豆の旨味と金時豆の甘味を併せもつやさしい風味。

調査地:高知県長岡郡大豊町
産地:高知県長岡郡大豊町
生産量:800kg(平成16年)
生産者:194戸
流通・購入ガイド
  • 昔からこの地域の山畑で採れ、ほとんど自家用で消費されてきた。近年少しずつ食材としての良さが認められ、高知市内のアンテナショップである直販店で少量販売されるようになった。
  • 郷土食の食育のひとつとして学校、保育園での給食にも使われている。
    入手先に関するお問い合わせ
    土佐れいほく農協太田口支所
    〒739-0250 高知県長岡郡大豊町黒石
    TEL 0887-72-0010
    調査内容のお問い合わせ
    土佐伝統食研究会
    〒780-0832 高知県高知市九反田8−4
    TEL 088-882-1414 FAX 088-882-1414

  • 魅力、利用、継承

    銀不老寿司。この地域の年中行事に作る五目ずしには必ず具として用いる。特有のうまみをもつ、莢でよし実でよしのおいしい豆である。

     銀不老(ぎんぶろう)の「ぎん」はこの豆が黒色で艶があること、「ふろう」は「不老」で、多くの機能性成分が体に活力を与え若さを保つことにちなむと考えられている。

     豆の皮が軟らかなため、煮付けると味がよくしみておいしく、適度の塩分もとれるため、昔は弁当のおかず入れると、これ一品で昼食になった。また、旧暦9月の菊の節句には銀不老入りおにぎりを作り親戚などへの土産にしたが、これが嫁の腕の見せどころだった。

     現在は地域の女性たちによって、銀不老寿司(五目ずし)、なべもち(おはぎ)など、レパートリーが広がり、また、若莢は五目ご飯、まぜ飯などにすると大変な美味である。

     7月上旬までに播くと蔓ばかり繁茂し開花・結実をしないため、7月12日頃以降には種し、9月中旬から11月下旬の収穫となる。以前は、トウモロコシの株元に播いてツルを絡ませて育てると、両方の作物がよく育つ一挙両得栽培が行なわれていた。

     これまで自家用がほとんどで、町外の親戚や子供に送る程度だったが、近年少しずつ良さが認められ、一部消費者から注文もあり、高知市内でのアンテナショップで少量販売をされる。また、保育園の食育の郷土食素材としても提供されている。