とさかのり・まつのり他

多彩な海藻の多彩な利用――熊本県天草あまくさ周辺・有明湾・不知火しらぬい

調査地:熊本県天草郡五和町
産地:有明海・不知火海・天草周辺の熊本県内沿岸
生産量:とさかのり 3t、まつのり・すぎのり他 1t
生産者:10戸
流通・購入ガイド
本渡市内・二江町の土産物店、天草郡内の道の駅
入手先に関するお問い合わせ
野崎富美子 熊本県天草郡五和町二江4662-5 TEL 0969-33-0250
(有)海鮮蔵  TEL 0969-52-7707
調査内容のお問い合わせ
くまもと食・農・健康を創る会
〒861-4112 熊本県熊本市白藤4-22-2
TEL 096-357-1745 FAX 096-357-1745

魅力、利用、継承

乾燥した海草類は水洗いしてから5分ほど水に浸し、よく水切りして、他の野菜類とサラダにしたりする。ごまドレッシングなどで食べるとおいしい。

 熊本県の沿岸は、藻場が豊富で海藻に恵まれている。味噌汁などに入れる「あおさ」、お好み焼きに振る「あおのり」などの緑藻類。おなじみ「わかめ」「ひじき」、海の森を形成する「かじめ」などの褐藻類。焼き海苔になる「あさくさのり」やサラダに使う「とさかのり」、寒天に加工する「てんぐさ」などの紅藻類など。

 天草では、「とさかのり」や「まつのり」を乾燥しておき、水戻しして酢の物や和え物にする。こんにゃくなどの練り物に入れたり、佃煮をつくることもある。硬い海藻は時間をかけて煮て味噌漬やもろみ漬にするなど、多彩な海藻を多彩に利用してきた。

 近年、護岸整備や採りすぎなどで海藻が減り、また採取に行く人も少なくなり、生産と利用の両面で海藻文化が陰をひそめている。昆布やわかめなど栽培できて大量に消費されるもの以外にも、少量・多彩な海藻の生育環境と食の技を大事にしていきたい。