くろめ

速い潮流が育てる磯の風味――大分県大字関(旧佐賀関町) 関崎・高島周辺

くろめのやわらかいところだけを選んで巻く。てきとうな長さまで巻いたら竹串でとめる。食べるときは竹串の反対からきざむ。

調査地:大分県大分市
産地:大分県大字関(旧佐賀関町) 関崎・高島周辺
生産量:約2t
生産者:大分県漁業協同組合佐賀関支店
流通・購入ガイド
収穫期は1月中旬〜3月中旬の2ヵ月間のみ
入手先に関するお問い合わせ
大分県漁協佐賀関支店(巻いた状態の製品)
TEL 097-575-0511
佐賀関加工グループ(きざみくろめの瓶詰め)
TEL 097-575-3400
調査内容のお問い合わせ
大分県庁農林水産部漁業管理課
〒870-8501 大分県大分市大手町3丁目1-1
TEL 097-536-1111(3657) FAX 097-538-5727

魅力、利用、継承

寒風の吹く黒が浜で1本1本ていねいに巻く。

 佐賀関の関崎・高島のあたりは、ちょうど瀬戸内海の水と太平洋の水が接し、潮流が速く水質がきれいなため、ここに限って食べておいしい「くろめ」が育つ。「くろめ」にはクロメとカジメの2種があり、佐賀関で「くろめ」と呼んで食べるのはカジメのほうである。

 くろめは、新芽の伸びる冬にとるとやわらかく渋味がなく、美味しいので、1月〜3月に箱眼鏡と長い根のついた鎌を使って収穫する。採ったらすぐに、寒風吹く黒が浜で、おばあちゃんたちの手によって1本1本棒状に巻かれる。

 くろめ巻きを生のまま細かく刻むと、粘りと風味が出て美味しくなる。これを、おわんに入れて熱い汁を注げば、磯の香りいっぱいの味噌汁やお吸い物になる。くろめ入りのかさご汁は、佐賀関ならではの冬の味覚だ。醤油・ごまなどで味つけして熱いご飯にかけるのもいいし、もずく風に酢醤油で食べるのもいい。

 近年の海の環境変化によりくろめも減ってきているなか、県の試験研究機関では、藻場回復のための試験研究をおこなっている。