開会あいさつ
講演/中橋義幸
福岡県/福岡女子大学しょくぼねっと
佐賀県/オリザジャポニカクラブ
長崎県/西海市地産地消地域推進協議会
熊本県/熊本県食生活改善推進員連絡協議会
大分県/本匠農林水産物生産組合「あぐり」
宮崎県/三者会
鹿児島県/かごしまの“食”推進員
意見交換会
 
 


 
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地域に根ざした食育推進について

武田郁子/三者会(さんもんのかい)

三者会(さんもんのかい)とは?

発表をする武田郁子さん

 食用甘藷(さつまいも)の生産量が全国でも1、2位を誇る串間市は、第一次産業を基幹産業とする田園都市です。昭和30年代の高度経済成長を経て過疎化が、現在は少子高齢化が進み、「市民の健康づくりと農業の振興」が急務となっています。

 そこで結成されたのが「三者会」。
  「三者」の名の由来には、新しいことを起こすには周囲からバカといわれるぐらい打ち込む「ばかもん」、古い習慣、観念を打ち破る若さとエネルギーがある「わけもん」、地域に転がっている価値観のあるものを発見してくれる「よそもん」、この三者の精神が必要という思いが込められています。

 この「三者」の精神をもったさまざまな職種のボランティアが、地元の特産物である寿甘藷のもつ栄養価や、広範囲な利用法などの食材のすばらしさを伝える活動を、日々続けているそうです。
 会場からの「どんな職種の方がいるのですか?」との質問に、「パーマ屋さんから調理師さんから保母さんから、商店の方から主婦から、さまざまですね」とおっとり答える武田さんに、「ふふ」と会場の雰囲気が和みます。

 その活動は、「強制はしない」「お芋も自分たちで持って行く、全部手弁当」が基本。たとえば必要な人数が足りないときも、「じゃ、人がいないから断ろうか」ではなく、「じゃ次、誰か行ってくれる人」「行ってくれる人」…と探して、賛同してくれる仲間を募っては会を続けているそうです。そのおかげで今では男性も含め会員も増え、幅広い活動ができるようになってきているといいます。

きっかけは、初日の出の日の「おもてなし」

都井岬に初詣に訪れるお客様に、「甘藷の素揚げ」でおもてなし

みんなで芋の苗を植える

2006年6月には、芋を使った料理コンテストを開催

 会を立ち上げる最初のきっかけは、元旦に都井岬で初日の出を見に訪れるお客さんに、なにかおもてなしができないかと考えたことでした。
 「私たちも31日の暮れですから、メンバーのほとんどが主婦で忙しい。元旦の朝3時から準備するため、大変きついので迷いながら実行し、串間市の誇れるものということで甘藷の素揚げとお茶、コーヒーを振る舞ったところ、80歳のおばあちゃんが手を合わせて、『本当に暖かいおもてなしをして頂いてありがとうございます。もし元気であったら、来年もまたこの地で初日の出を見たいです』と言っていただいて。私たちもそういう言葉をはげみに毎年行っているような現状です」。

 やがて「串間よかもん市」を初めとする串間市でのあらゆるイベントへ参加したり、自分たちでも「からいもフェスティバル」「フードインフェスタin串間」「お芋フェスタin宮崎」といったイベントを開催するようになりました。

 さらに当初は買っていた芋も、「お芋を売ってください!」という声が多く聞かれたことから、畑をつくって苗を植え、芋ほりまでも自分たちで行なうようになりました。芋ほりの時には、ほりたての芋でカレーなどをつくり、参加した人たちに食べてもらったそうです。

 昨年(2006年)の6月には 3回目となる料理コンテストを行い、来場者にレシピを配布しました。今後の展開として、「その場かぎりで終わるのではなくて、インターネットで情報を公開するなど、広く活用していただけるような方法を考えていかないと」と、武田さんは言います。

ボランティアグループである、ということ

 「私たちはいつも思うんですけど」と前置きをしながら、
 「ボランティアグループというのはふつう、支援もないし活動情報もないものだと思うのですけれど、宮崎県の場合は県や、食と農を考える県民会議、宮崎農政事務所、農文協の方たちから、多くの情報を提供していただいています。
 研修のみならず『こういうのがありますよ』と、さまざまな情報を提供してくださるので、研修を受ける・受けないは別として、『じゃ、これ参加してみようか』と思えるんです。
 どうしても予算的に厳しい現状の中でやっていく中、私たちボランティアがいかに地域を活性化できるか、地域の農産物の安全をモットーに活動できるかと考えると、本当に、そういった行政団体の支援は大変ありがたいなと思っております」
 と結び、「食育」が行政やJA、または関心をもっている地域の人々との連携で初めて行なわれることの意義を、話されていました。