開会あいさつ
講演/中橋義幸
福岡県/福岡女子大学しょくぼねっと
佐賀県/オリザジャポニカクラブ
長崎県/西海市地産地消地域推進協議会
熊本県/熊本県食生活改善推進員連絡協議会
大分県/本匠農林水産物生産組合「あぐり」
宮崎県/三者会
鹿児島県/かごしまの“食”推進員
意見交換会
 
 


 
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学校給食における地域農産物の活用を通じた食育活動

萩元純子/かごしまの“食”推進員

吉田給食部会発足まで

発表をする萩元純子さん

 萩元純子さんの住む吉田地域は、北は水田地帯・南は畑作地帯と、自然に恵まれた農業の盛んなところです。平成13年度「かごしまの“食”推進員」を委嘱されたこともあり、磯川りえこさんの場合と同じく、「学校給食にどうして地元の野菜が使われないのかな」といつも疑問に思っていたといいます。

 そんな折、鹿児島県から「地産地消の一環として、学校給食における地域農産物の活用を進めていきたい。地域の状況を調べてほしい」という話をもらい、県の改良普及員と一緒に意向調査を始めました。「旬の野菜を味わう程度であればなんとかなるかもしれない、じゃあできるところからやってみよう」と、その時旬だった冬瓜から試験的に扱い始め、平成16年3月には学校給食に安全な野菜を届ける「吉田給食部会」が発足し、現在3年目にはいったそうです。

「葉つき・土つき・株ごと」の野菜をみてもらう

 発足当初からおこなっている給食交流会では、生産者に朝どりの野菜を持ってきてもらいます。ニンジンや大根なら葉つきのまま、カライモや里芋なら株ごと、なるべく畑から掘り出した土つきの姿を見せながら、自己紹介をしてもらいます。
 すると子供たちからは「どうしてこんなおいしいものができるんですか?」「どんな気持ちで野菜を育てているんですか?」「失敗したことなんかないんですか?」といろいろな質問がとび、先生役の生産者や栄養士、行政の職員の方たちがそれに答えます。

 次は畑から持ってきた野菜に触わる時間。子供たちはすぐさま走りよってきて「すげー」とか「でっかい」と言いながら、野菜を持ち上げてみたりさすったり、中には頬ずりする子も。そんな姿をみた生産者は、「ああよかったなあ、また来年はよかのを作って持ってきて見せんならなあ」という気持ちになるそうです。

 最後は、みんな一緒に給食タイム。それはもうにぎやかで、生産者は「この中に入っちょっジャガイモは、おじさんがつくったたっよ」とか、子どもたちは「このニンジンはね、誰々ちゃんのばあちゃんがつくったんだよ」とか、「おいしいよ、だからみんな食べるんだ、おじちゃんやおばちゃんも残さんで食べてね」と会話が弾みます。

 「栄養士さんのお話によると、残食も少なくなったそうです。それはもちろんですよね。旬のもの、新鮮なもの、本物の味がするんですから。おいしいはずです。
子どもたちは、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんがつくった野菜が給食にでてくるのが誇らしくて、自慢をしているみたいです。おじいちゃんやおばあちゃんや、お父さんやお母さんたちにとっては、子どもや孫が食べるんだから、より安全なものをつくらなくちゃと生産意欲もわくというものです。
 子どもたちと生産者、お互いの顔が見える給食交流会は、今後も続けていきたいと思っております」
 と、その様子を紹介していました。

ボランティアをしながら学ぶ

 また、「行事食、郷土食は誰かが伝えていかなければ、伝わっていかないんだなと思いながら活動しています」と言い、夏休みに親子料理教室を行った様子も報告いただきました。

 鹿児島に昔から伝わっているのに子どもたちがあまり見たことがないという、ヘチマ、トイモガラ、ミガシキといった食材を使い、地域に伝わる伝承料理やお盆料理などの行事食をつくります。最近では家庭でこういった料理をあまりつくらなくなってきたこともあり、帰ってから親子で料理の由来などを話し合いながら楽しく食卓を囲んでほしいとか。

 最後に「食は生きていくうえで非常に必要であります。私は食のボランティアとして活動させてもらっておりますけれども、実は反対に自分が勉強させられている、学ぶことの方が多いことに気づかされております。これから、地域の人々に自分が学んできたことをどれだけ還元していけるのか、日々考えながら行動していきたいと思います」と結ばれました。