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地域の児童への魚食普及と環境教育

川畑チトセ/岩手県食育パートナー

「食の大切さ」を痛感

発表をする川畑チトセさん

 岩手県の三陸沿岸南部に位置する大船渡市は、岩手県内最大の漁獲量をほこり、さらに「つくり・育てる」漁業もさかんです。鮭、アワビ、ウニの栽培漁業や、ワカメ、カキ、ホタテの養殖業もおこなわれています。
 漁協を退職した川畑さんは、食生活改善推進員の講座を受けたことがきっかけとなり、「食の大切さ」をよりいっそう痛感するようになったそうです。そして、「生活の場である海の環境は自分たちの目、手で守ろう」をスローガンに、仲間と積極的に天然油脂石鹸の普及などに取り組んできました。また、食育アドバイザーとして、地域の子どもたちにへの活動もおこなっています。
 今回は、その活動の一環である小学校への「食育授業」を中心に話してくださいました。

魚食普及に取り組む

 海で生まれ育った子どもたちに前浜で獲れた魚の本当のおいしさを知ってもらいたい、と考えた川畑さんはまず、地元の漁協女性部に働きかけます。その協力をもとに「魚食普及」をおこなうにはどうすればよいか考えたあげく、地元の崎浜小学校に相談しました。

 折しも小学校でも「食育を重要なものと捉えていたので」と快諾をいただき、授業参観日に6年生の親子教室で、魚についての食育授業をおこなうことになりました。この日は普通日のためかおばあちゃんの参加もあり、孫の調理にニコニコ顔のおばあちゃんが加わった、和やかな雰囲気。

 午前中の料理教室では、地元の魚を使った伝統料理「鮭のすり身汁」と、サブメニューに「鯖の甘酢あんかけ」をつくりました。

まず、鮭の説明をしながら食育授業スタート

鮭のすり身汁をつくる

 漁協から提供してもらった鮭と鯖で、漁協女性部の仲間と一緒にまず魚をさばきます。子どもたちは鮭の腹に包丁を入れて血がでたのを見てはびっくりし、イクラが出てくると歓声を上げて喜びます。さらに鮭の切り身をまな板で叩きすり鉢ですっては、お母さん方の顔を見てニッコリ。

 ただし、鮭の説明でオス・メスの違いを教えたものの、魚のことをあまり知らないのに「浜の子どもなのに」とちょっとがっかりしたそうです。ですが家の味噌汁担当という男の子の包丁さばきが上手で、感心させられた場面もあり、子どもの頃から食の係わり合いがいかに大切かも確認できたとのこと。

 試食会では子どもたちから、「おいしい」「おいしい」の連発。この参観日が終わったあとも、道で川畑さんに会った子どもたちは「おばちゃん、鮭のすり身もおいしかったし鯖のあんかけもとっても味が良かった」と声がかかり、「この教室をやってよかったな」とやりがいを感じたそう。

 午後は環境問題について、仲間の漁協女性部の方が説明を受けながらビデオを使って学習しました。ここでも子どもたちからの質問を受け、天然油脂から作られる石鹸の良さや海や河川の汚染についても関心が高かったそうです。

 今回をふまえ学校関係者からは、「食文化の継承」を目的にした取り組みを継続してほしいとの要望がでたこともあり、さらに活動を広げていく必要を痛感しています、とのこと。今後は市内の他の学校でも同じように、「食育授業」や海の環境を守るための取り組みを、学校関係者らと連携して取り組んでいきます、と結ばれていました。