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プロの調理人が展開する地域の農林水産物を核とした食育推進山際博美/リゾート旅館ヴィライナワシロ初めは不評だったことも
今回の発表者である山際さんは、福島県会津市の猪苗代湖に面する旅館、「ヴィライナワシロ」で料理長をされています。年間の宿泊客の4割を占める修学旅行生向けに、地元産物をつかったメニューを開発したり、その事前学習に地域の子ども達との交流を交えた取り組みをされていることをお話しされました。 「今までですと、エビフライとハンバーグと鳥の唐揚げを出していれば、絶対に間違いないし、クレームがないんですね。でも、そういったことはもうやめようということで、5年前から福島県の特産品を使ったメニューに切り替えました」 最初の年は「どうして会津の郷土料理、ニシンのサンショ漬けや棒たらの煮付けを出すんだ」とか、「魚なんか食うわけないじゃないか」とクレームがきたそうです。でも、ご飯を食べる前に、料理のスタッフの方が「これは福島県の○○産の○○ですよ」とか、「これは○○さんがつくった野菜ですよ」と説明することで、子どもたちが食材に興味をもつようになり、自然と残食が減ったといいます。 小学校で事前学習
修学旅行の前の事前学習として、気仙沼の階上小学校へ会津の農産物の説明に行った事例も紹介くださいました。 福島県の農業の状況、どのような農産物がつくられているか、伝統野菜の舘岩蕪・真渡瓜・立川ごぼうの歴史や産地のようすなどを話したところで、実際にどのような献立になるのかを写真を交えて説明していきます。たとえば 続けて『これはゴボウのクルミ和えですよ』『真中にイクラが乗っているのは、ゴボウを炊いてやわらかくしたあとに、中をくりぬいて半分に切り、中にイカの細切りを詰めてイクラをのせました』『これは赤ワインで煮ましたよ』『これは太いほうのゴボウを煮て、中をくりぬいて、ホタテのすり身を入れて海苔を巻いてから揚げました』と写真を見せながら説明すると、『おもしろい。今までゴボウっていうとキンピラしか食べたことがない。いろいろなことができるんですね』」と、子どもたちは興味津々。 また、会津の伝統野菜の慶徳玉葱でアイスクリームができることを伝えた時のこと。タマネギと言えば、カレーや豚汁くらいしか思い浮かばなかった子どもたちはびっくり。「これ、絶対に食べたい!」と、旅行当日の献立に必ず入れてくれるよう、山際さんにお願いしたそうです。 地元の小学校と交流会
そしていよいよ、階上小学校が修学旅行にやってくることになったとき、地元の小学生と交流会を開きたいという要望がありました。階上小学校では、総合的な学習の時間に自分の地域の産物について勉強していたこともあり、その発表の場として、福島県内の小学校との交流会をすることになったのです。 会津若松市と喜多方市の小学校から生徒を招き、「ヴィライナワシロ」で発表会と、お互いの地元産物を使った食事会が開かれました。会津の小学生に、「気仙沼の小学生に何を食べさせたい?」ときくと「イナゴの佃煮を食べさせてあげたい」と返事が即剤に戻ってきたそうです。喜多方の小学生は、自分たちがつくったモチ米でちまきをつくって食べさせることになりました。 「地域を越えた交流、食をテーマとした交流会というのは、私自身も本当に初めてでした。県の関係者も誰もやったことがなく、大変だったのですが、お礼の手紙などもいただいたこともあり、実際やってよかったなと思いました」と、手応えを感じていました。 ほかにも、子どもを主役にお米を炊くことから始める親子料理教室、天然と普通のお塩の食べ比べなどをする味覚教室を同時にひらくなど、多彩な活動をされています。 |