開会あいさつ
講演/三浦理代
青森県/地域活動栄養士協議会むつ
岩手県/岩手県食育パートナー
宮城県/キャベツクラブ
秋田県/女性農業士
山形県/山形県食生活改善推進協議会
福島県/リゾート旅館ヴィライナワシロ
意見交換会


 
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意見交換会

活動の裾野を広げるために

意見交換会のようす

 すべての発表が終わったところで、参加者全員による意見交換会がおこなわれました。

 まず、司会の本鍛冶 東北農政局消費・安全部 消費安全調整官より、これまでのまとめがありました。
 「皆さんのご講演なり、事例発表をうかがったのですが、とくに事例発表に共通して『食育の原点は家庭にあるのではないか』と感じました。ただし今、その家庭で食育ができないから、ボランティアの皆さんがそれぞれがんばっておられると。
 そういう中で、食育を国民運動として、これから点から面へ広げていく重要な時期に、どうしたら裾野を広げられるのか、アイデアをうかがいたいのですが」という問いかけにはまず、山際さんが答えました。

 「家庭でできない、学校でもできない部分があるとなると、我々、食を提供するプロとしては何ができるのだろうと考え、2007年の4月から年6回、調理師、一般の消費者、あとは栄養士さんたちを集めて、食のソムリエ育成講座を開くことにしました。やはり食に関して教える立場の方々を、もっともっと専門的に育てていきましょうということで、つくる側のプロとしてアドバイスするために、親子料理教室などの活動をおこなっていきたいと思っています」と、食のプロを育てる試みについて話します。

 続けて貝山さんは「私たちが一生懸命ものを申しても、つくって食べさせる側のお母さん・お父さん方が動いてくださらないといけません。そこで先日、利府町の連合PTAの研修会でキャベツクラブのPRをさせていただきました。実際にどのような活動をしているのかを伝え、少しずつ地道にでもこのキャベツクラブから発信して、底辺を広げることが大事だと思って取り組んでおります」と、ひとつひとつ活動を積み上げていく大切さをお話しになっていました。

 また、遠藤さんからは「大森町内には女性農業士が5人います。そこで自分たちが出資したお金と横手市からの補助を併せて、『豆1粒運動』をおこなっています。
 食育ボランティアとして町内5つの学校をまわり、豆から豆腐までができる過程を知ってもらったり、酒粕鍋とか地域の鍋で『鍋バイキング』をしたり、子どもたちに寒じめホウレンソウなどを食べてもらう活動をしました。すると『やはり本物の味を生産者が教えてくれたのが一番嬉しい』とPTAの会報に反響をいただきました」

会場からの質問

 会場からの質問コーナーでは、各県の抱える現状も含めて、いくつもの質問がでました。

 たとえば「実際に食育の活動をされている方々が、行政にもとめることは?」という質問に対しては、
野呂さんが「1年に2回とか3回とかの事業計画が春先に出ますよね。1回私たちが行った事業で子どもたちがお料理とかつくりますけれども、次の年はどうなったかなとか、そのあと、その子どもたちがどうしているのかなということを、私たちはとても知りたいと思っています。
 できれば、次の年、その次の年と、継続事業のようなかたちで残していただければなという感じはしています」と答えれば、
川畑さんは「料理教室を開いたところ、普通日におこなったためお母さんが参加できませんでした。たまたまおばあちゃんが来て、それはよかったのですが、土曜日のあたりにこういう教室を開いていただければ、お母さんたちにも参加してもらい裾野を広げる一環になるのではないかと感じました」といい、

 沼澤さんも「今は子どもたちが日曜、土曜日でも、いろいろなスポーツをやっていたりして、なかなか日にちを取れないというのが悩みの一つなんですね。学校や教育委員会にも事前にお願いはしておりますけれども、そのへんをお互いに譲り合ってしていただければ、なお一層、県の食生活改善推進協議会がスムーズに行えるのではないかなと」と、日程調整に苦労されている様子をお話しくださいました。

会場からの質問

 司会の本鍛冶さんはさらに続けて、問いかけます。
 「やはり食育を国民運動として拡げていくために、本日お見えの方々のような、ボランティアによる部分がかなり大きいと思うんです。そんな中、ある団体はこんなことをやっている、またある団体はこういうことをやっているというような、情報の共有化、ネットワーク化が必要なのではないでしょうか。それにまつわる苦労話もお話しいただければ」という質問に応えて野呂さんは  「やはりいろいろ見たり聞いたりしないとできない部分もありますので、こういうフォーラムのような貴重な情報交換の場に参加できて、他県の情報も得られるということで、とても貴重な場をいただけたなと思っています」

 また、会場からは
 「泉区保健福祉センターでは、調理体験の場を開催したい人のための『手引き』をつくっています。栄養士さんや調理師さんといった専門職の方ではなくとも気軽に開けるように考えたからです。
 それに伴い研修会をした結果、食に関することを知りたい方、すでに活動をされている方がたくさんいるのだと、すごく感じているところです。
 こちらもそれに感動しまして、交流の場を設けたところ、参加された方同士で情報交換とか連絡の場をつくり、活動が拡がっていっているようです」と、すでにネットワークをつくり始めている声をきくこともできました。

 さらに、ネットワークをつくる時の苦労をきかれた貝山さんは「よくぞ聞いてくださいましたという感じです。キャベツクラブを立ち上げるまでに、実は2年近くかかっております。参加している団体の皆さんは、自分たちでもいろいろな活動を展開しているわけで、その他にキャベツクラブで何ができるかと、各団体それぞれ非常に悩みました。

 キャベツクラブの活動が始まってからも、苦労がないといえば嘘になりますけれども、学校に出向いて指導したあと、子どもたちから『おばちゃん、今度いつ来るの?』と聞かれると、『あ、来てよかった』と思うのが、会員の感想です。ですので、あとに楽しみがあるので、地道ですけれども、活動は継続していけるのではないかと思っております」

食育の原点は家庭にあり

  最後のまとめとして三浦さんの  「食育の原点は家庭にあるというところから始まったと思いますが、私も含めてその後の社会の変化などの影響を受けるとやがて、食育はどこへやら、という感じになってきてしまうんですね。
 ですから、いろいろな年齢層で、それから家庭はもちろん、高齢者施設、保育園などいろいろな場で、ずっと食育が必要なのではないかと思います。そこへ向けての専門家を私どもは教育していると思っております。
 今日の皆さんたちは、いろいろな分野から、とても魅力的な、説得力のある、良き指導者、良きリーダーだと思います。こういう方々のところには人が自然に集まってくる。良きリーダーがいてやる気がある。そして、魅力的な団体に、人が集まってくるのではないかと思います。
 というわけで、さまざまなご苦労はあるかと思いますが、情報交換しながら、東北でおこなっていることをもっと広めていただきたい。そして、私たちもこういう実態を知って、もっとこのような教育を進めなければならないんだなと思ったところです。今日は私にとっても大変いい勉強をさせていただきました。ありがとうございました」
とこれからの活動への期待をお話しされて会は終わりました。